正社員が副業したら絶対バレるは本当?【2020年版】

正直に告白すると、私の独身時代のお給料はそれはもうしみったれたものでした。
電機メーカーのルート営業職だった頃は、総支給額で20万ほど。

そこから保険やなんやらと引かれるものがあり、その上自家用車での営業だった為タイヤはすり減る、オイル交換だって頻繁にしなければならず、ガソリン代は経費としてのちほどお給料と一緒に振り込まれる仕組みでしたが、「最近の車は燃費がいいから」と途中からガソリン代の計算方法が変わり、それまでも距離を走れば走るほど赤字でしたがさらに赤字(従業員側が損をする)に…。

車の維持費ばかりかかり、結局何のために仕事をしているのかわからなくなり辞めました。

そしてその次は職業訓練校に2年ほど通い自動車整備士になりましたが、整備士としてのお給料もこれまた雀の涙程度のようなもので仕事内容の割にお給料が安く、こちらは最初の会社では総支給額17万ほど。
次に移った会社では20万ほどでした(いずれもディーラーではなく個人経営の整備工場)。

当時私は独身で実家暮らしだったためそのお給料でもまぁまぁ「こんなものか」という感じでしたが、もしこれが家族を持つ身であったり子供がいる家庭の大黒柱だったらどうだったでしょうか。
総支給額20万でも、そこから保険(整備士の保険は高いです)、年金、税金やらなんやら引かれたとすれば手元に残るお金は十数万円です。

たった十数万で、家族の携帯代や食費、光熱費、被服代、子供がいるなら子供の学費など、すべてをまかなえるでしょうか?
配偶者のサポート(パートなど)がないとなかなか厳しいというのが現実です。

私は地方に住んでいますが、このあたりだと同年代の女性で正社員だとだいたい月々のお給料はこんなものなのかもしれません。
それどころか、保険会社の正社員として働く友人は月々の手取りが10万円を切る、という劣悪な環境で10年近く働いています。

実際に正社員で働いている会社での勤務が終わった後コンビニで深夜のアルバイトをしたり、休日に副業をしているような人の話を耳にするようなことも多いのではないでしょうか。
副業とまではいかずとも、パソコンやインターネットを使って空いた時間にお小遣い稼ぎをしている人はとても多いです。

実はうちの夫も息子が生まれてほどなくしてお金のことで夫婦で喧嘩になった時に「仕事が終わった後コンビニでバイトしよっかな…」とぼやいたことがありました。
うちの夫は大学を卒業し就職し他県で働いていましたが、夫の父のガンが発覚したことをきっかけに仕事を辞め実家に戻ってきました。

実家に戻ると同時に今勤めている会社に就職し現在店長をしていますが、そんなうちの夫のお給料は決して高くはないです。
しかも休日出勤は当たり前、休日だってしょっちゅうお店から電話が来たり、朝早く家を出て帰宅は時計の針が一回り以上してから。
一カ月の休みももちろん週休2日なんて取っていられません。

そうやって一カ月頑張って働いて稼いだお給料は、今までは実家暮らしだったため少しの金額を自分の昼食や趣味や実家に入れるお金にあてればそのほかはすべて貯金に回せていました。

ところが私と結婚し息子が生まれてからは(私は育児がしたい!子供と過ごしたい!と専業主婦を希望したため無職です)自分一人のお給料で家賃、光熱費、食費や雑費やらすべてを賄わなければならなくなり、ちょうど夫自身が持病の心臓の手術を受けた後で精神的にも肉体的にもきつかった時なのでしょう、私とお金のことで喧嘩した時にぼそっと「コンビニでバイトしようかな…」と言ったのです。

もう私はその言葉が胸に突き刺さり一晩中涙が止まりませんでした。

ただ、その頃住んでいたアパートのすぐ裏がコンビニでしたが、実際にそのコンビニでアルバイトをするという行動には出ませんでした。
それには、こんな理由があったからなのです。

会社によっては副業が禁止の理由

小学校だか中学校の授業で習った記憶がある人も多いでしょうが、日本国憲法の中に「職業選択の自由」というものがあります。

昔の日本には身分制度というものがあり、両親や親からその身分階級を受け継ぎ、職業も生まれながらにして限定されていましたが、現在の日本では国民は皆法の下に平等という方針が根本で、誰でも自分で職業を選び、どこに住居を構えるかも個人の自由ですよ、という考えです。

この考え方で行くと、あなたが副業をしようがどうしようが、個人の自由で会社に口を挟む権利はない、会社に何を言われる筋合いもない、ということになりますよね。

しかし現実は、誰でも簡単に副業ができる、という訳ではありません。
実は、会社によっては「副業禁止」という就業規則があるのです。

憲法で「職業選択の自由」という項目があるのにこれはおかしな話ですよね。
あなたの会社はどうでしょうか、副業を禁止しているのでしょうか、それとも容認しているでしょうか。
ではなぜ、会社によっては「副業を禁止する」という就業規則を設けているのでしょうか。

その理由には、主にこういったものがあります。

  1. 本業がおろそかになる恐れがある
  2. 本業で養ったノウハウやコネクションなどを使って他(副業)で利益を出されたり企業秘密が外部に漏れると困る
  3. 優秀な人材が副業に流れていき人手不足になると困る

などが考えられます。

どれもかみ砕いてみると同じような理由なのですが、要は会社は優秀な人材は絶対に手放したくないし、うちの会社のノウハウや取引先などのコネクションを使って勝手に裏でビジネスをされたり(ましては競合会社になられても困るし)企業秘密が漏えいしても困るし、副業に力を入れすぎて本業の方の業績が落ちて利益が減ると困る!といったところですね。

公務員はもちろん副業は禁止されていますが、仕事で機械を扱う人や重整備や肉体労働系の仕事をするような職業の人も副業が禁止されていることが多いです。
私も整備士の頃は副業禁止でした。

実際に副業していることが会社にバレて裁判になったり懲戒免職や懲戒解雇された事例もあります。
会社に副業がバレた時は最悪解雇される可能性があるということは覚えておきましょう。

ちなみに憲法での縛れるものは、あくまでも「国家権力」と「国民」間の権利についてであり、「会社(雇用主)」と「社員(被雇用者)」間の権利について記したものではないため、「職業選択の自由という項目がありながら副業を禁止すること」は憲法違反にはならないのだとか。
日本語って難しいですね。

副業容認する会社の理由

一般的にはまだまだ副業を禁止している企業の方が多い傾向にありますが、昨今ではあえて副業を容認している会社もパラパラと出始めました。

副業を容認するような流れになってきたその背景には、「働き方改革」の影響も大きいとされています。

実は副業を容認、推進することで、会社側には余分な残業代をカットできるという隠れたメリットがあるというのです。
逆に言えば、働く側は新しく副業をはじめるよりも、残業をしていた方が経済的に安定していた、というパターンもあるということです。

そして以前は「終身雇用」といって、一度雇用した従業員は定年退職するまでその会社で面倒を見る(従業員とその家族の生活を会社が保証する)というのが当たり前でしたが、昨今ではその「終身雇用」という言葉の意味すら危うくなってきました。

会社側も従業員とその家族の生活を定年退職を迎えるその日まで面倒をみれるという保証ができるかどうか危ういような時代ですので、もし会社が倒産したり人員整理などで解雇をしなければならなくなった時などに従業員が自分で生活を立て直せるように、他の道も切り開いて生活をしていけるようにしておきたい、という目的もあるようです。

また、会社が副業を容認する理由には、「優秀な人材を流出(失うこと)せずになんとか自社に引き留めておきたいから」というものもあります。
優秀な人にはそれこそいろんなところからヘッドハンティングの話がバンバン来るでしょう。

そしてたいていそういうヘッドハンティングをしてくる会社は、今その人が働いている労働条件よりも良い条件を出してその人をなんとか引き抜こうとします。
そうなると、ほとんどの人が今よりもより良い条件で働ける会社に移ることを考えるのではないでしょうか。

そんな時に「副業禁止」となると、「それならここを辞めて(良い条件のところに)移ろう。」と考えます。
それでは「優秀な人材の流出」につながり、会社にとってはかなりの損害となってしまいますよね。

ところがもし副業を容認しているようであれば、優秀な人に辞められずにその人自身もよそから受けた依頼を副業としてこなすことができ、お互いが得をするわけです。
そういった理由もあり、副業を容認する会社も増えてきました。

こっそり副業やってもバレない方法は?

会社に黙って副業した場合は、住民税やマイナンバーなどから(マイナンバー制度を導入後は自治体が個人の収入を把握しやすくなったためです)ほぼ確実に副業をしていることがバレてしまいます。

中には「給与が手渡しなら副業をしていてもバレないよ」などと無責任なことを言う人もいますが、手渡しだろうが振り込みだろうが、給与が発生した時点で会社は自治体に誰にいくら給与を支払ったかを申請している為、手渡しだからバレない、というようなことは一切ないのです。

では、こっそり副業をしてもバレない方法は存在しないのでしょうか?

会社に副業がバレるのはたいていの場合住民税が多くなっていることからバレてしまいます。
というのも、もしあなたがA社(本業)とB社(副業)の2カ所から収入を得ていた場合は、給与が多い方の会社が住民税の支払いをしますが(たいていは給料から天引きで自動的に引かれています)、2カ所で得ている給与分の住民税の請求が給与が高い方(本業)の方に行ってしまうために住民税から副業がバレます。

この「お給料から自動的に住民税を天引き」することを「特別徴収」といいますが、この「特別徴収」を「普通徴収」に切り替えることで、会社に副業していることがバレなくなるのです。

「普通徴収」とは、自分で直接住民税を支払う方法です。
つまり、本業の方(会社)から支払われる給与は今まで通り給料から天引きの特別徴収にしておき、本業以外の場所から得る収入の住民税の請求が本業の会社に行かないように、副業で得る給与分のみ自分で直接支払うようにしておけばよい、ということ。

これをするには、市役所の住民課に行き「住民税増税通知が会社に行かないように副業分の住民税だけを普通徴収にしたい」と伝え必要書類に記入をするだけでOKです。
その際念のために役員に「副業をしていることを会社に知られたくない」ということを伝えておきましょう。

ただ、この方法でも確実に会社にバレないという保証はなく、副業で得た雑所得を稀に自治体が課税対処として認めないということがあり、結局本業側の給与から天引きの特別徴収扱いとなる、という可能性もあります。

この場合会社から「住民税が増額されているけれど?」と指摘をされることがあると思いますが、「個人的にふるさと納税をした」と言えばそれでおしまいです。

また特別徴収の変更通知などが会社に行き(基本的には親展で封がされています)それを会社側が勝手に開封して見てしまった場合などは会社に副業をしていることがバレてしまいます。
ただし、この「普通徴収」に切り替えることができる副業には不動産業、インターネットを通じての収入(アフィリエイトや執筆業などの雑所得)に限ります。

もしあなたがしている副業がインターネットを通じて得るような収入や不動産業でない場合(どこかに雇われて賃金を得るようなもの)は普通徴収への切り替えが原則できないことになっていますので注意が必要です。

もし絶対にバレない方法をと思うのであれば、自分で会社を立ち上げ副業で得たお金は全額をその会社の売り上げとして上げてしまうことぐらいしか方法はありません(その際個人としての給料は0円にしておきできるだけ経費を使い法人税の支払額をできるだけ少なく留める、ぐらいしかできることはありません)。

禁止の会社でも副業をやる方法とは

上記のように、「絶対に会社にバレずに副業をする方法」というのはもはや存在しません。

自分で会社を立ち上げて副業で得たお金をすべてその会社の売上げとしてあげてしまうというのは、手間もかかる上なんとなく架空会社を作り悪いことをしているような気にさえなってきてしまうのであまり現実的な方法とは言えませんね。

それに住民税の増額や確定申告などの深刻漏れなどからポロポロポロポロほころびが出てきてばれてしまうことがほとんとです。

ところが、さきほども触れたように、副業として選ぶ職種をフリーランス、執筆業、自分のブログなどに広告を貼りそこから収入を得るアフィリエイトなどを選べば、自分で直接住民税を納めるという「普通徴収」が選択できるため会社にバレる確率はかなり低くなります。

どうしても副業禁止の会社に在籍しながら副業をしたいという場合は、上記のような職種がおすすめです。
また手頃に副業にチャレンジしてみたいという人には、ネットなどで安く仕入れた商品などを転売するという「転売ビジネス」ならとっかかりやすいかもしれませんね。

せっかく副業で収入を得ても会社にバレて最悪クビにでもなってしまったらたまったもんじゃありません。
一度自分の副業が普通徴収に切り替えることができるのかどうか、役所に電話して確認してみてもいいかもしれませんね。

できるだけ会社にバレないように先回り、先回りで動きましょう。

 



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