モバイル決済の時代はすぐそこ?Apple Payが普及する可能性
あと支払い時に、後ろの人に迷惑かけてないかしら・・・
こんにちは!
彩春館学園、マネー研究部(仮)部長の芹沢です。
突然ですが、あなたはこんな悩みを抱えていませんか?
クレジットカードがたくさんあってかさばる。
おサイフケータイをiPhoneで利用できない・・・
確かにカードってたくさん持ってると財布がかさばりますよね・・・
しかし、そんな時代ももうすぐ終わりを告げるかもしれません。
iPhoneだけ持ってれば、スマートに支払いできる時代が来るかもしれないのです!
それが「ApplePay」です。
この記事に書いてあること
Apple Payとは
画像出典:Apple Pay
Apple Payとは、「iPhone」または「AppleWatch」のNFCを利用したモバイル決済サービスのことです。
今年の2月に、アップルは中国の決済サービス「銀聯(China UnionPay)」と提携し中国でも利用できるようになり、普及が加速してきました。
2016年9月現在ではアメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリア、シンガポール、スイス、フランス、香港、中国で利用できます。
日本にはまだ上陸していませんが、一部NFC Payに対応した端末が設置されているマクドナルドが横浜にあるようです。
参考:横浜でApple Payを使ってマクドナルドを食べ歩く
「Visa payWave」 「PayPass」などNFCの決済にも対応していれば利用可能です。
但し、Apple Payサービスを開始している国発行のクレジットカードやデビットカードがないと登録できません。
海外発行のクレジットカードは、日本人にはハードルが高いですよね・・・
ですので現時点では、設置してあっても訪日外国人しか使えない状況です。
NFCとは
NFCとは「Near Field Communication(近距離通信)」の略で、端末を「かざすだけ」でデータ通信を可能にします。
電子マネーなどの、モバイル決済に採用されている「非接触ICチップ」のことです。
NFCの中には国際規格として、「TypeA/B」 「Type F」があります。
「TypeA/B」のチップは世界で最も使われおり、iPhoneにも「TypeA/B」のチップが搭載されています。
「TypeA/B」に対して日本のキャリアで販売されている端末には、ソニーが開発した「FeliCa」と 呼ばれる「Type F」の技術を採用しています。
おサイフケータイとの違い
日本のキャリアから販売されているAndroid端末で「おサイフケータイ」が利用できるのは、このA/B/Fの3種類を搭載しているからです。
一方、iPhoneで「おサイフケータイ」が利用できないのは、この「Type F」が搭載されてないからです。
またApplePayとおサイフケータイには、決定的な違いがあります。
Apple Payで利用してるのは電子マネーではなく、クレジットカード(もしくはデビットカード)という部分です。
Apple Payで利用=クレジットカード
おサイフケータイで利用=電子マネー
Apple Payの使い方
- 1,クレジットカード情報の登録
- まずクレジットカードの情報をiPhoneアプリのWalletを使ってiPhoneに入れます。
iTunesに登録してるクレジットカードか、iPhoneのiSightカメラでクレジットカードを撮影することで可能です。
1枚だけでなく複数枚登録できます。 - 2,カードを選択する
- 次に登録カードから、利用するカードを選択します。
- 3,指紋認証で決済
- 端末にiPhoneを近づけて、Touch ID指紋認証すると決済できます。
Apple Payの使い方|YouTube
Apple Payでのやりとりは暗号化されている
ユーザーがクレジットカードを登録すると、アップルはカードが正しいものかを確認します。
確認後はAppleは自社サーバーにカード情報を残すことなく、店舗にもカード情報は渡りません。
クレジットカードと紐付く情報(暗号化されている)が自分のiPhoneの中に残り、そこから取引ごとに必要な情報を引っ張り出す。
このやりとりもトークナイゼーションという仕組みで暗号化されてます。
データを盗まれたとしても解読できないので、利用することは不可能ですし、偽造カードを作られる可能性もほとんどありません。
iPhoneを盗まれたとしても、指紋認証「Touch ID」をパスできない限りは不正利用することは難しいでしょう。
また「iPhoneを探す」機能からクレジット・カードを停止することも可能です。
それでは、Appleはどのようにして利益を出すのでしょうか?
Apple Payは手数料ビジネス
クレジットカード決済では手数料が発生し、この手数料は加盟店がクレジットカード会社に支払っています。
この部分が、銀行やクレジットカード会社の利益です。
つまり加盟店になると、契約時に加盟店手数料を定められるため、銀行やクレジットカード会社に手数料を支払わなければならないのです。
参考:お店がクレジット払いを拒否してもいいの?クレジットカードの仕組みについてまとめました!
Apple Payも同様に手数料を得ます。
しかし、新たに加盟店の負担額が増えるのではなく、銀行やクレジットカード会社で分け合ってた手数料の一部がAppleのものになります。
Appleの取り分は決済総額の0.15%のようです!
アメリカはセキュリティ面で遅れているのでApple Payが普及しやすい?
Appleの決済システムApple Payが、米国内200万ヵ所以上の小売店や飲食店などで利用可能となったとBloombergで報じられています。
アメリカはクレジットカード社会ですが、セキュリティ面で遅れていました。
ICチップを搭載しない旧式「磁気ストライプのカード」が、市場にあふれていたのです。
そんな中EMVにより、2015年10月以降は店舗での対面販売に利用するカード決済を、ICチップを搭載したクレジットカードで行わなければならないことになりました。
また、今までの不正利用ではカード会社や銀行が保証してきましたが、店舗負担となったのです。
EMVとは
EMV仕様は、金融分野におけるICカードを用いたカード取引のための「ICカードと端末に関する仕様」を定めた国際的なデファクト標準をいいます。これは、EuroPay(ユーロペイ)、Matercard International(マスターカード・インタナショナル)、およびVisa International(ビザ・インターナショナル)の間で合意したICカードの統一規格で、三社の頭文字を取って名付けられました。
これにより次第に、ICチップやNFCリーダーに対応した端末が増加していきました。
しかし、市場にあふれる磁気ストライプのカードを全て回収するには莫大なコストが必要なので、なかなかカード側の対応が進まなかったのです。
これでは、いくら端末側がNFCやICチップに対応しても意味がありません・・・
そんな中、登場したのがApple Payです。
クレジットカード情報を入れたiPhoneを利用することで、磁気ストライプのカードを回収する必要がなくなったというわけです!
銀行ATMでもApple Payを使って引き出し可能に!
またアメリカでは、もうすぐ銀行でもiPhoneを使ってお金を引き出せるようになります。
なぜ銀行で導入することを決定したのでしょうか?
それは、偽造カードによる犯罪が多いことです・・・!
銀行からすると、Apple Payの導入には多大なATMの交換コストが必要になります。
しかし偽造カード犯罪が多いことを考えると、銀行はApple Payの個人認証を採用したほうがいいと考えたようです。
その他のモバイルWalletサービス
- AndroidPay
- AndroidPayはGoogleのサービスです。
利用するにはAndroid4.4以降のOSを搭載し、NFCに対応した端末が必要です。三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)と組んで、今秋にも日本に上陸すると日本経済新聞が報じました。
- Samsung Pay
- Apple Payが登場した翌年、2015年夏からスタートしました。
仕組みは若干違いますが、Apple Payと同じように利用できます。またNFCでによる非接触通信だけでなく、スマホに搭載されたチップを磁気リーダーに読ませる方法でも決済できます。
つまり、磁気ストライプカードしか使えない店舗でも使えるというわけです。 - Microsoft Wallet
- この中で唯一「、~Pay」という名前ではありません。
しかし、Windows Mobileを利用することで、Apple Payと同じような仕組みで利用できます。2016年9月現在、対応機種はLumia 950/950XL/6503種類のみです。
普及するかは、対応機種が今後日本で発売されるか否かでしょう。 - Chase Pay
- 米金融大手のJPモルガン・チェースのモバイルWalletサービスが「Chase Pay」です。
Apple PayやAndroidPayなどと異なりNFCによる非接触通信を利用しません。
スマホに表示されたQRコードを店員に提示して、スキャンしてもらいます。
日本で普及する可能性
それでは、Apple Payは日本で普及するのでしょうか?
そのポイントは以下の3つです。
1,ApplePayを「Suica」のように利用できるか?
Suicaの処理速度の基準は200ミリ秒(0.2秒)以内に非接触ICによる改札処理を完了させなければなりません。
実際には100ミリ秒(0.1秒)で処理できているそうです。
Apple Payの場合、タッチしてから決済完了まで5秒かかります。
つまり今のままのApple Payでは、改札の前に大渋滞が起きてしまいます。
また日本の改札はFeliCaしか対応していないので、Apple Payで使われている「TypeA/B」のNFCに対応させようとすれば、全てを取り替える必要があります。
Apple Payのためにそこまでするのは、現実的ではありません・・・
そんな中、iPhoneもFeliCaチップを搭載されるという可能性が出てきました。
FeliCaチップが搭載されれば、日本で人気のおサイフケータイを利用できます。
早ければ、近日発売のiPhone7に対応されるかもしれません!
参考:iPhoneにフェリカ 「おサイフ」に現実味 |日本経済新聞
これが本当であれば、AppleはApple Payでの独占を諦めおサイフケータイの共存を選んだと言えるでしょう。
オセロで例えるなら、角をおサイフケータイに取られている状況のため、全てApplePayで埋めるのは無理と考えたということです!
2,「TypeA/B」のNFCに対応したシステムがほとんど普及していない
先述したとおり、日本でApple Payが利用できる店舗は現状ほとんどありません。
2020年には東京オリンピックが開催されますので、たくさんの外国人観光客が日本に来ることが予想されます。
外国人観光客にスムーズに決済してもらうために、「TypeA/B」のシステムを増やせるかが鍵でしょう。
3,クレジットカード利用者が少ない
日本では現金払いの人が多く、クレジットカードを利用している人が少ないのが現状です。
内閣府は9/1にクレジットカード利用に関する世論調査の結果を発表しました。
参考:「クレジットカード取引の安心・安全に関する世論調査」の概要
『クレジットカードを積極的に利用したいと思うか』の質問に対し、「そう思わない」が57.9%と「そう思う」39.8%に大きく差をつけました。
積極的に利用したいと思わない理由(複数回答)は、「不便を感じない」(55.4%)が最も多く、「紛失・盗難により第三者に利用されるおそれがある」(41.3%)、「個人情報などが漏えいし、不正利用されてしまう懸念がある」(35.4%)と続きました。
このように日本では、まだまだクレジットカードを利用する人が少ないので、Apple Payは求められていないかもしれませんね。
以上です。
最新のカメラを搭載し、農作業中のセルフィーも可能にしました。
・・・こんな感じ?
秋になったら、ゴールドに実った稲を「iねかり」します!
そこだけ日本語なのね。