大学中退した人必見!就職するために知っておきたいこと
おじいちゃんやおばあちゃん世代とは違い、今では義務教育の中学校を卒業すると、ほとんどの人が当たり前のように高校へ進学します。
中にはせっかく高校入試を突破し高校に入学できたのに、義務教育ではなくなったためいつででも自分の意思で辞めることができるという今までとはちょっと違う自由さに魅力を感じたり、高校に入学したはいいけど授業についていけなくなった、クラスや部活の友人とうまく行かなくなった、家庭の事情で…というように、様々な理由で高校を中退する人も中にはいます。
私が入学した高校でも、仲の良かった友人のうちの一人が1学期いっぱいで中退したということがありました。
夏休み明けに学校に行ったらその子の机がなく、朝礼で先生から「○○が1学期いっぱいで中途退学しました」と告げられただけで、詳しい理由は何も誰も知りません。
中途退学、いわゆる「中退」は、何も高校生に限らず、大学生や短大生にだってありえることです。
私のまわりにはせっかく試験を受けて合格し入学した大学を中退した人はいませんが、よく芸能人でもプロフィールに「○○大学○○学部中退」なんて書いている人がいますよね。
せっかく難しい入試を突破し入学できたのに、自ら大学を辞めて行くとは何事だ?と思いましたが、退学の理由も様々です。
大学を中退する理由
私が住んでいたアメリカでは、大学生になったらアルバイトなどの仕事をしながらだったり、一旦休学してその間に仕事をして学費を自分で貯めてからまた大学に戻るという学生がほとんどでしたが、日本の大学生の場合は大学の学費はほとんどの場合その人の両親が払っていることが多いと思います。
奨学金を借りて大学に行っている人も多いでしょう。
もちろん自分でアルバイトをしながら自力で学費を工面している学生さんもいるかと思います。
ところが、先ほども述べたように、子供を一人大学を卒業させるには莫大な資金が必要です。
このご時世、想定外のリストラなどで急に学費が用意できなくなるようなことや、自分でアルバイトなどで学費を工面している学生でも途中でどうにも限界を感じてしまい泣く泣く中退するという人が増えているのが現状です。
少し古いデータではありますが、今から4年程前のデータによれば大学中退者の全体の20%が経済的な理由で大学を中退しているという事実があります。
「大学中退」というと、大学に行かせてもらっている身分なのに自ら辞めるとはなんて贅沢なんだ、勉強したくない怠け者、などとレッテルを張られてしまいがちです。
しかし、大学中退者の中には、勉強を続けたくても中退しなければならなくなってしまったという、夢半ばで学問の道を閉ざされてしまった人達もいるのです。
大学中退は大卒に比べて就職で不利
通常であれば就職活動は大学3年生でするという人が多いでしょう。
3年生で就職活動をし内定をもらい、卒業後その会社で働き始めるという流れです。
私の友人の中に私より2歳年上の女性がおり、その人は中学でいじめに会い、なんとか高校はいじめっ子とは別の高校に進学しましたが結局高校でも人間不信のため友人関係がうまくいかず高校1年生の1学期で中退しました。
その人は35歳になる今でも正社員ではなくフリーターとして仕事を、もう15、16歳の頃からずっとしています。
なぜそんなに長い間フリーターのままなのかというと、高校を中退したため学歴が中卒だから正社員で雇ってくれる先がない、とのことなのです。
確かに正社員募集の条件でも「高卒以上」や「大卒以上」を挙げている企業が多いですよね。
「高校中退」だと、就職の時に正社員として雇用してもらえないというデメリットがあります。
それでは「大学中退」の場合はどうなるのでしょうか。
みなさんの想像に難くないように、「大学中退」の人は「大卒」の人よりも就職時に不利になることが多いです。
さきほど述べたように、大学を中退する理由には様々なものがあり、大学を中退した人の全体の20%近くを「経済的問題」が理由で退学しています。
ところがやはり「大学中退」というとどうしても「怠け者」や「自分で大学進学を選択したくせに最後まで成し遂げられなかった根性のない人」のようなイメージが強く、書類選考の時点ですにマイナスイメージを持たれてしまうというのもあるかもしれません。
そして先ほども出てきましたが、そもそも正社員募集の要項として「大卒以上」と条件を付けているところが多いため最初から企業側が設定している正社員になるための基準を満たせないことも大きな要因です。
それに加え大学を中退した人は中途採用枠での応募になるパターンがほとんどになり、その点で新卒採用よりも不利になってしまいます。
ただし、大学を中退した人でもやる気と工夫次第では正社員への道も完全に閉ざされたわけではありません。
大学中退後、就職活動する流れ
大学を中退した人は新卒採用枠ではなく中途採用枠での応募となることがほとんどのため、その点で新卒者よりも就職について不利になる可能性が高く、また途中で大学へ通い学ぶことを放棄した人、中途半端な人、というレッテルを張られやすく面接官からの心象に影響する可能性があることなどから、就職活動に苦戦する人も多いでしょう。
いかなる理由があれど、大学を中退したからには間髪入れず迅速に就職活動を開始する必要があります。
大学を辞めてから少しゆっくりしてから就職活動を…と考えていた人、今すぐ就職活動を開始してください。
面接では必ずといっていいほど「大学を辞めた後は今までの間何をしていたのか」を突っ込まれるはずです。
大学を中退してから就職活動までの期間が明けばあくほど、質問されたときの解答が難しくなってきます。
すぐに就職活動を始めたがなかなか内定が出ず今までかかっている、というのであればその旨をしっかり説明することができますが、大学を辞めた後少し充電期間を置いていた、などと面接で答えた時には面接官からの印象も良くないでしょう。
また新卒者が就職活動をする時期にはたくさんの求人が職業安定所や就職サイトにアップされますが、中途採用となると自分ではじめから社員を募集している企業の情報集めなどをしなければなりません。
現在ではインターネットが普及してスマートフォンやパソコンも1人1台は持っているような時代です。
ネットを駆使すれば求人情報を集めることもさほど難しくはないでしょうから、ボケっとしている暇はありません。
就職活動には迅速性と行動力が重要となってきますので、良さそうな求人を見つけたらすぐ応募してみましょう。
こうしてみると中途採用枠での応募になることがほとんどですから、大学中退者は就職に完全に不利なような感じもしますが、実はまったくそうとも言えず、大学を卒業して働き始める新卒者よりも年齢も若く、より柔軟に仕事の内容や職場の環境に順応できるという意味で逆に重宝される場合もありますよ。
正社員になるためには?
多くの企業が正社員採用の募集要項に「四大卒以上」などという基準を設けていますが、大学を中退してしまった人の場合はいくら大学に通っていた事実が過去にあるとはいえ卒業していないの「四大卒以上」「大卒以上」という縛りのある求人には応募できません。
では大学を中退した人が狙える求人はというと、「高卒以上」や「大学卒業程度」などと書かれている求人です。
「大学卒業程度」とは「大学卒業以上」とは違い必ずしも卒業した人のみを特定するような書き方ではなく、また大学入試を突破するだけの実力はあるわけですから、「大学卒業程度」というくくりのある求人に応募してもさほど問題はないでしょう。
昨今では大学を中退した人を積極的に採用している企業もよく目にするようになりました。
大学を中退したことは決して100%あなたの足かせになるわけではありません。
悲観的にならずポジティブシンキングで就活に臨んでください。
就職試験を受ける企業さえ間違わなければ(先ほども言いましたが大学卒業者以上や四大卒以上などのくくりのある求人ではまず難しいです)あとはあなたの人柄、やる気、熱意次第で内定をもらえる可能性は高いです。
面接で聞かれる「なぜ大学を辞めたのか?」解答方法
さて、大学を途中で退学した人は必ず面接で「なぜ中退したのか?」と理由を聞かれることになります。
学費を払って無駄に4年間大学に通うよりもしたいことが見つかったので早く就職したかった、入学した学部での分野に興味が持てなくなった、経済的理由で中退せざるを得なくなった、理由は様々でしょうが、なぜ大学を辞めたのか理由は恥ずかしがらずに話しましょう。
友人関係に悩んで辞めた、や、毎日通うのがしんどくなった、勉強についていけなくなった、などの理由であればこれらの理由は正直に話さない方が賢明ですが(就職してからも同じような理由で辞めて行きそうだと思われてしまえばアウトです!)、経済的な理由で大学をあきらめなければならなくなった場合でも、恥ずかしいと思うことはありません、正直に話せばよいと思います。
ただ大学を辞めた理由を話すことで面接自体が重たい空気になってはいけません。
「こういう事情があり大学を卒業できなかったが、次こそは最後まで物事をやり遂げたい」
「就職したらこういうことをしたい」
などと前向きな明るい雰囲気で締めくくれれば尚良いでしょう。
中退した理由を話して終り、では、なんとなくもう一つ突っ込んだ質問をしたくてもしにくい雰囲気になりますし、面接官も「この話に触れてはいけないな。一緒に働き出してもちょっと扱いが難しそうだ。」などと思われては採用が遠のく可能性だってあります。
大学を辞めた理由を話して暗い雰囲気になるのではなく、就職してからの希望や夢であったり、がんばりたいこと、自分の熱意をしっかり伝えることができれば内定も夢ではないかもしれません。
また、面接の最後の方で必ず面接官は「質問はないですか?」と逆に質問返しをしてくることも多いでしょう。
何か質問はありませんか?と聞かれたときに何か一つ会社側に質問できることを前もって考えておきましょう。
私も「もうすぐ終わる!ああやっと緊張から解放される!」といった思いからやりがちでしたが、ここで「ありません」とは答えてはいけません。
せっかく「就職したら○○をがんばりたい」などと熱意を伝えているのにも関わらず「質問はありません」で終わるとなんとなく「うちの会社にあんまり興味がないんだろうな」という印象を面接官に与えてしまうかと思います。
何か一つ、求人情報からでは読み取れなかったような小さな疑問を一つだけ用意しておくと便利です。
まとめ
経済的な事情や大学選びを失敗した、大学に通うよりもさっさと就職してしまいたい、いろいろな思いや理由で大学を中退されたと思います。
大学を卒業した新卒者よりも就職活動で不利になりがちであること、これは否めません。
ただ、面接を受ける企業選び、面接での受け答えなど、小さな工夫から中退した人でもしっかり正社員として働ける可能性はあります。
特に技術職などであればあまり学歴にこだわらない企業もありますし、若ければ若いほど覚えが早い、モノになる、ということもあるかと思います。
文字だけでみると「大学中退」ではなんとなく恰好がつかないしあまり良い印象を与えるものではないかもしれません。
ですが、あなたがまじめで素直な人であれば、そんな人柄が企業の目に留まることだってあります。
四年代卒業者よりももしかしたら給料は低いかもしれません。
でもそれもあなたの頑張り次第である程度カバーできることかもしれません。
大学を中退することは必ずしも「負」ではありません。
すべてはあなた次第です。
余談ですが、官僚には大学を中退した人がたくさんいます。
そしてなぜか大学を中退してまで官僚になった人の方が、「エリート」と呼ばれています。
なぜでしょう。
卒業するまで大学に在籍してから官僚になった人よりも在学中に官僚試験に合格した人の方が頭がいい、すごい!という考えからなのだそうです。
このように「若ければ若いほど優秀だ」「若ければ若いほど即戦力になる」という考え方も、また世の中にはありますよ。
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