最悪の事態にそなえる!就業不能保険の必要性についてまとめました!
大丈夫なの?生活とかも?
生活は保険でなんとかなるんじゃないですか?
こんにちは!
彩春館学園、マネー研究部(仮)部長の芹沢です。
突然ケガや病気で働けなくなったらどうやって生活すればいいのだろう・・・
このような不安を感じることはありませんか?
「病気やケガで働けなくなった場合は、保険でなんとかなる!」
と考えがちですが、今加入してる保険だけでは難しいかもしれません。
この記事に書いてあること
生命保険・医療保険だけでは生活をまかなえない
- 医療保険
- 病気やケガで入院や手術が必要になった場合に備えて入る保険
- 生命保険
- 医療保険、病気や事故等で命を落としてしまった場合に家族に支払われる保険
もし、病気やケガで長期の入院・治療が必要になった場合、医療保険や高額医療費制度を利用すれば、医療費に関する出費はそこまで高額にはなりません。
参考記事:なぜ日本人は保険料を払い続けるのか?医療保険の必要性について考えました
しかし、入院・治療している間の家族の生活費はどうなるのでしょうか?
- 住宅・車などのローンや家賃
- 公共料金(電気代・ガス代・水道代など)
- 保険料
- 食費
- 生活費
- お子さんがいる家庭では子供の教育費
など、月々支払うお金はどこから捻出すればよいのでしょうか?
生命保険文化センターが行った「世帯主が就労不能となった場合の生活資金に対する経済的備えに対する安心感・不安感」に関するアンケート結果は、
安心 | 不安 | 不明 | |
---|---|---|---|
共働き家庭 | 14.1% | 82.0% | 3.9% |
専業主婦家庭 | 19.8% | 76.6% | 3.6% |
参考:生命保険文化センター「平成27年度 生命保険に関する全国実態調査」
実に8割近い近い人が、本人・もしくは配偶者にもしものことがあったときの生活費について不安に感じていることがわかります。
そのような不安を払拭するために販売されているのが「就業不能保険」です。
就業不能保険(所得補償保険)とは?
「就業不能保険」は、病気やケガで、働けなくなったときに生活費をサポートしてくれる保険です。
掛け捨てではあるものの、月々の支払いが安く、治るまでずっと(指定した年齢まで)保証が続きます。
ライフネット生命(30歳男性)の場合
就業不能給付金額(毎月) | 月々の保険料 |
---|---|
10万円 | 1,451円 |
20万円 | 2,702円 |
30万円 | 3,953円 |
40万円 | 5,204円 |
50万円 | 6,455円 |
●2017.12に「就業不能保険 働く人への保険2」に加入した場合
●支払い対象期間:就業不能状態180日後から
●受取り方:ハーフタイプ(B型)
●保険期間:60歳まで
高度障害給付金も付いており、所定の高度障害状態となった場合、就業不能給付金(月額)の10倍の金額も受け取れます(毎月10万円受け取れるコースの人は100万円、毎月50万円受け取れるコースの人は500万円)。
ライフネット生命では、月額給付金額を10万円から5万円単位で50万円まで設定できますが、年収による上限があります。
年収が400万円~500万円で、設定できる月額給付金額は10~25万円です。
また、学生・年金生活者・年収100万円以下の人は申込ができません(主婦・主夫は、10万円コースのみ可能)
保険が支払われる条件が厳しい!
月々2,000円ほどで60歳まで保証が続くなら安心!と思ってしまいそうですが、保険がおりるにはかなり厳しい条件があります。
※保険期間(年齢)も選択できます
受取り方
ライフネット生命の場合、
- 標準タイプ(A型)
- ハーフタイプ(B型)
があり、ハーフタイプは就業不能状態になってから1年6カ月間(支払い対象外期間を含む)は給付金が半額しかもらえません。
支払い対象期間
就業不能状態となって180日以降、就業不能状態となった半年後からの給付となっている保険が多いです。
つまり、半年ほどで治った場合は保険対象外となります。
ライフネット生命には、支払い期間が60日以降からも選択できますが、その分月々の掛け金がグンッと上がります。
先ほどと同じく、2017.12現在30歳の男性が、60歳までの保証で「働く人への保険2」に入った場合、
就業不能給付金額 | 540日間半額給付 免責期間180日 | 全額給付 免責期間60日 |
---|---|---|
10万円 | 1,451円 | 2,390円 |
20万円 | 2,702円 | 4,580円 |
30万円 | 3,953円 | 6770円 |
40万円 | 5,204円 | 8,960円 |
50万円 | 6,455円 | 11,150円 |
それでも毎月20万円もらえるコースで、月々5,000円ほどですから、もしものときに備えたい!という方にはオススメのような気がしますよね。
就業不能保険の対象とならない疾患
180日(60日)間で社会復帰できるような病気やケガの場合に支払われないのはもちろん、病気やケガの内容によっては支払われない場合があります。
①医学的他覚所見が見られない場合は不可!
医学的他覚所見とは、理学的検査、神経学的検査、臨床検査、画像検査等により確認できる異常な所見のことで、「むちうち」や「腰痛」などは対象外となります。
②精神障害は不可!
「うつ病」なども対象外です。
③他の仕事が出来るのであれば就業不能状態ではない!
例:自宅マンションの階段で転落し、頚髄(けいずい)を損傷し体幹機能障害が残る。就業不能状態と認定され、就業不能給付金を受け取っていたが、その後デスクワークには支障ない程度に回復したとの医師の診断がなされた。外出の多い営業職は難しいが、事務的な仕事であれば働けるよう な場合は、もとの職業には戻れないが働けるので、就業不能状態にはあたらない。
参考:ライフネット生命
もちろんリストラされた場合も、就業不能状態にはなりません。
④本人死亡の場合は不可!
生命保険ではないので、支払い開始日までに亡くなった場合は支払われません。
つまり、病気やケガの治療に180日以上続くような、重い障害を負ったときでないと支払われることはないのです。
そう考えると、もしものときのために、免責期間は長くても入っていたほうが安心できる気もします。
就業不能保険・所得補償保険・収入保障保険の違い
- 就業不能保険
- 所得補償保険
- 収入保障保険
と似たような意味合いの名前でややこしいですよね。
先ほど紹介した、就業不能保険(生命保険会社が販売)・所得補償保険(損害保険会社が販売)は、病気やケガで仕事ができなくなった場合の収入を補う保険ですが、収入保障保険は加入者が死亡または高度障害になった場合に残された家族の生活費を補う保険なので、どちらかというと生命保険に近いものです。
会社員(サラリーマン)には手当金がある
会社員の方が入っている社会保険には、傷病手当金という制度があります。
健康保険傷病手当金
健康保険傷病手当金では、給与の約2/3の金額が、最長1年6ヵ月支給されます。
つまり計算上、年収420万円の30歳男性の場合、
- 健康保険傷病手当金:毎月約23万円が最長1年6カ月
- 就業不能保険(ライフネットで月々4,580円):毎月20万円が60歳まで
受け取れる計算になります。
この傷病手当金は手当をもらえる期間が短い分、うつ病などの精神疾患なども含まれます。
労災(労働者災害補償保険)
勤務中に起こったケガなどの場合は、労災(労働者災害補償保険)が使えます。
労災は、従業員を1人でも使用している事業所は加入する義務があるもので、労働基準法による労働者であれば、アルバイト、パート、日雇い労働者でも適用されるものです。
参考:厚生労働省「労災補償」
保険請求手続きも会社がしてくれますし、手厚い補償内容となっています。
- 治療費:全額補償
- 休業損害補償:平均賃金の80%補償
死亡時の一時金、遺族年金、傷病年金、障害年金なども含まれます。
勤務中の中には、通勤途中も含まれているので、通勤途中で起きた事故に対しても労災保険の適用となるのですが、労災を使うと企業が支払っている労災保険の負担料が上がるので、会社によってはそのことを教えてくれない、もしくは労災と認めたくない。という会社もあるようです。
しかし、故意に労働者死傷病報告を提出しないと「労災かくし」となり企業が罰せられます。
自営業・国民保険の人は手当金がもらえない?
先ほど紹介した、
- 健康保険傷病手当金
- 労災(労働者災害補償保険)
は、自営業の人(国民保険・労働者雇っていない個人事業主など)は対象外です。
ただ、個人事業主の方でも、小売業であれば商工会、一人親方であればけんろうなどに入られている方も多いと思います。
商工会共済やけんろう共済などに加入すれば、上記ほどではないにしろ民間保険会社よりは手厚い補償を受けられる制度があります。
しかし、入院費や治療代は共済なんとかなっても、仕事が出来ない分残された家族の生活はどうなるのか心配。という方も多いのではないでしょうか?
結局、就業不能保険は必要なのか?
家族を持っている方はとくに、病気やケガで働けない間、残した家族の生活が心配ですよね。
会社員の場合、仕事中のケガや仕事が原因の病気であれば労災で収入の8割ほどは補償されますが、仕事に関係ない病気・ケガの場合、健康保険傷病手当金(最長1年6カ月収入の6割ほど補償)だけだと不安だという方も多いでしょう。
個人事業主の方の不安はもっと大きいのではないでしょうか?
しかし、だからといって就業保険に入れば安心。ということもありません。
月々6,770円支払って、毎月30万円受け取れるコース(ライフネット生命「就業不能保険 働く人への保険2」)に入ったとしても、
- 最初の約2カ月(60日)は対象外
- 精神障害などは保険適用外
- 元の仕事に戻れなくても何かしら働ける状態になった適用外
- 亡くなった場合は適用外
- 保険料は掛け捨て
などを考えると、はたして本当にこの保険は必要なのかどうか疑問が残ります。
個人事業主の方でも団体に所属している場合は、商工会の休業補償制度・業務災害保険(民間の損害保険会社から選択、一般で入るより格安)や、けんろうの休業補償共済金・一人親方労災を利用したほうが、補償も手厚く月々の掛け金も少なくてすむことが多いです。
まとめ
保険は、「もしも」のときに備えるものです。
ただ、就業保険を受け取ることになる可能性、その「もしも」の確率の低さを認識した上で、それでも不安を解消したい方にはよいサービスかもしれません。
保険を検討するのであれば自分のライフスタイルに合ったものを選ぶようにしましょう。
保険のプロに無料で相談できるサービスもあるので、それらを利用してみるのがいいでしょう。
就業不能保険だけでなく、今払ってる保険料が月々1万円安くなったりと、プロに相談するメリットは結構あるみたいですよ。
以上です。
卒業してもしばらく働かなくていいんですね!