ダイナースクラブカードの審査はやはり厳しい?メリットデメリットまとめ
親会社であるシティバンクの方針でシティバンクの日本支店とともに身売りに出されたダイナースですが、今のところサービス内容に変化はないようです。
ダイナース以外ではありえない料亭の予約やイベントは、グルメ派にとって税抜年会費2万2千円以上の価値を持ちます。
この記事に書いてあること
ダイナースクラブカードとは
年会費 | 22,000円 (税抜) | 還元率 | 0.3% |
---|---|---|---|
電子 マネー | - | ポイント | ダイナースクラブ リワードポイント |
即日 発行 | 年会費 無料 | マイルが 貯まる |
ラウンジ 利用可 | Apple Pay | 旅行 保険 |
- 利用金額に制限なし。
- グルメ、旅行、エンターテイメント、ゴルフなどの優待サービスが多数。
- 海外旅行保険、国内旅行傷害保険、ショッピングリカバリーなど付帯保険が充実。
アメリカで設立されて66年、日本上陸後56年、ダイナースはクレジットカードという仕組みを最初に作り上げた信販会社です。
ダイナースという名前からお分かりのように、最初からグルメ派のために作られたクレジットカードになります。
最初は現在のようなプラスチック製のカードではなく、紙製のカードでしたが、そのような歴史ある信販会社がダイナースクラブです。
ただし、VISAやMASTERの力が強くなり、小規模な経営体のダイナースは経営不振の波に飲まれることが多くなりました。
2000年にはシティグループ傘下になり、昨年はシティの個人部門撤退に伴い三井住友銀行に譲渡されました。
米国のダイナース本体は2008年に米国の大手信販会社であるディスカバーグループに売却済みであり、ダイナースという名前は世界に広がっているものの、経営母体がマチマチという状態になっています。
ポイントについて
ダイナースのサイトを見て、ポイント制度がどうなっているかを知りたくても、探すのに苦労するはずです。
簡単に見つからないためですが、ダイナースはポイント制度をあまり前面に出そうという気がないのでしょう。
しかし、ダイナースを利用する人は苦情を言いません。
ポイントなどどうでもいいためです。
三井住友銀行に経営母体が移ってから、シティバンク当時からの制度を変更していますが、ポイント還元率は変わっていないようです。
キャッシュバックに等しい、利用料金充当プログラムの還元率は0.3%と平均より低めです。
楽天ポイントなどへの交換の場合は0.4%になりますが、他の信販会社と比べればポイント還元率の低さは驚くべきものがあります。
ただし、マイレージに交換する際は話が変わります。
ダイナースのポイントは有効期限がない「永久不滅」タイプです。
そのため、少額の利用でも貯め続けることができます。
1年間に100万円利用すると1万ポイント貯まりますが、年間6千円のダイナースグローバルマイレージに登録すると、1ポイント1マイルの割合で交換できます。
移行マイルに年間8万マイルの上限はありますが、年間800万円以上利用しない限り問題はありません。
ちなみにこの交換率であれば、ANAカードの交換率と全く同じです。
ダイナースのポイントを効率よく利用するのであれば、航空会社のマイルへの交換をお勧めします。
ポイントについて調べるためには、ダイナースクラブカードの紹介ペーシにある「ダイナースクラブリワードプログラム」にあるタブからポイント専用サイトにジャンプするとわかります。
ダイナースクラブカードの特徴
先ほどから述べている通り、ダイナースの得意分野はグルメです。
最近は、文化イベントにも力を入れており、歌舞伎座の借り切り公演なども企画しています。
主力でもあるグルメについては、二人以上で所定のコース料理を食べると、一人分のコース料金が無料になる「ダイナースクラブ エグゼクティブダイニング」が人気です。
最近はプラチナカードなどで同様の特典を提供していますが、最初に企画したのはダイナースだと言われています。
また、一見さんお断りの料亭に予約ができる「料亭プラン」は、一度は行ってみたいという銘店に行くチャンスを提供してくれます。
このサービスだけは、他の信販会社が追随できません。
ダイナースの長い歴史が威力を発揮するイベントです。
ダイナースは接待用にも利用することがあります。
この際、あらかじめカードレス決済を予約しておくと、ダイナースがお勧めの店舗で店舗側の気遣いもセットされた絶好の接待が可能です。
もちろん、ビジネスだけではなく、世話になった恩師などの招待にも利用できます。
先ほどマイレージの話をしましたが、空港ラウンジや日本を含めた世界中のホテルを優待価格で予約できるサービスもあります。
旅行をする際にもダイナースは役に立つのです。
また毎月送られる会報誌「SIGNATURE」は、単なるダイナースの宣伝誌ではなく、文化イベントや世界中の名所を紹介してくれます。
ポイント至上主義の日本の信販会社に完全に背を向けたサービス重視の方針がダイナースのポイントです。
メリット
ダイナースでしかありえないグルメ派垂涎のサービスは、年会費がバーゲン価格に思えるでしょう。
また、他のプレミアムブランドのカードに比べてイベントが多い点もダイナースのメリットです。
もともと富裕層向けのカードなので、イベントが多い方が喜ばれます。
もちろん安い値段のイベントではありません。
しかし、値段よりイベントの中身を重視する人がダイナースの会員なのです。
デメリット
とはいえ、このようなサービスが不要な人には無駄なカードです。
また、イベントなどが豊富な点はメリットではありますが、開催地が東京と京都に偏っている点は一つのデメリットでしょう。
そして根本的なデメリットとして、ダイナースカードが利用できない店舗が多い点が挙げられます。
もちろん百貨店や高級店ではダイナースが使えないことはありません。
しかし、手数料が高いことからコスト重視の店舗からはダイナースが敬遠されていることも事実です。
また、最近増加しているカフェのプリペイドカードへのチャージ間の際にダイナースが使えないというような例が少なからずあります。
ダイナースを利用するのであれば、一般カードでいいので一枚VISAカードを併用する必要があるでしょう。
年会費が高い点やポイント還元率が低い点もデメリットと言えばデメリットですが、このカードへの入会を検討している人に年会費やポイントは関係ない話です。
裏を返せば、年会費やポイントが気になる人は、ダイナースへの入会はやめた方が賢明です。
目指しているモノが違うのです。
まとめ
さて、このように独自路線を突っ走っているダイナースクラブですが、興味を持った人が入会できるかどうかが問題です。
以前はダイナースのWEBにクイックチェックのサイトがあったのですが、現在はありません。
では、何を気にすればいいのでしょうか。
利用限度額はいくらなのか
ダイナースのサイトを見ると「ご利用限度額に一律の制限を設けておりません」とあります。
実際にダイナースに入会すると、通常どこかに表示される利用限度額が表示されません。
アメックスも同じなのですが、自分の利用限度額がどの程度かを確認するためにはダイナースに確認する必要があります。
ただし、この限度額はフレキシブルに対応してもらえるようです。
例えば、自動車などの高額商品を購入する際にも、今まで問題なく支払ができていれば、収入などを確認した上で決済にゴーサインを出していると思われます。
ダイナースの場合、提携カードにBMWがあり、実際にカード支払で車両購入をする人もいるようです。
1千万近くする車両なのですが、カードで買えちゃうんですよね。
一般のクレジットカードでは「増枠申請」という手続が必要になり、しばらく時間がかかるようですが、このあたりの与信管理は融通が利くものと思われます。
もっともゴールドカードでBMWを新車で購入することは不可能だと思われますが…
最低条件はクリアする必要がある
とはいえ、ダイナースには入会条件はありますから、その条件はクリアする必要があります。
ただ、公表されている条件は非常にシンプルで「年齢27歳以上の方」と出ているだけです。
もちろん27歳以上の人なら誰でもダイナースの審査に通るわけではありません。
クレジットカードの審査なので、信用情報機関への照会もされますから、支払遅延が多くあったりすれば審査では不利です。
もちろんブラックリストに該当していれば一発で落とされるでしょう。
先ほど述べたクイックチェックの内容は、年収を重視していたようです。
500万が一つの基準となっていたようで、過去の支払遅延があっても問題なく簡易チェックは通過するようでした。
昔のダイナースは申込書に持っている公的資格や出身大学を書かされる欄があり、面食らったものですが、現在のダイナースの申込フォームを見るとそのようなことはありません。
年収500万円というレベルは決して低いものではありませんが、思ったより敷居が低いのではないかというイメージを持たれた人も多いのではないでしょうか。
アメックスと違い、ダイナースは年会費無料のキャンペーンをしません。
カードのサービスに自信があるからだと思われますが、ここまで述べた通り審査のハードルは低くなっていますから、興味があれば一度入会するのも悪くないでしょう。
ポイントサイトの動向から推測する審査レベル
シティバンクがダイナースを運営していた頃は、シティバンクの口座を持ち、かつ毎年30万円の利用があれば年会費が無料になっていました。
もっとも、そのころはダイナースの審査も厳しかったと思われますが、審査に通れば気軽に利用し続けることができました。
このサービスはなくなってしまっているため、シティバンクの頃にダイナースを利用していた人の多くは退会したことでしょう。
会員数はクレジットカード事業を運営するうえで非常に大切です。
特に日本ではダイナース単独で加盟店を探す必要がありますし、さきほどデメリットの面で挙げた通りダイナースは利用できる店舗が多くありません。
加盟店を募るとしても、会員数が減っている状況では難しいことも事実ですし、下手をすると加盟店が逃げてしまうでしょう。
ダイナースのWEBを見ると、年会費初年度無料というようなキャンペーンはしていませんが、30万円利用すると2万ポイントプレゼントというキャンペーンがあります。
6千円の移行手数料を払えば、ANAのマイレージに交換できますから悪い話ではありません。
とはいえ、これだけではちょっとインパクトに欠けます。
ご存知の方も多いでしょうが、クレジットカードを申し込む際に「ポイントサイト」というサイトを経由するとキャッシュバックがもらえます。
通常、5千円程度のキャッシュバックですが、ダイナースのように年会費が必要なカードの場合は1万円を超えるキャッシュバックが設定されています。
サイトによってキャッシュバックの金額には相違がありますが、ダイナースの場合はサイトによって2万2千円のキャッシュバックを提供しているケースがあります。
税抜きベースではありますが、事実上の年会費キャッシュバックです。
時期によっては4万円以上のキャッシュバックを提供していた時もあったようで、ダイナースの焦りが伝わってくるようです。
サイトにはレビュー欄がありますが、「審査が心配だったけど通った」という人が多いようです。
つまり、審査が甘くなっていることを意味します。
ダイナースが「ご利用限度額に一律の制限を設けておりません」と言っていても、それは利用限度額を表示していないだけの話であり、年収500万円の人がいきなり1千万円の外国車を購入しようとしても決済できません。
でも、日常生活で支払う程度の金額であれば、ダイナースであろうが別の信販会社のカードであろうが年収500万円程度あれば支払は可能でしょう。
今までの審査基準が厳しすぎただけのことであり、現実的な審査基準になったと考えればいいのではないでしょうか。
現実的なボーダーライン
ここまで読んでいただいてお分かりの通り、ダイナースの審査は年齢27歳、年収500万円がボーダーラインです。
この基準をクリアしていれば、基本的に審査には通ると考えていいでしょう。
ダイナースの2万2千円という会費は、ダイナースが提供するサービスに対する対価です。
クレジットカードのサービスなんて、大したものはないと考えている人も多いでしょうが、ダイナースのサービスはびっくりするようなものが少なくありません。
先ほど挙げた「ダイナースクラブ エグゼクティブダイニング」を利用した際、おいしい魚料理で満足した後に、おいしいステーキが出てきて困ってしまうようなことがありました。
二人で行って半額になったわけですが、満足度はMAXでした。
ダイナースのブランド力は衰えておらず、ダイナースの名前を使って自分の店を宣伝したいという店主は多いのです。
一度ダイナースの世界を覗いてみることをお勧めします。
現状を見る限り、近い将来に初年度年会費無料キャンペーンを始めると思います。
無料としなくても、30万円利用したら年会費キャッシュバックという企画はあり得ると予想します。
そのような企画があったらチャンスです。