え、もう現金は必要ないの?ビットコインの仕組みと将来可能になることまとめ
こんにちは!
彩春館学園、マネー研究部(仮)部長の芹沢です。
「しまった~15時までに銀行振り込みできなかった・・・」
「お金を振り込んだけど、本当に商品は送られてくるのだろうか?」
なぜ、こういったことが起きるのでしょうか?
これはインターネットに対して、価値(お金)が遅れていることが原因なのです。
相変わらず銀行は15時で閉まり、日本ではクレジットカードを利用できる店舗は多くありません。
現金でしか買い物をしない人も多くいます。
せっかくインターネットが加速しているのに、支払いにはまだまだコストがかかっているのが現状なのです。
情報は凄いスピードで世界を駆け巡ってるにもかかわらず、価値の交換や移動は未だに古く遅い・・・
仮想通貨は今後、世界にインターネットのような革命を起こすかもしれないのです。
この記事に書いてあること
仮想通貨とは
仮想通貨というのは、現物は目に見えないですが、信用で成り立っている通貨のことです。
例えばゲームなどでは、ハンゲームのハンコインとかモバゲーのモバコインなど、もう少し身近なものでいうと楽天ポイントなんかも仮想通貨と言えるでしょう。
楽天で買い物をすると、楽天ポイントがたまります。
そして、そのポイントは楽天の経済圏でしか利用できない仮想通貨だということです。
また銀行の預金残高は、信用によって実際の現金よりも多くの数字が発行されています。
もし、一斉に預金を引き出されるようなことになると、多くのお金は貸し付けに回っているので銀行は対応できません。
銀行預金は、最も身近な仮想通貨と言えるでしょう・・・!
仮想通貨と電子マネーとの違い
日本円での支払いをスピーディーにするために、電子マネーと呼ばれるものがあります。
基本的に電子マネーは円をチャージして利用しますが、仮想通貨はチャージして利用するものではありません。
例えばビットコインに対応していない店舗で、ビットコインを利用して商品を購入するには、円に両替する必要があります。
しかし仮想通貨は貨幣そのものなので、チャージなどする必要がないのです。
仮想通貨に、革命を起こしたと言えば「ビットコイン」です。
ビットコインと聞いて、2014年のマウントゴックス破綻を思い出すかもしれません。
マウントゴックスの破綻はビットコインのセキュリティが問題ではない
マウントゴックスとは東京都に拠点を構えていたビットコイン交換所です。
事業内容は、顧客同士が円やドル、ユーロなどの現金とビットコインの交換を行う場を提供するものでした。
顧客層は外国人が圧倒的に多かったようです。(当時はビットコインの交換所が少なかったため)
2014年に破綻したことがニュースになりました。
当時の麻生太郎財務・金融相は「こんなものは長く続かないと思っていた。どこかで破綻すると思っていた」とコメントを出し、多くの大手メディアがこの事件を大々的に報道しました。
破綻時には顧客が保有した75万ビットコイン(直近の取引価格1ビットコイン=550ドル前後で約400億円)、預かり金の28億円程度も消失したとのことです。
当初、原因は外部からのハッキングであったと言われていましたが、実際は業務上横領です。
ハッキング被害はあったものの、大半のビットコインはマルク・カルプレスCEOの横領だったようで、後に逮捕されています。
これらの報道を目にした多くの日本人は、「ビットコイン=怪しい・・・」 と感じたはずです。
しかし、マウントゴックスのような交換所が破綻してもブロックチェーンの仕組みからして、ビットコインそのものには影響はありません。
交換所もビットコインシステムの利用者であり、運営者ではないのです。
日本円で例えるなら銀行のような存在だと言えるでしょう。
そもそもビットコインとは?
ビットコインは、貨幣と言われたり決済システムとも言わたりします。
発明したのは「ナカモトサトシ」という日本名の人物です。
日本人であるかもしれないけど、2016年7月時点では判明していません。
「ナカモトサトシ」が「ビットコイン:P2P 電子マネーシステム」という論文を投稿したことから、ビットコインは始まりました。
この論文を読んだ研究者の人達が、「アンビリーバボー!!これは画期的な通貨だ!作ってみよう!」となり有志でエンジニア達が集まり、2009年にビットコインが誕生したのです。
その後、仮想通貨の代表的存在となるビットコインですが、どのようにして、これだけの価値が付いたのでしょうか?
ビットコインの価値は需要によって左右される
最初は、2枚のピザを1万ビットコインで購入したのが始まりです。
当時は1ビットコインが1セント以下のレートでしたが、2016年7月現在の日本円に換算すると1万ビットコインは6億円以上です。
ビットコインが脚光を浴びるきっかけは、2013年キプロスの金融危機です。
この時、キプロスは預金封鎖を行い、キプロスの銀行預金者に58億ユーロの「預金税」を課税しました。
預金封鎖についての参考記事:ある日突然、私達の預金が消える預金封鎖って何?預金封鎖とその対策をまとめました!
これを回避するために、無国籍通貨であるビットコインに多くのお金が逃げたと言われています。
さらに同年10月、中国ネット検索の百度(バイドゥ)がビットコインを決済通貨として採用したのもかなり大きな影響を与えました。(のちに受け入れ停止)
ビットコイン専門の取引所「Mt.Gox(マウントゴックス)」での相場は2013年11月末、1BTC=1,242ドルまで上昇しました。
開始当初は、10セントだったのでおよそ1万2千倍です。
ビットコインの価値を決めているのは、金と同じで需要です。
つまり現在ビットコインの価値が高いということは、それだけ欲しい人が多いということなのです・・・!
ビットコインの資産価値を左右する中国経済
急騰した最大の理由は中国経済の成長、それに追いつけなくなった自国通貨への信用不安だと言われています。
中国では土地は国から借りる物で、自身で保有できる財産にはなりません。
当然、貨幣価値も将来どうなるかわかりませんし、元の持ち出し規制も厳しく国外へ財産を移すことも難しいです。
そこで、注目されたのがビットコインでした。
元をビットコインに両替し、海外で現地通貨に換金する方法が流行したのです。
その後、人民元への悪影響を懸念した中国は金融機関に対しビットコインを使った金融商品や決済サービスの提供を禁止すると通知しました。
これによって相場は急落したのです。
日本でもビットコイン貨幣認定される
2016年に入って、金融庁は賃金決済法を改正し、「ビットコイン」を新たに「貨幣」と認定したと日経新聞で報じられました。
参考:仮想通貨、「貨幣」認定へ ビットコインに出直し機運|日経新聞
ちなみにEUでは、既に通貨として認められています。
そもそも、通貨や貨幣とはどういうものなのでしょうか?
通貨と貨幣の違いとは?
貨幣とは通貨ではないがお金のことを言います。
現在の日本国内であれば、アメリカのドルや江戸時代のお金は貨幣です。
一方、通貨はその国で使用できる(通用性の高い)貨幣のことを言います。
ビットコインが貨幣になりましたが、貨幣になるとどうなるのでしょうか?
「ビットコインの売却」には消費税が課税されていましたが、貨幣になると消費税の課税対象外になります。
またビットコインは、実際に日本のお店で利用可能です。
DMMや一部の音楽、動画などの配信サイトで使えます。
ビットコインが使えるお店一覧
東京都内のバーやレストランでも利用できます。
また楽天でも、導入を検討しているようです。
ビットコインには国境がないので両替の必要もない
今の通貨のように制限を受けなくて、発行機関や国に縛られることのない「国を超えて自由に取引できる通貨があったら最高だ」という思いからビットコインは誕生しました。
例えば日本から海外に行く場合は、使用している法定通貨が違うので、その国の通貨に両替する必要があります。
ですが、為替レートの変動はほぼ毎日ありますし、その都度両替手数料を支払っていると、結果的には損です。
その点、ビットコインには国境がないのでレートや両替手数料など気にせずに利用できます。
ビットコインの特長
- 1,手数料がほぼ無料
- 手数料がほぼ無料なので、国際送金などに活用できます。
- 2,発行枚数に制限がある
- 2100万ビットコインが上限です。
発行枚数に上限がある点は、金(ゴールド)に似ていると言われます。 - 3,中央管理者がいない
- 従来の銀行システムは集中化で成り立っていました。
これは、データベースが中央にありそのデータを元に取引しているということです。しかし、データが1カ所に集中してるということはハッキングされれば一大事になるため、セキュリティに莫大な予算を使っていました。
反面、ビットコインは中央管理者のない通貨であるため、誰の規制も受けない自由度の高い通貨なのです。
なぜ中央管理者がいなくても成り立つのでしょうか?
ブロックチェーンは取引記録
ブロックチェーンとは、ビットコインの通貨を、例)AからBのアドレスに送ったということが記録されている履歴のことです。
そして、その取引記録は一つの場所(中央)に保存されるわけではなく、世界中に点在するビットコインのネットワークに参加しているパソコンデータに分散されて保存されます。
取引記録を一つのブロックにまとめて、そのブロックをチェーンのようにつなげることによって、データの改ざんを不可能にしています。
ちなみに、全てのアドレス間の取引は公開されていて、こちらで見ることが出来ます。
マイニングによってビットコインは新規発行される
日本国内の円紙幣を刷る量は政府に決められていますが、ビットコインは政府のような中央が存在しません。
それではビットコインはどのようにして作られるのでしょうか?
ビットコインの採掘をマイニングと呼びます。
発行数量の上限が決まっており、金や銀に性質が似ていることから採掘と言われているようです。
採掘というのは比喩で、実際には有志によって取引の認証作業が行われ取引台帳「ブロックチェーン」に追記される作業のことを言います。
- 送金情報を送ったのがビットコインの正しい保有者であるか?
- ビットコインの重複利用
- 保有していないビットコインを使用していないか?
こういったことを世界中の有志が10分毎にチェックしています。
この追記作業のために膨大な計算処理をし、結果として追記処理を成功させた有志には見返りとして、新たなビットコインが支払われる仕組みになっているのです。
こうしてビットコインの新規発行が行われます。
しかし、ビットコインをもらうためのハードルは年々上がってきています。
ビットコインが生まれたばかりの頃は、コンピュータがあればビットコインの採掘は誰でもできました。
しかし、今では専用チップを搭載したハイスペックなマイニング専用マシンなども登場しており、採掘にはこのようなマシンが必須のようです。
さらに高い電気代も必要、採掘をビジネスとして本業とする会社もあり、ビットコインの採掘に投資として参入するには難しくなってきています。
採掘報酬は、開始当初は50ビットコインでしたが、その後25ビットコインに半減し、現在は12.5ビットコインです。
このように採掘量は減り続け、2140年頃にビットコインの発行上限2100万ビットコインに達します・・・!
ビットコインは匿名性が高いので、犯罪(マネーロンダリング)に利用されやすい?
マネーロンダリングとは、日本語で資金洗浄を意味します。
麻薬取引や、賄賂などで得た(汚れた)お金を、出所をわからなくするために、口座から口座へと転々とさせることです。
ビットコインはマネーロンダリングに使われやすいとよく言われますが、アドレスと個人情報を結びつけるのが難しいだけで、時間をかければ記録を追いかけられます。
また、どこかで現金にしないといけないので、FBIなどは交換所を張っていると言われています。
ビットコインでできること、将来できそうなこと
- マルチシグ取引
- ”口座にある100BTCは、Aさん、Bさん双方の合意があれば使用できる。
ただし、2018年5月26日以降はAさん単独の合意だけで利用可能。”このような契約でも、ビットコインを利用することで可能になるのです。
既存の銀行を利用しても可能かもしれませんが、間に入ってもらう必要があります。さらに、持ち逃げなや使い込みどを完全に防ぐことは不可能ですよね。
ビットコインは性悪説でも成り立つ仕組みなのです。 - 寄付
- 被災地にお金を届ける場合、いくつもの慈善団体を仲介して現地の人に届きます。
時間がかかりますし、悪質な業者などにも気を付けなければいけません。こうした問題も、ビットコインVISAカードがあれば、被災者の方が銀行口座を持って無くても、アドレスに直接送金可能です。
ビットコインで寄付を募るネパール人
画像出典:ビットコイン&ブロックチェーン研究所 - マイクロペイメント
- WEBサイトやYouTubeなどのメディアが、インターネット上でマネタイズする方法は広告を貼るくらいしかありません。
ビットコインを利用したマイクロペイメント技術が可能になれば、コンテンツを切り売りすることが可能になります。
動画1回、5円、記事の一部分が10円といった少額でも可能です。
現在は、このようなマイクロペイメント技術が日々開発されているようです。
参考書籍:ブロックチェーンの衝撃
ビットコインが、私達の生活に入り込んでくる日も近いかもしれません。
以上です。
基本的には、ジャンプでとってましたね。