ビットコイン含む仮想通貨と株やFXの違いを説明します
既存の株やFXなどの投資と、仮想通貨投資は何が違うのでしょうか?
この記事に書いてあること
ビットコイン、仮想通貨投資とは
まず、ビットコイン、仮想通貨投資方法にはどのようなものがあるのでしょうか?
仮想通貨は、ビットコインの他にイーサリアム、ネム、ライトコインなど多くの種類があり、ビットコイン以外の仮想通貨の総称をアルトコイン(もしくはオルトコイン)と呼びます。
アルトコインは本当に多くあり、日本国内の仮想通貨取引所で取扱いのないものや、存在はするもののまだ取引所にリリースしていないマイナーなものまで含めると、およそ1,000種類ほど存在すると言われています。
いずれにしても、ビットコインをはじめ各種アルトコインの投資とは、「仮想通貨を購入して値が上がったところで売却し、売却益を得ること、もしくは売却益を狙うこと」が基本の投資法です。
レバレッジ取引
取引所によっては、レバレッジ取引と呼ばれる株・FX取引での信用取引・先物取引・FX型取引が設定されています。
レバレッジ取引とは、証拠金を差し入れることで証拠金の最大25倍(ザイフのAirFXが最大)までレバレッジをかけた取引が可能となり、少ない金額でより大きな利益が狙え、さらに、ショートポジション(売り)からエントリーできるので、下落時でも利益が狙える取引のことです。
レバレッジ取引は、手元資金である証拠金の数倍以上の投資となり、仮想通貨の相場が急変動した場合、想定以上の大きな損失を被る可能性もあります。
株やFXとの違い
仮想通貨投資と株・FX取引方法の違いは大きくわけて3つあります。
投資対象現物の有無
一番の違いは「投資対象の現物の有無」です。
株取引
実在する上場企業の株を現物で買う(信用取引の場合、証拠金を差し入れることで証券会社から株を借りることで空売りが可能となります)。
FX
円や米国ドルなど実在する法定通貨を購入(両替)する。
仮想通貨
ネット上で売買されているもののビットコインやイーサリアムという通貨は実在しません。
あくまで通貨という名の電子データです(各仮想通貨の総発行枚数の上限は決まっています)。
また、発行媒体も異なり、株は企業が資金調達の一環として発行しており、仮想通貨は発行媒体が存在せずユーザーがマイニングによって新しくコインをネット上で発掘している状況です。
株の場合は、保有していることにより、配当金や株主優待などの利益が発生し収入を得ることができますが、仮想通貨にはこのようなことはありません。
よって、株は、株の追加発行や自社株買いなど発行している企業によってある程度コントロールできる状態で管理されています。
しかし、全てではありませんが、大半の仮想通貨は中央集権的な管理を否定することを善しとする性質上、監視・管理をみんなで行うという状況です。
販売所(証券会社・仮想通貨取引所)の違い
仮想通貨と株・FXは、販売しているところも違います。
株・FX取引は証券会社が仲介しますが、基本的には上場株は東京証券取引所(先物取引は大阪証券取引所)、FXは東京外国為替市場、仮想通貨は各仮想通貨取引所となります。
株やFXは法律や制度の整備がしっかりされており、利用者保護もかなりすすんでいますし、基本的に東京証券取引所がある日突然なくなってしまったということはありません。
一方、仮想通貨取引所は、民間企業が仮想通貨取引所を運営しており、まだまだ歴史が浅いこともあり、法律や制度の整備はほとんど進んでおらず、万一の際の利用者保護もまだ各取引所任せで取引所の対応次第という状況で、証券取引所や証券会社と比べるとリスクは高いと言わざるを得ません。
わかりやすい利用者保護の制度の一例として、株取引の場合は、株価の10%を超える上昇や下落が発生した場合は、「ストップ高」「ストップ安」となり投資家保護の目的で取引そのものが自動で一時的に停止となりますが、仮想通貨取引所にはこのような制度が基本的にない(取引所によっては、レバレッジ取引で20%を超える損失で自動ロスカットといったものはあります)ので、気がついたらわずか数日で手持ちのビットコインが半減してしまったということがあります。
ただし、金融庁が仮想通貨交換業者を審査の上登録するという制度ができており、金融庁のホームページでも登録業者の詳細を公表しています。
投資金額の違い
ビットコインは、0.0001BTCから購入できるので、1BTC=100万円の相場である場合、1,000円からビットコインを購入できます。
一方、株の場合は、日経平均指数連動型で1株数千円程度から買える特殊な株があるものの、株初心者が現物取引を行う最初の投資額の目安は10万円と言われており、ビットコインと比べると多くの投資予算が必要です。
メリットデメリット、危険度
株やFXとの違いを見ていきましたが、では、その上で仮想通貨投資のメリットデメリットと危険度についてまとめてみます。
仮想通貨投資のメリット3
手軽
株取引と比べると手軽に始めることができます。
最初に仮想通貨取引所の口座開設を行いますが、審査はあるものの、一般の人であればまず審査に落ちることはありませんし、その後、手続きさえしてしまえば、リスクの高いレバレッジ取引もすぐに可能です。
株取引の場合、証券口座の開設を行い現物取引まではすぐに可能となりますが、その後、信用取引ができるようになるためには別途審査があります。
ネット証券と言えど電話による面談があり、信用取引の仕組みや制度についてしっかり勉強していないと信用取引の口座開設は難しく、さらに先物取引の場合となると、株取引の経験年数が3年程度ないと許可がおりません。
相場が24時間動く
仮想通貨の相場は24時間365日動き続けています。
株取引だと、土日祝日はもちろん年末年始も証券取引所は数日間閉まってしまいますが、仮想通貨の場合は、いつでも取引ができますし、投資資金を寝かせてしまい投資効率低下を防ぐことができます。
ボラティリティ(変動率)が高い
仮想通貨は、ビットコインだけでなく複数の通貨がありますが、総じてボラティリティ(変動率)が高いです。
株のようなストップ高ストップ安のような制度もないため、一旦、明確で強い方向性が出ると、上昇も下落も半端ない状況となります。
一例として、2017年3月1BTC=25万円程度だったものが、2017年12月初めに1BTC=220万円まで大爆謄したと思いきや、2018年1月末にはたった2ヶ月弱で1BTC=64万円まで大暴落しました。
このボラティリティの高さはリスキーでありデメリットであるともいえますが、投資中級者以上の方であれば本当に「美味しい状況」であるともいえるのです。
仮想通貨投資のデメリット2
取引所のリスク
一番のデメリットは取引所リスクです。
今後、法整備が進むと思われますが、2018年1月26日にコインチェックの不正流失事件が発生し、日本円にして約580億円もの仮想通貨ネムが流失したという事件が起こったのは記憶に新しいところですね。
コインチェック社は、「自己資産」で流失分を被害者であるユーザーに返金すると公表しましたが、2018年2月末となった今もいまだ返金はされていませんし、被害者の会が結成され集団訴訟を起こすなどといったニュースも伝わってきました。
東京証券取引所や証券会社は法律や制度によって、万一のことが発生しても利用者保護が確実になされますが、仮想通貨取引所や利用者を保護する法律はまだありません。
仮想通貨投資をするにあたっては、USBメモリータイプのハードウォレットを使って自分が所有している仮想通貨を保護するなどの自己防衛は必須です。
ボラティリティが高い
メリットでも挙げましたがボラティリティが高いので、リスクがかなり高いことです。
株で信用取引や先物取引をメインとして行っているような投資中級者以上の方にはメリットなのですが、投資初心者の方が仮想通貨のレバレッジ取引を行うとなるとかなりリスキーです。
投資初心者の方は、最初は必ず現物取引で仮想通貨投資を行ったほうが良いですし、強くおすすめします。
リスク、リターン度で考えるそれぞれの投資がおすすめな人
仮想通貨投資と既存の株・FX取引の違いについて簡潔にまとめると、
- 仮想通貨投資:ボラティリティが高く少額から始めることが可能でハイリターン、しかし、法整備が整っていないことからリスクは高い
- 株式投資:法整備がしっかりしており利用者保護が進んでおりローリスク、一方仮想通貨投資と比べるとローリターン
という投資の性質があります。
投資そのものをこれから行おうとしている方は、投資資金もあまりない方が多いと思われますので、最初は仮想通貨投資を現物で行い、慣れてきたらレバレッジ取引に挑戦することをおすすめします。
前述したように、レバレッジ取引を行うことでショートポジション(売り)からエントリーすることが可能となり、これだけボラティリティが高いと下落時に何もできないことは投資機会の損失となりますし、自信のない方であれば、レバレッジ1倍で取引を行えばリスクヘッジも十分取ることが可能です。
ある程度、投資資金が大きくなった段階で株取引やFXへ分散投資してみると良いと思います。
このように投資資金を1つに集中させず分散して投資することを分散投資といいますが、これは投資のリスクヘッジとしては基本となりますので重要です。
リスクの高い仮想通貨投資とリスクの低い投資信託という組み合わせの分散投資もおすすめですね。
一方、株式やFXなど投資経験は5年以上あり、投資資金もある程度豊富にあるという方には、株取引のほうが良いでしょう。
しかし、仮想通貨投資という新しい投資対象も出てきたので、投資の一環として仮想通貨投資もある程度の割合で行うことをおすすめします。
実際に、仮想通貨投資のレバレッジ取引を株取引の経験豊かな方がやると、本当に短期間に大きな売却益が狙えます。
加えて、仮想通貨はそもそもバックグラウンドにある「ブロックチェーン技術」に注目が集まり、仮想通貨の相場が盛り上がっているので、その将来性の確度はかなり高いです。
現物取引で仮想通貨を購入し、長期保有するという長期トレードも投資のポートフォリオ(投資の組み合わせ)に加えておくことをおすすめします。
ブロックチェーン技術の圧倒的な将来性を見込んで、完全な余剰資金で仮想通貨を数年単位で保有しておくというのも有効な手段です。
まとめ
仮想通貨の価値はブロックチェーン技術で、実際にすでに一部の銀行などで運用テストが行われており、もうすぐ私たちの日常生活をより便利にしてくれるでしょう。
コインチェックの不正流失事件でネガティブな印象を持った方が増えましたが、仮想通貨の本当の価値というものを考えると投資対象としてかなり確度の高いものですし、仮想通貨は少額の投資で大きなリターンを狙えるもので、実は投資初心者向きであるとも言えますね。