自動車保険に新規加入するときの基本ポイント(等級・必要な補償について)

自動車保険に初めて加入する場合、どうすればよいかわからない…という人も多いのではないでしょうか?
自動車を運転するならば必須と言える自動車保険ですが、内容はかなり複雑です。

ここでは

  1. 自動車保険に新規で加入する場合の基本的な知識
  2. できるだけ安く自動車保険に加入する方法

についてまとめてみました。

特に、補償内容を途中で変更できるかどうかについては、重要なポイントです。
しっかりした補償は付けたまま保険料を抑えるためにチェックしていきましょう。

契約手続きの流れ

まずは自動車保険に加入する際の大まかな流れを確認します。

自動車保険には、

  • 通販型自動車保険
  • 代理店型自動車保険

の2種類があり、代理店型の場合は店舗に行く必要がありますが、通販型の場合は見積りから申し込みまでインターネット上で済ませることが可能です。
どちらの場合も以下の4つの段階を踏んでいくことになります。

1.見積り

保険会社や代理店に必要な情報を伝え、見積りを依頼します。
保険会社によって保険料は大きく違ってくるため、できるだけ多くの保険会社に見積りを依頼した方がよいでしょう。

2.結果確認、検討

見積もりの結果を確認し、どの保険会社に加入するかを決めます。
保険料も重要ですが、十分な補償が受けられるかどうかを確認しておきましょう。

3.加入申込

必要書類を準備し、加入申し込みをします。
代理店型の場合は店舗等で、通販型の場合はインターネット上で手続きをします。
契約時の登録情報は重要ですので、間違いのないようによく確認して契約をしましょう。

4.補償開始

手続き後、入金が済んだ後に補償が開始されます。
一般的には午後4時から補償が開始されますが、補償開始時間は変更することも可能です。
補償開始日、時間は自分に合わせるようにしましょう。

保険に入るときに必要なもの

自動車保険に加入する時や見積りを依頼する時は、以下の書類が必要になります。

車検証

車検証とは「自動車が保安基準を守っていること」を証明する書類のことです。
自動車番号や所有者、型式などの情報が詳細に記載されており、一般的には取扱説明書などと一緒に保管されています。
法律により、車検証は必ず自動車に積んでおかなければなりません。
見積りや加入などの手続きで持ち出した際は、忘れないようになるべく早く自動車に戻しましょう。

自賠責保険証明書

自賠責保険とは法律により加入が義務付けられている保険のことです。
相手に対する最低限の補償をしてくれる保険であり、一般的に新規購入時や車検の時に加入しています。

運転免許証

運転免許証の色により保険料は違い、ゴールド免許の場合は大きく割り引かれることが多いです。

新規で加入する時の保険の等級

「等級」とは保険料の割引・割増を適用するための制度です。
1等級から20等級までの20段階に分かれており、等級が高いほど保険料は安く、等級が低いほど保険料は高くなります。

新規加入の場合は基本的に6等級から始まりますが、自分もしくは家族(同居の親族・配偶者・配偶者と同居の親族)が1台自動車を所有しており、「複数契約割引」を適用できる場合は7等級から始めることが可能です。

複数契約割引の条件は下記の通りです。

  • 1台目の自動車保険が11等級以上であること
  • 1台目、2台目両方とも自家用8車種のいずれかに該当すること
  • 1台目、2台目両方とも所有者が個人であること
  • 2台目の所有者が次の条件に当てはまること
    ①1台目の記名被保険者
    ②1台目の記名被保険者の配偶者
    ③上記①または②の同居の親族
    ④1台目の自動車の所有者
  • 2台目の記名被保険者が次の条件に当てはまること
    ①1台目の記名被保険者
    ②1台目の記名被保険者の配偶者
    ③上記①または②の同居の親族

条件が複雑で分かりにくくなっていますが、1台目の自動車保険が11等級以上なら条件に当てはまることが多いです。

6等級と7等級では保険料が大きく違ってくるため、条件を満たしている場合は7等級から始めた方がお得になります。
すでに1台自動車を所有している場合は、保険会社にその旨を伝えるようにしましょう。
1台目と2台目で保険会社が違っても複数契約割引は適用されるため、遠慮せずに確認するのが大事です。

できるだけ安く保険に入る方法

初めて自動車保険に加入する場合、等級が低い状態から始まるので保険料は割高になります。
自動車は保険料以外にも維持費が多くかかるため、できるだけ保険料は抑えたいものです。
そこでこの項目では、保険料を抑えるためのポイントを説明していきます。

通販型の自動車保険に加入する

自動車保険は、通販型の自動車保険に加入した方がほとんどの場合で保険料は安くなります。
新規で自動車を購入する場合、商談を進める中で保険の話を持ち出された経験のある人も多いでしょう。
他の車に保険をかけていたり、保険会社に知人が居ない場合などでは、そのまま相手に言われた通り加入の手続きまで済ませる人は多いようです。

自動車販売店の多くは保険代理店も兼ねており、保険も同時に加入してもらうと利益が多く得られます。
そのため新規契約を獲得しようと保険説明にも力を入れていますが、その場で加入申込はせずに各保険会社を見比べてみましょう。

補償内容を考える

補償内容をよく考えて加入することで、保険料を最低限に抑えることができます。
特に重要なのは、

  1. 車両保険
  2. 人身傷害保険・搭乗者傷害保険
  3. 特約

の3項目です。

1.車両保険

車両保険とは、自分の車が損害を受けた時に修理費を補償してくれる保険のことをいいます。
もしものときに心強い保険ですが、その分保険料は大きいです。
まずはこの車両保険の補償をどうするか考えてみましょう。

車両保険が必要かどうかの判断基準は、万が一の際に修理費用を出せるかどうかです。
「数万円ほどの修理費なら出せる」「大きく修理費がかかるなら買い替える」といった考えを持っている場合、車両保険を付けないという選択もありでしょう。
車両金額によっては数万円単位の保険料を節約できます。
ただし、マイカーローンを組んでいる人は車両保険に加入していないとローンだけが残ってしまう可能性もあるので注意が必要です。

車両保険に加入しながら保険料を抑えたい場合は、「エコノミー型」「車対車+A」などの補償内容が限定されるタイプを検討してみましょう。

車両保険は補償範囲によって2種類に分かれています。
「一般型」「全損害型」といった広い範囲を補償するものと、「エコノミー型」「車対車A」といった狭い範囲を補償するもので、名称は各保険会社によって違いますが、大まかな補償内容は同じです。

一般型

一般型の車両保険は「単独事故」や「当て逃げ事故」なども補償範囲に含まれます。
単独事故とは、相手が居ない事故、例えば電柱や壁にぶつかってしまう事故のことです。
自損事故や一人相撲とも言われるもので、補償範囲が広い分、保険料もエコノミー型に比べ割高になります。

エコノミー型

エコノミー型の車両保険は「他の自動車との衝突事故」や「盗難」「飛来中または落下中の他物との衝突」など、基本的な損害だけを補償します。
補償範囲が狭い分、一般型より保険料は安いです。
補償範囲が狭くても問題なければ、エコノミー型の車両保険に加入した方が保険料を大きく節約できます。

2.人身傷害保険・搭乗者傷害保険

「人身傷害保険」と「搭乗者傷害保険」は、どちらも運転者や搭乗者のケガを補償する保険です。
これらの補償を見直すことで、保険料を節約できる場合があります。

人身傷害保険

「人身傷害保険」は発生した損害に相当する額が保険金として支払われる保険です。
事故の過失割合に関係なく、示談が済んでない状態でも支払われるため特に重要な補償といえるでしょう。

搭乗者傷害保険

「搭乗者傷害保険」はケガをした部位・症状、入院や通院にかかった日数に応じて保険金が支払われる保険です。
「実際の損害額」が支払われる人身傷害保険と比べ、「予め定められた金額」が保険金として支払われるのが大きな違いとなります。

この2つの保険は補償内容が重複している部分も多いため、手厚い補償の「人身傷害保険」だけに加入し、「搭乗者傷害保険」には加入しないというのも一つの手段です。
そうすることで保険料を数千円ほど節約できますが、補償が薄くなるため慎重に考えた方が良いでしょう。

3.特約・割引

自動車保険には様々な特約が存在しており、特約を利用することで保険料を大きく節約できる可能性があります。
代表的な特約として挙げられるのが「運転者限定特約」です。
運転者の範囲を狭めることで、保険料を安くすることができます。

保険会社によって細かな範囲は違ってきますが、主に「本人限定」「本人・配偶者限定」「家族限定」といった区分になっています。
誰でも運転できる「限定なし」の状態よりも本人しか運転できない「本人限定」の方が数千円から1万円安くなる場合もあるので、積極的に利用していきましょう。

ただし、運転者限定特約を付けると友人や同僚などの他人が運転した場合は補償されなくなるので、補償範囲の人以外が運転しないよう注意が必要です。

また、割引制度も積極的に使っていきましょう。
保険会社によって種類は変わってきますが、例えば以下のような割引制度があります。

自賠責セット割引

自賠責保険と自動車保険を同じ保険会社に加入した場合の割引制度

新車割引

新車を自動車保険に加入した場合の割引制度

ゴールド免許割引

契約時にゴールド免許だった場合の割引制度

インターネット割引

インターネット上から見積り・加入手続きを行った場合の割引制度

インターネット証書割引

保険証書の印刷を省略する場合の割引制度

割引制度を多く使用できれば大きく保険料を節約できる場合もあるため、割引制度が充実している保険会社を選ぶのは大きなポイントになります。

補償内容にはすぐ変更できるものとできないものがある

補償内容を決める際に注意したいのが、補償によって契約途中で変更できるものとできないものがあるということです。

保険会社によっても変更できるものとできないものは違う場合があるので、契約時にしっかり確認をしましょう。

例えば、「運転者限定特約」や「年齢条件」などはいつでも変更することができます。
「友人が運転することになった」場合や、「契約途中で誕生日を迎えたので一つ上の年齢条件に当てはまった」「弟も運転することになったので年齢条件を引き下げたい」などの場合は所定の手続きを行うことで契約内容を変更することが可能です。
手続きと同時に変更内容に応じて保険料を追納したり払い戻しがなされることになります。

普段は補償範囲を狭めておいて必要な時だけ補償を広くするということも可能ですが、内容を変更し忘れると補償が受けられなくなり本末転倒になることに注意が必要です。
例えば「年に数回しか運転しない人」や「特定の日だけ運転する人」などが居る場合は、普段は限定をつけるなどして保険料を抑えるのも良いかもしれません。
ただしくれぐれも、必要な時に契約内容を変更するのを忘れないようにしましょう。

また、保険会社で対応が違ってくるのが車両保険についてです。契約途中での解約や途中付加ができるかどうかはよく確認しておきましょう。
「途中でも入れる」「一般型は入れないがエコノミー型ならば入れる」「途中付加はできない」など、保険会社によって対応は様々です。

加入できる場合でも、途中加入後すぐに車両保険を使用した場合はトラブルになる可能性があるので注意が必要になります。

新規加入時の注意点

自動車保険は補償内容が複雑であり、よく分からずに加入している人も多くいます。
しかし、万が一の時に十分な補償を受けられないのでは加入する意味がありません。

十分な補償を受けた上で、保険料もできるだけ安くして契約をしたいものです。
契約申込をする前には、本当にその内容でよいのか確認しておきましょう。

新規加入時の注意点としては、以下のようなものがあります。

十分な補償がされる契約内容か

「対人対物補償は無制限か」「搭乗者や車両の補償は自分が満足できるものか」「補償範囲は大丈夫か」など、万が一の際に十分な補償が受けられるかどうかを確認しましょう。
分からない部分が合った場合は担当者や保険会社に問い合わせ、自分が納得いくまで確認することが大事です。

割引制度は全て使えているか

保険会社は様々な割引制度や特約を用意しています。
自分に合った割引制度や特約は存分に使い、できるだけ保険料を抑えるようにしましょう。

ただし、保険料を抑えるために必要な補償をなくしてしまったり、補償範囲を間違えてしまってはいけません。
なるべく担当者や保険会社と話し合いながら、慎重に決めるようにしたほうがよいでしょう。
保険会社を変えるだけで数千円から1万円ほど節約できる場合もあるため、様々な保険会社に見積りを取るのも有効です。

事故やトラブル時の対応は安心できるか

事故やトラブルの際に、安心して補償を受けられるかも大事なポイントです。
万が一の際の連絡先や連絡手順を確認し、納得した場合のみ加入するようにした方がよいでしょう。

まとめ

自動車保険に新規で加入する流れは、大まかに「見積り」「検討」「申込」「補償開始」の4つに分かれます。
できるだけ多くの保険会社から見積りを取って見比べてみましょう。

新規で自動車保険に加入する場合は6等級から始まりますが、条件を満たせば7等級から始めることが可能です。
1台目の自動車保険が11等級以上ならば条件を満たせる可能性が高いので、保険会社に問い合わせてみましょう。

自動車保険はできるだけ安く抑えたいものですが、実際に安くするために大事なポイントは「通販型の自動車保険に加入する」「補償内容を抑える」などがあります。
補償内容によって途中変更が可能なものと不可能なものがあるため、加入時によく注意しておかなければなりません。

加入の際は「十分な補償がされる契約内容か」「割引制度は全て使えているか」「事故やトラブル時の対応は安心できるか」などに注意して契約するようにしましょう。



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