ある日突然、私達の預金が消える預金封鎖って何?預金封鎖とその対策をまとめました!
こんにちは。
彩春館学園、マネー研究部(仮)部長の芹沢です!
「ある日こつぜんと預金が消える」
こんな話を聞いたことがないでしょうか?
「そんなことあるわけないでしょ!」
こう思うかもしれませんが、実は可能性0ではない話なのです。
これは預金封鎖と呼ばれ、政府が個人や企業の預金を強奪する政策。
2015年の2月にNHKでも、預金封鎖についての報道があり、再び注目が集まっています。
老後のためにコツコツと貯めたお金や、将来のためにと残しておいたお金も一瞬で吹き飛んでしまう政策です。
最近では、2013年キプロスで預金封鎖が行われました。
「まあ、海外ではそんな話もあるのね。」
「日本でそんなこと起こらないでしょ!」
このように、所詮は「対岸の火事」と思われる方も多いでしょうが、ある面でキプロスと日本は似ているという指摘する声があるのです。
それにしても預金封鎖の話になると、なぜキプロスと日本ばかりが話題になるのでしょう?
それは両国の銀行の資本ストラクチャが酷似(=預金偏重)しているからです。
だから日本国債の格下げは、われわれ銀行にお金を預けている庶民にとっても他人事ではないのです。
これはつまり、日本とキプロスの銀行資産では、預金の占める割合が高いということです。
それでは、今回は恐怖の預金封鎖と、今からできる対策についてご紹介いたしますね!
【この記事は2016年4月9日に編集しました。】
この記事に書いてあること
預金封鎖されると、銀行口座から引き出せる金額が制限される?
このような政策を、政府は何のために行うのでしょうか?
大きく分けると以下の2つが目的です。
- 膨大な借金による財政破綻を免れるため
- 過度なインフレを抑えるため、通貨の流通量を制限する必要がある。
政府において、財政が破綻寸前になった場合、銀行預金などの国民の資産を把握して、資産に対して税金を掛けて政府収入にあてることで、破綻から免れようとすることがある。
また市場に出回った通貨の流通量を制限し、インフレを金融政策で押さえる方法として実施される場合がある。その際通貨切替をして旧通貨を無効にし、市場通貨を金融機関に回収させる方法がとられることがある。
この場合にも預金封鎖が行われる。
預金封鎖が起きると、まず多くの人がパニックになり、預金を取り戻そうと金融機関の窓口に長蛇の列(取り付け騒ぎ)が予想されます。
取り付け騒ぎになると、特定の金融機関や制度による信用不安から、預金を取り戻そうとし大混乱が起きます。
しかし、多くの場合が不確実な情報が蔓延した結果なのです。
嘘の噂から始まり、預金者が取り付け騒ぎを起こして、本当に破綻まで追い込まれたケースもあります。
それでは実際に預金封鎖された場合、銀行はどのような対応をするのでしょうか?
芹沢→銀行窓口
財津→客
口座にある300万全部下ろしたいのですが?
現在、預金封鎖のため引き出し限度額が設定されています。
じゃあ、いくらなら下ろせるんですか!?
それ以上の金額は、来月以降までお待ち頂く必要があります。
どうやって来月まで凌げばいいのよ。。
金額は例えばの話ですが、これは口座に300万円持っていても、7万円を超える金額を下ろせなくなる異常事態です。
キプロスの預金封鎖はどのようなものだった?
2013年3月16日に行われたキプロスの預金封鎖では、どのような経緯があったのでしょうか。
キプロスにはオフショアと言って世界各国の預金者を対象にしている銀行がありました。
※反対に日本で一般的な窓口を通じて、手続きを行うサービスが主の銀行はオンショアと言います。
そのオフショア銀行には、ロシアの富裕層からの預金が次第に増えてきて、投資先が国内だけでは足らなくなりました。
そこでギリシャの国債を買うことにしたのです。
しかし、ギリシャの経済破綻で大損害になってしまいまいました。
EU、IMFは以下のような方法で支援することになったのです。
- EUならびに国際通貨基金(IMF)が最大100億ユーロを支援
- キプロスの銀行の預金者に58億ユーロの「預金税」を課税
以下が58億ユーロの「預金税」内訳です。
- 10万ユーロ以上の預金額に対しては、9.9%
- それ以下の預金額に関しては、6.75%
10万ユーロというと日本円にして約1200万円程度ですので、3000万円の預金が合った場合は、翌日には300万円の預金が消えてしまったということになります。
このような対策が、終戦翌年の昭和21年2月に日本でも実施されましたのです。
戦後、日本で起きた預金封鎖はその預金税率で富裕層を地獄に!
第二次世界大戦に敗北し、軍事費等の膨大な支出によって、財政が極端に悪化していた日本はこの戦後復興に向けて、この財政状態を解消する必要があったのです。
突然、1日の引き出し限度額が制限され、国民はパニックになり預金を引き出そうと銀行に殺到しました。
しかし、あまりにも引き出し限度額が低く設定されてるので、全額引き出すには多くの日数を要します。
この時の月額引き出し限度額ですが、世帯主が300円、世帯員各1人が100円まで新円として引き出すことが許されていました。
現在に換算すると300円が12万円、100円だと4万円くらいです。
そして、政府は借金の返済をするため、10万円以上の資産を持っている口座には預金税を課税したのです。
そしてなんと、1,500万円以上の資産を持つ世帯には90%の税金を課す暴挙にでました。
これは1,500万円の通帳の残高が、わずか150万円になってしまうということです。
昨日まで大富豪たった人が突然平民に。
例えるなら桃鉄で1位だった人が、キングボンビーに取り憑かれて最下位に転落するような状態なのです・・・!
そんな中、新円切り替え(旧勘定と新勘定の移行期間)が終了し、多くの国民が引き出すことができなかった旧勘定の資産を失ったのです。
これは豆知識ですが、預金税は古代ギリシャでもたびたび行われていたそうです。
税率は1~4%ほどで、古代ギリシャ人は、かなり見栄っ張りだったらしく、自分の資産を多く見せようと多くの預金税を払ったと言われています。
新円切り替えとは何か?
旧紙幣が突然使えなくなり、印紙が貼られた旧紙幣を、新円として使用するようになりました。この時点で、多くの旧紙幣はただの紙くずになってしまったのです。
一方、硬貨は切り替わることなく、そのまま効力を維持することとなりました。その理由は硬貨は紙と違い鉱物が必要ですし、鋳造コストがかかるため見送られたからです。
ここまでをまとめると、預金封鎖と財産税の課税、さらに新円(新勘定)切り替え。3本の矢で国民を地獄に落とした政策なのです。
預金封鎖と預金税で、銀行の預金を一定期間「凍結」して資産を把握し、課税しました。最後に新円切り替えで、タンス預金などの旧円を紙くずにしたのです。
マイナンバー制度は、預金税課税への布石。これは本当か?
そしてマイナンバー制度が、2016年1月から開始されました。
導入されることで国民に番号を付与し、個人情報を一元化管理し事務手続きを効率良く進められれることが期待されていますね。
一方で、2018年度から預金口座にも、マイナンバーを紐付けると言われており、2021年に適用の義務化が検討されています。
預金口座もというのは少し怖いですよね?
これは預金税(貯蓄税)課税への布石ではないかと、指摘する声もあります。
この法案を受けて、テレビやネットでは「貯蓄税」をキーワードに、銀行口座とマイナンバーの紐付けについて論じてきました。
貯蓄税とは1000万円や2000万円といった貯金額の水準を定め、それを超える財産を持つ人に関して2%や3%などの一律の税金をかけるというものです。
預金封鎖から資産を守るため、我々はどう対策するべきか?
預金封鎖時に、資産を守るにはどうすればいいのでしょうか?
1. 資産の価値が落ちない
2. 政府が資産没収できない
日本円を、この2つを満たすものに変換することが得策です。
- 1,海外の銀行に外貨預金しておく
- 外貨と言えども、日本の銀行に預けては日本の金融庁の管轄下にあるので、預金封鎖の対象となりかねません。
また日本の銀行の海外支店も同様です。そこで、海外の銀行であれば、日本の法律が適用されないのでその心配がなありません。
ネックとなるのは為替レート、異常事態ゆえに国がどんなことをやってくるかわからないのです。
これへの対策は海外の銀行に円で預金する方法があります。 - 2,外貨紙幣をタンス預金
- 円紙幣でタンス預金しておいても、新円切り替えされると紙くずになってしまいます。
そこで外貨紙幣を持っておくことで、日本円に左右されません。 - 3,金を持っておく。
- ペーパー資産・・・株券、国債、小切手、債権などのこと
- 実物資産・・・不動産や金、プラチナなど形を有しているもののこと
- 純金積立
- 毎月、一定額の投資で純金を積み立てていく方法。1000円単位の金額で始めることができる。
- 金ETF
- 金の価格に連動した上場投資信託。一般的な投資信託と違いリアルタイムで値動きする。金地金や純金積立などと違って保有手数料がかからないのもメリット。投資家の購入額に応じて金地金を購入して保管しておく仕組みなので万が一取り扱い会社が潰れたときも保護される。
- 金地金(ゴールドバー)
- いわゆる金の延べ棒のこと。別名ゴールドバー 金を保管しやすいように考えられた形状
- 地金型金貨
- 金貨には地金型金貨と収集用の金貨の2種類がある。記念硬貨で発行されるのが収集型金貨、地金型金貨というのは、投資用の金貨になる。
資産を守る対策で最も有効なのは金である!の理由とは?
資産にはペーパー資産と実物資産があります。
そして、預金封鎖のような混乱時にも価値を落とさないのは実物資産です。
金のような通貨的な役割がないのよ。
過去には、金本位制(金の量=通貨発行量 )という通貨信用の裏付けとして金を用いていた歴史があるのです。
また、現在でも金は世界中のどこでも換金できる国際的な通貨であると言えます。
戦後の預金封鎖では不動産以外にも、田畑、株式などに財産税が課税されたからね
金を購入するなら地金型金貨が有利とは!?
金を購入する方法はいくつかあり、主に下記のようなものがあります。
先ほどもお伝えしましたが、資産にはペーパー資産と実物資産があり、混乱時にも価値を落とさないのは実物資産です。
上記にあげた金の種類では金地金、地金型金貨がそれにあたります。
一方、純金積立、金ETFのペーパー資産は、紙くず同然になるかもしれません。
なぜなら、換金不可になったり「資産課税」という形で没収される可能性があるからです。
では実物資産(金の現物 )ではどうでしょう。
金地金(ゴールドバー)は、一定以上の売買について厳しく監視されているので、財産税を課税される可能性が残っています。
そこで有効なのが金貨です。
金貨には収集用金貨と地金型金貨があります。
収集用金貨とは、記念に発行される枚数が限られている金貨です。
希少性は高いのですが、金そのものの額面より高い価格で販売されています。
ですので、金としての価値は収集用金貨よりも、地金型金貨のほうが高いのでおすすめです。
預金封鎖が起こる可能性は、現時点ではまだまだ低いと言えるでしょう。
しかしもしもの時に備えておくことが、あなたや家族の命を救うかもしれないのです。
以上です。
でも預金封鎖は別にしても、政府が発行しているお金なんて国家の信用で成り立っているもの。
信用なんて、崩れ始めるとあっという間に崩壊してしまう。
また、私達が銀行に預けてるのは、貸していることと同じなので、必ず返ってくる保証はないと考えるべきかもしれませんね。
国だけでなく銀行も信用できないのですか?
必ずしも返ってくることはない。
預金封鎖が起きなくても、何か起きた時の保証なんて最初からないのよ。