初心者もこれで十分!IPO株投資の買い方、始め方まとめ

株式投資家が一番望む投資方法の一つが「IPO投資」です。

「儲かる」といった噂を聞いて株式投資を始める方が増える中、実際どのようなものなのかを知らない方が多いことも事実です。
今回はIPO投資についての基本知識について解説していき、背景と取引方法について解説していきたいと思います。

IPO投資とは?

株式投資を始めたばかりの方の話を聞きますと、「IPOは儲かると聞いて」と話す方が多くみられます。
しかしながら、実際「IPO」についての知識を持っていない方が多いのも現実です。
まずは「IPO」というものが何なのかを解説したいと思います。

「IPO」はInitial Public Offering(イニシャル・パブリック・オファリング)の頭文字を取ったものであり、日本語で表すと「株式新規公開」です。
これまで株式市場に上場していなかった株式会社が、自社株を株式市場に公開するというものがIPOとなります。

株式市場に上場することは非常に難しく、証券取引所にて厳密な審査を通らなければなりません。
その厳しい審査を潜り抜けた企業の株式が、証券会社経由で投資家に販売されます。

その際に売り出しされる株式には限りがありますので、「プレミア感」を感じずにはいられませんよね。
この「プレミア感」がIPO株の上場での値上がりに繋がっております。

ちなみにIPOには「売出し」と「新株発行」の2種類あります。

売出し

「売出し」はすでに対象企業の株を保有している株主が投資家に自身の持分を売却することを指します。
2015年に上場を果たした「日本郵政」のように、「日本政府」が保有していた株式を売却して上場させることが、「売出し」と考えてよいでしょう。

またオーナーが保有している株式を売却することも「売出し」に当たります。
「売出し」を行う理由として、株主数の確保や企業のパブリック化、大株主のバイアウトが考えられます。

新株発行

一方の「新株発行」は、投資家より資金を集め事業資金に充てるために、対価となる新規株式を発行することを指します。

株式会社は上場・非上場関わらず、「発行株式数」がそれぞれの企業にはあり、「売出し」は株数の変更はありませんが、「新規発行」は株数が増えます。
特に新興企業などは上場を機に会社規模の拡大を狙っている企業が多いため、株式の新規発行を行うことで資金調達しております。
IPO投資にあたっては、「新規発行」と「売出し」を同時に行うケースが多いのも特徴です。

証券取引所で上場承認が下りたあとは、上場を担当する証券会社によって「ブックビルディング」が行われます。
これは機関投資家と呼ばれる運用のプロたちに「この企業をいくらで買いたいか」をヒアリングし、その結果を元に「公募価格」が決定する仕組みです。

担当する証券会社はメインサポーターとなる「主幹事」とサブとなる「副幹事」、販売のみ担当する「幹事」に分かれ、「主幹事」証券会社が一番株式の配分が大きくなります。
価格が決定してからは投資家への株式販売と代金の授受を行い、上場日からは一般の投資家でも株式の購入ができるようになるのです。

IPO株の上場後に初めてついた市場価格が「初値」と呼ばれており、証券会社からの割り当てをもらっていた投資家にとって「公募価格」と「初値」の差が大きければ大きいほど儲かることになります。
市場から評価された企業であればあるほど株価は値上がりしていきますので、通常の株式を購入するよりも、プレミア感があるIPO株の方が儲かる確率も高まると言えるでしょう。

IPO投資の現状

儲かる確率が高いと言われるIPOですが、果たして現状はどのようになっているのでしょうか?

まずは2015年のIPO実績です。
この年は97社が証券取引所に上場し、その内84社が公募価格よりも初値が高く寄り付きました。
その他11社は公募価格割れを起こし、2社は公募価格で寄り付いたものの、約87%の確率で儲かっていることが分かります。
中でも初値価格が公募価格の5.3倍になった企業もあるのなど、たった数週間で大儲けした方もいらっしゃいました。

翌年の2016年では、92社上場のうち69社が公募価格を上回りました。
前年より割合は減っているものの、依然として75%の勝率を誇りました。

それ以前の3年間を遡ってみても、勝率7割を誇っているIPO投資は株式投資家にとって魅力的なことに変わりはないでしょう。
実質IPO株を初値で売却せずに保有し続けた結果、株価が10倍になったケースも珍しくないため是非ともその恩恵に乗ってみたくなることと思います。

IPO投資で利益を得るには?

IPO投資における魅力はお分かり頂けたと思いますが、IPO株をどのようにして投資し、利益をとっていったら良いかについて「3つの項目」で解説します。

幹事証券の選択

まず1つ目は「幹事証券を選ぶこと」です。

IPO株は初値で買い付けすることも利益を取れる方法ですが、一番は株式売出しの際に証券会社から割り当てられることが利益を取れる確率が高いのです。
IPO株はそれぞれに担当の証券会社があり、あるIPO株が欲しいと思っても口座のある証券会社が引き受け幹事会社でなければ配分を受けることすらできません。

ですので、まず土俵に立つためにも幹事会社の証券口座を予め開設しておく必要があります。
IPO投資には前もった「準備」が必要となります。

企業をリサーチ

2つ目は「企業について調べること」です。

IPOが決まった際に、売出しに当たる説明書である「目論見書」が交付されます。
冊子になっているものを証券会社から交付を受けるか、ネット証券であればPDFで閲覧することができます。

この目論見書にはIPO企業の過去業績、業容、決算内容、株主、今後の戦略が記載されており、IPO投資をする方は必ず目を通しておいた方が良いでしょう。
仮に経営状態が思わしくない、不自然な点が多々あるといった点が見受けられた場合にはIPO申し込みをストップすることも大切です。
大事な資産を運用するわけですので、内容は一読することをおススメします。

世の中の流行を知る

3つ目は「業界に期待を持てるか」という点です。

IPOで儲かるということは「その株が上がると思って買いに来ている人が多い」とも受け取ることができます。
これまで売買されていない株式に期待を込めて、「買いたい」と投資家が注文を出すからこそ金額が上がっていくのです。
ともすればその裏付けには「業界への期待」が一番重要であると言えるでしょう。

例えば、世の中に新しい文化を作り出そうとしている「ネット業界」の企業が上場することは、取引所で承認をもらっての上場のため、業績拡大の期待を隠さずにいられません。
このような考え方でIPO株を考えることで、より儲かる確率が高まった投資ができることでしょう。

いずれにせよIPO投資で利益を出すためには、「企業のことを理解し、世の中の期待を感じる」ことが必要となります。

IPOにリスクはないのか?

ここまでのお話であれば「IPOは儲かる」といういいイメージを持たれたことと思います。
しかしながら美味しい話ばかりではありません。

株式投資にリスクはつきものです。
そこでここからはIPO投資のリスクについてお伝えします。

購入できるとは限らない

まずは「当選しないリスク」です。

IPO投資を検討したとしても、必ず株式の配分を受けることは「稀」です。
何故ならば同様に「IPOで儲けたい」と思っている投資家が沢山いるからです。

対面証券の場合は現在でも上得意のお客様を優先してIPO株を配分するところもありますが、ネット証券の場合はシステムを利用してランダムに配分する「抽選式」を採っている会社も多く、必ず当たるとは言えません。
IPO株を初値で売却して売り抜けるためには配分を受けなければ意味がありませんので、その点はリスクといってもいいでしょう。

儲かるとは限らない

次は「企業経営のリスク」です。

上場観測が予め出ていたため、投資家から期待されていた企業が上場審査通過後に突如上場を取りやめるという事態がここ数年で起きております。
例えば2016年12月に上場予定であった次世代型自動運転自動車開発ベンチャー「ZMP」社が、上場審査後に個人情報漏洩事案が発生したために上場中止を余儀なくされました。

このように企業経営に影響を及ぼす事態が発生した場合には、以後に再度上場となったとしても投資家からは疑心暗鬼の目で見られることは否めません。
その他上場は成功したもののすぐに業績の下方修正を行い、投資家から信頼を失うIPO企業も少なからず存在します。
投資家としてはこのような「企業経営のリスク」がある可能性を理解した上で投資を行う必要があります。

リスクとはあくまでも「可能性」ですので、絶対に危ないということではありません。しかし「可能性」を認識しておくことで冷静な判断が取れることになります。

IPOを取り扱う証券会社は?

IPOを取り扱う証券会社は、野村證券や大和証券、SMBC日興証券といった大手証券会社とネットを主戦場とするネット証券会社があります。
大手証券会社であればお得意様である顧客を中心にIPO配分を行う傾向があるため、配分を受けられない可能性があります。

その分ネット証券であれば、皆平等にIPO配分の機会を与えられますので当選の確率は上がるかもしれません。
そこでオススメのIPO投資におけるネット証券を紹介したいと思います。

岩井コスモ証券

大阪に本社を構える中堅証券会社であり、ネット証券の中でもIPO幹事入りの件数が多いことで有名です。
IPO抽選の特徴として、IPO条件確定後に抽選を申し込み、当選後に資金を投入するのみで大丈夫な「後期型抽選」を行っている点が特徴で、比較的当選確率が高いとも言われています。

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ライブスター証券

約70年の歴史を誇る、ネット証券に参入後は業界最安の手数料を武器にシェアを伸ばしている証券会社です。
2017年よりIPO取り扱いを始めたこともあり、「平等配分」や「前受け金不要」といったIPO投資家に取ってありがたい配分方式を採用しています。

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岡三オンライン証券

中堅証券会社である岡三証券のネット証券サービスであり、2013年よりIPOの取り扱いを始めました。
業界で先駆けて「100%抽選配分」を行い、平等なIPO配分が期待できます。
幹事会社に岡三証券が入っている場合も多く、ネット証券の中でも非常に当選確率が高い証券会社であると言えるでしょう。

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GMOクリック証券

GMOインターネットの子会社であるネット専業証券会社の同社は、意外と知られていないIPO取り扱い証券です。
とは言っても幹事会社に入っている数はまだ多くなく、ここから増えていくことを考えれば「穴場」の証券会社と言えます。
「完全抽選型」を採用しており、また通常の株取引手数料についても業界随一の安さですので、普段使いにも向いていると言えるでしょう。

●詳しくはこちら

 

 



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