リスク嫌いにおすすめ?個人向け国債のメリット・デメリット教えます!
運用をしたいけど「できる限り損したくない」という方や、低リスクで銀行預金よりも上手く運用したいという方にオススメなのが、「個人向け国債」です。
リスクを嫌う方には目からウロコの運用方法かもしれません。
個人向け国債とは
様々な運用方法がある中で、安全度の高い運用方法として「個人向け国債」があげられます。
国債とは「債券」の一種であり、国が投資家に対して「お金を借りること」を指します。
国は、国民が安定かつ豊かな生活をできるように、税収の財源で足りなければ、お金に余裕のある「投資家」に対して「金利を払う代わりに期限までお金を借りる」ことで、国を運営しています。
ただ、お金を貸しても返ってこなければ投資家としてもお金は貸せませんので、いつまで返しますという証明となる「券」を発行することで信用を得ます。
これが「債券」です。
現在では「券」そのものの発行は行っていませんが、金融機関によって管理することによって「権利証明」を行っています。
債券の中でも「国債」は、安全な運用資産として知られており、銀行預金や円建ての保険は、基本「国債」を運用することで発生する金利が運用益となっています。
非常に身近なところで運用されている国債ですが、個人投資家向けにより「安全性」を高めた形で発行されたものが「個人向け国債」です。
通常の国債は金利状況に応じて単価が変動しますので価格の変動がありますが、個人向け国債の場合は単価の変動は一切ありません。
従って、満期まで保有した場合に国が破綻していなければ必ず「元金」が戻ってきます。
公には元本保証とは言えませんが、リスクの許容があれば「元本保証」に近い運用ができます。
そのことからも、証券会社における運用の中では安全度の高い運用であると言えるでしょう。
個人向け国債の利回りと手数料
個人向け国債の利回りと手数料について気になっている方が多いと思います。
まず手数料ですが、購入時には一切かかりません。
「勝手にお金を借りたいと思っている人のため」に手数料を払うということは経済合理性として合わないため、金融機関は債券を購入する投資家より基本手数料をもらうことはしません。
ただし社債や通常国債などの場合、単価100円のものを101円で売るなど「単価」を調整して「利益」を取りに行くことはあります。
この際に投資家から手数料をとることいなりますが、個人向け国債に関しては「単価100円」で満期まで動きませんので安心してください。
次に利回りですが、2017年6月時点で「3年・5年・10年」と、全部で3種類に分かれていますが、年限が違う個人向け国債であっても「年0.05%(税前)」となっています。
「3年・5年」満期の個人向け国債は「固定利率」、「10年」満期の個人向け国債は「変動金利」です。
アベノミクスがスタートした2013年頃の10年ものの個人向け国債は「0.5%」前後の利回りが出てきていましたが、2016年2月に日銀がマイナス金利を導入したことによって利回りが急低下していきました。
とは言っても、個人向け国債の「最低金利は0.05%」と決められています。
従って、どこまでも金利が下がりマイナスになった場合であっても「年0.05%」は確保することができるのです。
2017年6月現在、メガバンク含めた銀行の普通預金金利が「0.001%」となっているため、普通に考えたら個人向け国債の方が利回り面で優れていると言えますね。
メリット・デメリット
個人向け国債の商品性についてのメリット・デメリットについてまとめました。
メリット
- 預金の大半を運用している「国債」という安全度の高さ
- 最低金利「0.05%」を保証している
- 保有より1年経過後に売却可能
- 満期まで保有すれば「元金」が戻ってくる
- 金融機関でキャンペーンを行っている
世界中の運用資産において、「国債」は非常に安全性が高いと言われています。
その国に属する企業が債券を発行する際には、国債に比べて利回りを決定するため、「国債」の信用度が重要となります。
一般的に国債よりも社債が高利回りであるのはこの理由が所以です。
また個人向け国債特有の機能としては、「年0.05%」の金利を保証されています。
10年国債の場合は「変動金利」のため、日本の金利が上昇すればその分だけ金利が上昇しますので、世の中の実勢を判断した上で年限を決めるべきでしょう。
その他、金融機関における「個人向け国債キャンペーン」が激化していて、国債の購入金額に応じて「年0.2%〜0.5%相当のキャッシュバック」を行っている金融機関が多くなっています。
しかも、個人向け国債は「購入後1年後には売却することができる」ため、キャッシュバックと併せて「1年ものの個人向け国債」として保有される方も増えています。
安全性の高い資産でありつつ、多くの金融機関で気軽に購入することができるものが「個人向け国債」なのです。
デメリット
- 国が破綻した場合元金は戻って来ない可能性が高い
- 購入より1年間は売却できない
- 高い金利は見込めない
「日本が破綻」した場合には元金が戻らない可能性があります。
現状のところ「日本の国債発行残高=日本の借金」は約1000兆円を超えていて、世界的にも心配されている日本国ですが、実際のところ国債の保有割合を見てみると「国内で約9割」保有しているので、ギリシャのように「国外が半数以上」保有されている国に比べれば、破綻のリスクは低いと言えます。
ただし、リスクがあることは理解しておいてください。
一方で「1年間は売却することができない」ため、入り用の際にすぐに使えるように運用している待機資金での運用には向きません。
その他「元本健全性」を重視して作られている個人向け国債ですので、頂ける金利が微々たるものです。
銀行預金よりはましですが、最低金利の「0.05%」の場合で考えると、複利で運用した場合で「1440年」なければ資産が倍になりません。正直家系が何十代も続かない限り、思ったほど資産は増えていきません。
実際長くても10年満期ですので、複利運用を考えると計算以上の年数が必要となりますが、あまりリスクを取りたくない方には適度な「利回り」と言えます。
安全性を求めてしまうと利回りは低くなってしまう訳ですが、日本人は元来「損をすることを強烈に嫌う」人種ですので、その意味では銀行で定期をするよりも「個人向け国債」の方が美味しいでしょう。
中途換金
個人向け国債は「購入1年後に解約することができる」のですが、元金がそのまま返ってくるわけではありません。
個人向け国債を売却する際には「直近2回分の利息分×0.79685」の計算にて弾き出された金額が差し引きされ、売却日から4営業日後に入金されます。
「えっ?元金割れを起こしているのでは?」と思われた方もいらっしゃると思います。
この差し引きされる金額は「中途換金調整額」と呼ばれており、直近受け取っている2回分ですので、金利0.05%と仮定すると「0.05%×0.79685」という計算式で「0.0398425%」となります。
要するに「すでに受け取ってしまっている金利分を差し引かれている」だけであり、金利分と合算すると「元金同等」となるのです。
ちょうど1年で売却してしまえば「プラスマイナスゼロ」ですが、以降超えると「保有期間分の金利」である経過利子が付与されて「少々プラス」になってきます。
債券の利子には「20.315%」という税金が引かれる訳ですが、先ほどの「0.79685」は実際に利子から税金を引かれた「税引後利子」を指しますので、投資家からすれば「ほとんど損が出にくい商品」であるのです。
この仕組みを用いて証券会社等は現金キャッシュバックを行い、「1年保有でcash back分を受け取ってもらえる」というセールストークで個人向け国債を購入してもらっているのです。
上手く金融資産を運用したいと思ってらっしゃる方にぴったりなキャンペーンですので、やはり利用は検討されてもいいでしょう。
購入方法と金利
個人向け国債は、最寄りの銀行や証券会社で購入することができます。
金融機関によって購入する個人向け国債の種類に違いはありませんので、普段使われている金融機関か、運用のプロである証券会社に相談するのが良いでしょう。
年限はあるものの、購入後1年で解約することができますので、これからの金利上昇の局面を想定して「変動10年」を検討されることも得策でしょう。
ちなみに個人向け国債は毎月発行されておりますが、月初めの「3日~7日」で金利が確定し購入手続きを踏むことができますので、「月初めは買い付けできない」ということは覚えておいてください。
まとめ
個人向け国債は、個人向け国債を発行する「財務省」が安全度について保証していますし、今の日本の経済状況を考えれば堅実な運用を行うことができるでしょう。
世の中には株式や投資信託、またFXや先物といった多くの金融商品があると思いますが、「安全性が高い・少額からでも大丈夫・最低金利保証」という言葉が当てはまる個人向け国債は非常に堅い商品であることは間違いありません。
投資家の資産の一部に個人向け国債を組み入れることで、損益のパフォーマンスが安定していくことが想定されますので、投資対象として検討してみてはいかがでしょうか。