え!あの人気SIM実は速度が遅い?格安SIMの速度チェック2020年版

格安SIM、MVNOとは?

ここ1年で格安SIMを利用している人がずいぶんと増えてきました。
しかしその一方で、

「格安SIMに変えると毎月のスマホの維持費が安くなるみたいだけど本当に大丈夫なの?」

「速度が遅くて使いものにならないって聞いたけど…」

と不安に思っている人も多いのではないでしょうか?
まずは、格安SIMについておさらいをしておきましょう。

MVNO

格安SIMを運営する事業者は、MVNOと呼ばれています。
このMVNOはMobile Virtual Network Operatorの頭文字を取って略したもので、直訳すると仮想移動体通信事業者のとこです。

IIJmioのみおふぉん、mineo、OCNモバイルONE、DMMモバイル、楽天モバイル、UQモバイル、ワイモバイルなどが有名ですね。

MNO

一方、MVNOの対義語としてMNOという言葉があります。
MNOの意味はMobile Network Operatorの頭文字を取って略したもので、直訳すると移動体通信事業者です。

ドコモ・au・ソフトバンクの携帯電話会社大手3キャリアがMNOに該当します。

格安SIMを提供しているMVNOは自前の基地局などは一切保有しておらず、ドコモやauから通信回線を有料で借りて運営しています。
その借りた回線を活用して自社の通信サービスを提供しているため、大手3キャリアよりもはるかに安い料金で通信サービスを提供することが可能となっているわけなんですね。

これが、MVNOが提供している格安SIMの安さの秘密です。

実はほとんどの人に速度は関係ない

スマホアプリによっては、必ずしも高速通信が必要というわけではないのです。

  • FacebookやInstagramといった写真や動画が満載のSNS
  • YouTubeなどの動画視聴アプリ
  • オンラインゲーム

などは通信速度が高速でなければ、快適に利用できないこともあります。

しかし、

  • メッセージやLINEのやり取り
  • 文字がメインのWebサイト(ニュース記事など)
  • ネットショッピング
  • 音楽ストリーミングやPodcastなどの音声コンテンツ
  • LINE電話・Facebook電話などのデータ通信

などは、1Mbps以下の低速の通信速度でも意外と普通に利用できるんです。

こちらの利用の方が多いんじゃないでしょうか?
これって例えるなら、一泊二日の旅行に着替えを何着持って行こうか悩んでいるようなものなんです。

ちなみに、この1Mbpsの通信速度とは、1秒間に日本語を約6万5千文字送ることができる程度の通信速度です。
十分な通信速度だといえますね!
そしてもっと遅くてもいいという方向けに、低速モードと呼ばれるものがあります。

格安SIMの低速モードとは?

ほとんど文字だけのWebサイト閲覧やメール・LINEのやり取り、Podcastなどの音声コンテンツの視聴、LINE電話・Facebook電話などのデータ通信を利用した音声通話サービスなどは、1Mbps程度の速度があれば予想外に快適に利用できます。

これらの高速通信の必要性がないアプリを利用する場合、「低速モード」を利用すると、さらにお得に利用できることをご存じでしょうか?

この「低速モード」とは、格安SIMが提供している専用アプリにて低速モードへユーザーが手動で切り替えることにより、強制的に最大200~300kbps程度(速度制限時の最大速度は格安SIMにより異なる)の速度制限がかかった状態にする代わりに高速通信のデータ通信量としてカウントしないというものです。

つまり、低速モードでもアプリの使用上差し支えないものであれば、低速モードを積極的に活用することで、データ通信量を節約できるんです。
格安SIMをより安くお得に利用できる可能性が出てきますね。
※ただしサイトが開くまで時間がかかったりと、せっかちな性格の人にはおすすめしません。

この低速モードはすべての格安SIMで提供があるわけではなく、IIJmio、mineo、OCNモバイルONE、UQモバイルなどで利用できます。
ちなみに、ロケットモバイルには低速モードのみの神プランが用意されています。

ロケットモバイルバナー
iPhoneやpixelなどがハイスペックになる一方で、「とにかく安くスマホを持ちたい」という方もかなりいるんじゃないでしょうか? そんな方におすすめなのが、今回紹介するロケット

昼休みは速度が遅くなる

格安SIMは大手3キャリアから通話・通信の電波を有償で借りることで通話・通信サービスを提供しているわけですが、電波を借りている以上、大手3キャリアと同等の通信速度・品質を常に保つことは非常に困難です。

昼休み(12時から14時)などとくに利用が多い時間帯や、イベント会場など人が極端に多く集まる場所などでは、通信障害までいかなくとも、極端な速度低下をまねきます。

道路で例えるなら、ドコモなどの3車線道路に対して、格安SIMは1車線の道路のようなものです。
みんな使うと、大渋滞に・・・なってしまいます!

道路の例え

しかし現状では、格安SIMのビジネスモデルの仕組み上から避けることができないものなのです。
実際にMMD研究所の通信速度調査においても、昼休み時間帯の格安SIM通信速度は、軒並み1Mbps以下となっています。

やはり、「何事にも安いわけには必ず理由がある」ということは格安SIMにも当てはまるということなのですね。
ですのでこの時間に速度が遅くなりすぎるのが、耐えられないというのであれば、速度で評判のあるSIMが必要です。
具体的にあげると、UQ mobileかY!mobileがいいでしょう。

UQ mobileとは UQ mobileはWiMAXを提供しているUQコミュニケーションズのmvno(格安スマホ、SIM)サービスです。 UQ mobileは4社しか取り

格安SIMの実際の通信速度

MVNO各社が提供している通話・通信サービスの料金の相場は、

  • 3GB/月のデータプラン:900円/月
  • 3GBのデータ量と通話がついたプラン:1,600円/月(ただし通話料は別途20円/30秒必要)

です。

仕事などで通話が多い方には向かない料金体系になっていますが、最近では、大半の格安SIMにおいても別途オプション料金を払うことで5分通話定額や10分通話定額などの通話定額サービスが利用できるようになりました。
そのため、以前よりは通話の多い方でも利用しやすくなっています。

つまり、「データ通信の速度がドコモ・au・ソフトバンクと同じくらい速ければ、格安SIMに乗り換えたほうが圧倒的にお得」ということになるわけですが、格安SIMの実際の通信速度はどうなのでしょうか?

ネットで格安SIMの通信速度について検索をかけると、個人ブログやWebサイトが出てきますが、今回は公正公平性が高いと思われるMMD研究所(モバイルマーケティングデータ研究所)が定期的に調査・公表しているMVNO各社の通信速度の実測値を見てみましょう。

MMD研究所は2006年9月に設立された「モバイルに特化した調査研究機関」で、最近では格安スマホ端末のシェアやMVNOが提供している格安SIMの通信速度を細かく測定した調査結果を、ホームページで公表しています。

図1:MMD研究所公式ページ

図1:MMD研究所が2018年2月14日~2月19日の平日4日間で、主要3都市である東京、名古屋、大阪の主要駅にて、各駅1箇所ずつ9時~10時、12時~13時、17時~18時の3つの時間帯において、2アプリで各サービス3回計測した結果をまとめたもの

図2:MMD研究所公式ページ

図2:図1のダウンロード速度の測定値を某グラフ化してわかりやすくまとめたもの

図2を見ると一目瞭然でUQモバイルワイモバイルの2つが突出して速いことがわかります。

UQモバイルのダウンロード速度の全日・中央値(平均値)でさえ、30.3Mbps、ワイモバイルも29.1Mbpsと突出して速いですね。
UQモバイル、ワイモバイルに続く3番目に速い格安SIMはmineo dことmineoのドコモ回線でした。

また、格安SIMは、お昼休みの時間帯に「使えないほど遅くなってしまう」とよく言われていますが、実際に図1の昼(12時~13時)の時間帯の中央値を見てみると、大半の格安SIMが評判通りかなりの速度低下を起こしており、下りの速度は0.4Mbps~1.8Mbpsで、その一方、お昼休みの時間帯でもUQモバイル(下り32.2 Mbps)とワイモバイル(下り27.0 Mbps)は異次元ともいえる速さを見せています。

UQモバイルとワイモバイルの秘密

UQモバイルとワイモバイルが、ここまで突出して速いことには理由があります。

  • UQモバイル:auブランドで通信サービスを提供しているKDDI傘下の子会社
  • ワイモバイル:ソフトバンクグループ内の会社

つまり、auとソフトバンクが廉価版の位置づけでサブブランドとして通信サービスを提供しているともいえる状況なのです。

au・ソフトバンクが子会社であるUQモバイルやワイモバイルに資本を投入できる状況ですので、他のMVNOと比べるとUQモバイルとワイモバイルは、かなり有利な状況であり、UQモバイルとワイモバイルが速いのは当然の結果なんですね。

このような事情もあり、UQモバイルとワイモバイルは通信速度の面で大きく優位に立っており、「実質auとソフトバンクによるMVNO潰しではないのか?」という疑念を持たれ、監督官庁である総務省が最近何かと意見を出す事態となっています。

しかし、ユーザーにとっては、

  • 「料金は安いけれど通信速度は大手3キャリアと同じくらい速い」
  • 「ワイモバイルに至っては大手3キャリアと同じように全国の街中にリアル店舗がありサポート面でも安心」

となれば、お得で使い勝手もかなり良いので、おのずと人気が集まってきています。

このような理由により、現在の人気格安SIM上位トップ2は、UQモバイルとワイモバイルとなっており、この2つの格安SIMの人気はここ1~2年で不動のものとなっています。

通信速度の上り・下りの違いについて

よく光回線やスマホの「モバイル回線速度」のスペック表示に、
「下り最大〇〇〇Mbps」
「上り最大〇〇〇Mbps」
という表記がありますが、これはいったいどういうことなのでしょうか?

インターネット回線には、

  • 下り(文字や画像・動画などのデータを手元のPCやスマホで見る時のダウンロードの速度)
  • 上り(メールを相手へ送信、スマホで撮った写真や動画を相手へ送信する時のアップロードの速度)

2つの通信種別があり、一般的に下りの通信を利用する方が多いことから、下りの通信速度が速いか遅いかで、PCやスマホの快適度が変わってきます。

一般的ではありませんが、YouTuberの方など動画の大容量データを頻繁にアップロードする用途がある方には、上り通信速度の実速度も重要です。

使うアプリによって必要な通信速度は異なる

スマホアプリによっては、必ずしも高速通信が必要というわけではないのです。

FacebookやInstagramといった写真や動画が満載のSNS、YouTubeなどの動画視聴アプリなどは通信速度が高速でなければ快適に利用できません。

しかし、メールやLINEのやり取り、文字がメインのWebサイトの閲覧、Podcastなどの音声コンテンツの視聴、LINE電話・Facebook電話などのデータ通信などは、1Mbps以下の低速の通信速度でも意外と普通に利用できるのです。

ちなみに、この1Mbpsの通信速度とは、1秒間に日本語を約6万5千文字送ることができる程度の通信速度です。
十分な通信速度だといえますね。

まとめ

主にダウンロード時の下り通信速度に焦点をあてた格安SIMの選び方をお伝えしてきましたが、通信速度以外の視点で格安SIMを選ぶという考え方もあります。

  • 楽天電話…時間制限なしの通話定額オプション、楽天ポイントが貯まる・使える
  • BIGLOBE SIM…YouTube・Google Play Music・Apple Music・ AbemaTV・Spotify・AWA・radiko.jp・Amazon Musicがカウントフリーのエンタメフリーオプション
  • IIJmio・イオンモバイル・BIGLOBE SIM…データ量の家族シェアが可能

通信速度はそこまで速くないものの、IIJmioとmineoはユーザーが出来る限り快適にサービスを利用できるように、他MVNOよりも高い頻度で回線の増強を行っています。

IIJmio

IIJmioはユーザーコミュニティを重視するためのファンイベントの定期開催しています。

mineo

mineoはコミュニティサイト「マイネ王」の運営などユーザーを重視する誠実な運営方針を掲げて実際に実行しています。

また、余ったパケットを貯めてお互いの助け合いの精神で利用できる「フリータンク」、家族だけでなく友人にも余ったパケットをプレゼントできる「パケットギフト」、家族以外のグループでも余ったパケットをシェアできる「パケットシェア」などユーザー重視のユニークなシステムがあるのも特徴の一つです。

格安SIMは何と言っても価格が安いので、用途によって格安SIMを使い分けることが結果として節約にもつながりますので、複数の格安SIMを契約して端末によって使い分けるいった方法もアリですよ。

表彰台のイラスト
「えっ?まだドコモ使ってるんですか?」 …何もわかっていなさそうな後輩に言われて、イラッとしている人も多いのではないでしょうか? 以前は、パソコンやスマホなどのシステム


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