えっ!マグロが危機?またしても海洋資源を食べ尽くしてしまうかも!?マグロ資源と未来の話
回転寿司はよく行くの?
私、中トロが大好きなんです!
こんにちは。
マネー研究部の芹沢です。
突然ですが、あなたは回転寿司でマグロを食べますか?
そして、好きなネタはトロだったりしませんか?
その回転寿司のトロは、特殊な方法で育てられた輸入ものかもしれません。(後述してます)
テレビのニュースなどで観たことがあるかもしれませんが、マグロだけでなく天然の魚が乱獲によって大幅に減少し、危機的な状況と言えます。
ここにきて、天然のクロマグロは絶滅危惧されているのです。
近い将来、私達は天然のクロマグロを食べられなくなるかもしれません。
でも回転寿司でメニューから、マグロがなくなると寂しいですよね。
ここから少し回転寿司の話をします。
かつて、100円で食べられることで火が付いた回転寿司ですが、昨今は原材料費の急騰や人手不足による人件費などが上昇したことで、100円皿の提供が難しくなっています。
同時に、回転寿司に求めるものが、変わってきていることも注目です。
こちらの1位は”美味いこと”、3位が”ネタが新鮮であること”となっていて、安いだけでは満足しなくなったことがわかります。
こちらは回転寿司で人気のネタです。
1位こそサーモンに奪われたもののマグロが2~4位を占めています。
引用:マルハニチロ「回転寿司に関する消費者実態調査2015」
1,美味いこと
2,マグロ
この2つを踏まえると、美味しいマグロを提供することが、これからの回転寿司には必要不可欠なんですね。
現在、マグロを絶やさないために、各地で様々な研究が行われています。
それでは、話を戻し今回はマグロの資源と未来の話をしますね。
この記事に書いてあること
絶滅危惧される天然クロマグロ
2014年11月17日、国際自然連合は絶滅の恐れがある野生動物「レッドリスト」で、太平洋クロマグロを新たに絶滅危惧としました。
1960年代初頭のピークだった頃から比べると20%以下。
また、個体数は約900万匹であると推定されており、この10年間でも半減しています。
さらに、驚くのが2014年生まれの漁獲量は13年に比べて20%、12年比で33%という減少率です。
このことから、南西諸島周辺で生まれたクロマグロが大幅に減少してると考えられます。
また、クロマグロは3歳で約40kgに成長して産卵できる体になるのですが、なんと水揚げされている太平洋クロマグロのうちの98%が3歳未満、昔は100~150キロであった体重が今では20~30キロであると言われているのです。
卵を産める前に漁獲しているのだから、減っていくのは当然ですね。
なぜここまでマグロが減ったのか?
世界的な寿司ブーム、中国のマグロ消費量が大幅に増えたことが原因であると言われています。
さらにマグロの幼魚を成魚に育てる養殖も、個体数を減少させる原因です。
そんな中大幅な漁獲量削減案が合意されました。
資源崩壊の危機を迎えているクロマグロの漁獲量をめぐり、日本とメキシコは10月末の国際会議で熾烈な“バトル”を繰り広げた。
クロマグロの漁獲量が多い両国は、東部太平洋での漁獲量削減についてそれぞれ独自の案を提示、激しく意見を戦わせた。結局、この海域での2015、16年の漁獲枠を今年より約4割削減し、未成魚の漁獲制限にも取り組むことで関係各国が合意したが、両国の意見対立からは、資源確保という大義名分と、自国の漁業権益確保という本音が見え隠れする。(石井那納子)
引用元:産経ニュース
この流れから天然のマグロは高騰していくと考えられるので、なかなか庶民には手が届きません。
そうなると期待されるのが養殖マグロです。
畜養マグロは半年の期間で餌を大量に与える方法
マグロの養殖方法は2つで、従来の養殖方法と畜養と呼ばれる方法でした。
従来の方法は幼魚から3年ほどかけてじっくり育てる方法です。
畜養マグロとはスーパーなどで売られていて、養殖ではなく畜養と表記。
全身トロマグロと呼ばれ、赤身の部分でも脂が乗っています。
畜養も養殖方法の一つですが、主に地中海、メキシコ、オーストラリアなどで行われており、巻き網漁で漁獲した20~100キロのマグロを、半年ほどの期間で過剰に太らせることにより、体中をトロにするのです。
近大マグロは2020年までに供給量を3倍に増やすと発表
そんな中、完全養殖が成功したことでマグロ養殖は大きく変化しようとしています。
近大マグロ、完全養殖とは?
稚魚を天然から捕獲して養殖した蓄養マグロと異なり、養殖施設で人工孵化した完全養殖マグロであり、これによりマグロ資源の減少を防ぐことが可能とされる。
マグロの稚魚は皮膚が弱く刺激に過敏であり、光等の僅かな刺激でも水槽の壁で衝突死したり、底部への沈降死をする上に共食いをするため、研究当初は人工孵化した稚魚が大量死してしまい研究は難航したものの、研究を積み重ね対策を講じた結果、2002年6月に完全養殖に成功するに至った
引用元:近大マグロ|ウイキペディア
近大マグロは味も天然マグロと変わらないということで、評判がいいです。
大阪のグランフロントなどで食べられます。
近畿大学水産研究所
2020年までに現在の供給量80トンから3倍の240トンに増やすと発表してるので、さらに低価格でおいしいマグロが食べられることが期待されています。
サバにマグロの細胞を移植するという荒技
このようなことをするメリットはなんでしょうか?
- 1,水槽がサイズダウンできる
- マグロの完全養殖には巨大な水槽と養殖場が必要になりますしケア等を考えると莫大な費用が必要になります。
サバのサイズに変えることで大幅なコストカットが期待できるのです。 - 2,餌代のコストカット
- マグロの食べるエサ代は、現在40 kgのマグロ1匹あたり5万円くらいだそうなので、これがサバになれば、かなり抑えることができます。
そんな無茶なと思うかもしれませんが、マグロはサバ科マグロ属なので、マグロにとっては親戚のような関係なのです。
ではどうやってサバにマグロを産ませるのでしょうか?
サバのお腹にマグロの卵を入れる?
目的はサバが孵化してマグロを産めるようになることなので、これでは意味がありません。
マグロから精子、卵の元となる細胞を抽出しサバに移植することでこれが可能になります。
養殖のクロマグロはキロ3000円が平均の価格
高価なイメージのあるマグロですが値段はどうやって決まるのでしょうか?
- 1,生まれ
- 生まれた場所によって値段が左右されます。日本では大間産が人気です。
- 2,状態
- 鮮度が問われます。すぐに冷やして鮮度を保ったまま市場に届けられることがベストなので冬が好ましいです。
一方大きさは上の二つに比べると弱いです。
2015年の4月に和歌山県の勝浦漁港で、過去最大の411キロのクロマグロが、水揚げされたのですが値段は270万円と今ひとつ。
過去に、松方弘樹さんが釣り上げたクロマグロ320キロで、437万円だったことから、大きさよりも生まれや季節のほうが重視されることがわかりますね。
上記2つを満たす大間産マグロは、2013年になんと1億を超えました。
いくらなんでもこれは極端な例ですが、それでも平均でキロ2万円くらいです。
養殖のクロマグロはキロ3000円が平均の価格で、出荷先は回転寿司店なのであまり高くできない、また3000円を切ると赤字のようです。
一方、天然の輸入物(メキシコ、オーストラリア産)がキロ1800円、こちらも回転寿司店向けなので国産の養殖マグロはどうしても価格で負けてしまいます。
私達日本人は、やっぱり国産が好きなのでこれから国産の養殖マグロには期待したいですね。
以上です。
養殖もいいけど天然マグロ食べたいなあ
うふふふふ