これだけ読めば完璧!葬儀費用を抑えつつ故人・家族が喜ぶ葬式を叶える方法

大切な人への最後のお別れであり、プレゼントでもあるお葬式。
あなたはどんなお葬式が理想ですか?

できるだけお金をかけないお葬式、豪華なお葬式、和気あいあいとしたお葬式、故人の人となりによっても様々かと思います。
現在は、費用を抑えたシンプルなお葬式が人気を集めているようですね。

しかし、そうしたお葬式を選択したがばかりに、イメージとはかけはなれた安っぽくずさんなお別れになるといったケースも増えているようです。
本音を言えば「お葬式にかける費用は抑えたいけれども、家族や故人が良い葬式だった」と思えるものにしたいところですよね。

ここでは、そんな無理難題に思える「費用を抑えながらも満足できるお葬式」を叶える節約術や、そのために抑えておきたい葬儀費用の基礎をご紹介します。
葬儀費用にまつわるすべてをまとめましたので、

「喪主の立場になるのが初めて」

「自分の葬儀や家族の葬儀について考えたい」

という方はぜひ参考にしてください。

お葬式の種類について

葬儀の種類は大きく次の4タイプに分類されています。

1.一般葬
通夜・葬儀・告別式のお葬式で、会社関係や近所の方、故人の知り合いや友人など広範囲からゲストが参列するタイプ
2.家族葬
通夜・葬儀・告別式のお葬式で、参列者は親族や親しい近親者のみ
3.1日葬
通夜がなく告別式だけのお葬式で1日のみ
4.直葬
通夜・告別式などの宗教儀式のない火葬場でのお別れ

「お葬式に関する全国調査結果発表 第3回」の、葬儀の種類についてのアンケートでは、一般葬53%、家族葬38%、直葬・火葬式5%、1日葬4%となっています。
【参考】https://www.e-sogi.com/research/2017/

半分以上の方が一般葬を選ばれる一方、葬式費用が抑えられてゆっくりとお別れができる家族葬を選ぶ方は年々増えている状況です。
家族葬が主流になる日も近いかも知れませんね。

葬儀費用の内訳:避けては通れない「3大葬式費用」

お葬式にかかる費用を正しく見極めるためにも、無駄のない予算を検討するためにも葬儀費用の内約を理解することが大切です。
ここでは、一般葬・家族葬・1日葬で必要な3大葬式費用について分かりやすく解説します。

葬儀一式費用

全体費用の5~6割を占めます。
祭壇、棺、寝台車、式場設備など、葬儀を執り行うために欠かせないものが含まれています。
葬儀会社によって湯潅・後飾り祭壇・ドライアイスなどをオプションで付ける場合もあれば、元から含まれているケースもあるのでしっかりと詳細を確認したいところです。
一般的に「葬儀プラン」と呼ばれています。

飲食接待費用

総費用の2~3割を占めます。
通夜、告別式の後にふるまう接待料理と、返礼品の費用を差します。
参加人数が多くなるほどに費用がかさむので、予定しているゲストの人数によって大きく変化してくるでしょう。
通夜式後の「通夜ぶるまい」と、火葬後の「精進落とし」の参加人数×4,000円で大よその予算を見越せます。
葬儀会社に手配を頼むか、ご自身で手配するかのいずれかとなります。

寺院費用

告別式や御通夜での読経や戒名授与、お車代など、お付き合いのある寺院のご僧侶をお呼びした際のお礼金です。
葬儀会社から寺院費用は請求されず、直接お付き合いのある宗教者へお渡しする必要があります。

宗教によって費用や呼び名が異なり神道であればこうしたお礼金は「御礼」「御供」「御祈祷料」「玉ぐし料」などと呼ばれます。
キリスト教であれば、「献金」「ミサ御礼」と呼ばれ、お渡しする時には「御礼」とするのが一般的です。

宗教の種類や宗教者によっても考え方が違うため、何か分からないことがあえば葬儀社の担当者に聞きましょう。

費用を抑えるなら○○費用に注目!

葬儀一式費用は葬儀を執り行う上で必要となる道具一式なので、あまり予算を削れません。
予算を抑えるのであれば、飲食接待費用と宗教者への支払いを見直してみましょう。

たとえば、あまり宗教にこだわりがないのであれば僧侶派遣や寺院紹介のサービスを利用しても良いでしょう。
宗教者を一律の金額で派遣してくれます。

ただお付き合いのあるお寺がある場合は、事前に許可を得ないとトラブルになる可能性があります。
飲食接待費用と宗教者に関わる具体的な節約術については追ってご紹介します。

葬儀費用の平均・相場について

全国の葬儀費用の平均・相場

後悔しない葬儀にするためにも、おおよその葬儀費用の平均についてご紹介しましょう。
日本消費者協会第11回「葬儀についてのアンケート調査」によると、2017年の葬儀費用の平均は195.7万円とのことです。

葬儀費用一式飲食接待費寺院費用葬儀費用の合計
全国121.4万円30.6万円47.3万円195.7万円
関東A※1140万円50.3万円54.2万円238万円
関東B※2110万円32.7万円50.2万円186万円

※1)関東A:茨城県・栃木県・群馬県・千葉県
※2)関東B:東京都・神奈川県・埼玉県

【参考】財団法人日本消費者協会第11回「葬儀についてのアンケート調査」平成29年1月より

葬儀の種類による費用相場・平均

葬儀の種類によっても平均相場が変わってきます。

葬儀の種類全国平均もっとも多い価格帯
一般葬1,459,091円100万円以上~120万円未満
家族葬911,544円80万円以上~100万円未満
一日葬639,773円40万円以上~60万円未満
直葬20万円以上~40万円未満

【参考】https://www.e-sogi.com/okonau/hiyo.html

ここでご紹介している葬式費用の相場・平均は、少額なものから高額なタイプのお葬式まですべてを入れて算出されたものです。
そのため、葬儀見積もりの費用をそのまま平均と照らし合わせることはおすすめしません。
参考程度に留めておいてくださいね。

話題の家族葬・葬儀費用について

家族葬とは?

ご近所やお仕事関係の方は呼ばずに、親族や故人の親しい友人のみが参列するスタイルです。
参列者の範囲は一般的には直系の家族、故人の子どもの家族、故人の配偶者の家族、故人の兄弟までが妥当だと言われていますが、決まりはありません。
故人の親しかった方や友人などに来てもらっても良いでしょう。

お葬式の流れは一般葬と変わりません。
ただ人数が11~20人規模となるため飲食接待費用を大幅にコストダウンすることが可能です。
(50名を超えるようであれば一般葬を検討しましょう)

家族葬にかかる費用の目安

葬儀一式費用として30万円~50万円くらいが目安です。
他の費用なども併せると100万円前後になるケースが多いようです。

家族葬の注意点

お葬式に出席していない友人や会社関係の知人が、葬儀から何日かして弔問に訪れることも多々あります。

故人の人脈にもよりますが「こんなにたくさん訪問者が来るんだったら、最初から一般葬儀にしておけば良かった」と後悔される方も少なくありません。
また、家族葬は時代の流れとともに主流になりつつある葬式スタイルなので、地域や家族の風習を重んじる親族の中には、「お世話になった近所の人や会社の人も招かず、身内だけで葬儀を終えるなんて」と、家族葬を行うことに反感を持つ方がいる可能性があります。

家族葬にする際には費用も大切ですが、親族との折り合いや、故人の人柄・希望・人脈なども考えて判断しましょう。

葬儀費用の負担は誰がするものなのか?

葬儀の費用についてご紹介してきましたが、「肝心の葬儀費用は誰が負担するべきなのか」気になりませんか?
昔であれば相続分の多い長男(昭和22年に廃止された家督相続)が喪主となるのが一般的でしたが、現在では長男だけ特別扱いということも少なく、納得できないと考える方もいることでしょう。

葬儀費用の負担を誰がするといった決まりはなく家督相続という風習も過去のものなので、複数で喪主を務めることも可能です。
一般的には血縁のもっとも近い者(配偶者・長男・次男以降直系の男子・長女・長女以降直系の女子と言った順番)が負担するケースが多いです。

ただし、生前に遺言などで葬儀費用の負担についての合意がある場合は、「葬儀費用は相続分の多い長男が負担する」「相続人全員が各自の相続分に応じて負担する」と言ったように取り決めに応じて葬儀費用の負担が決まります。

葬儀費用の節約1:葬儀費用を相続財産から支払う

葬儀費用を相続財産から差し引きできれば、負担が減るだけでなく、相続税対策にもなりますし、正直助かりますよね。

相続財産から葬儀費用を捻出することは可能です。
ただ、差し引ける対象範囲が決まっています。

相続財産から差し引けるもの

  • 死体の捜索、または死体や遺骨の運送費用
  • 遺体や遺骨の回送にかかった費用
  • 葬式や葬送にかかった費用
  • 火葬や埋葬、納骨にかかった費用
  • お通夜など葬式の前後に欠かせないものにかかった費用(必要最低限の部分だけ)
  • 宗教者へのお礼などにかかった費用

相続財産から差し引けないもの

  • 香典返しにかかった費用
  • 墓石や墓地の購入費用、墓地を借りる費用
  • 初七日や四十九日法要などにかかった費用

相続放棄でも葬儀費用を相続から差し引きできる?

通常、相続財産に手を触れてしまうと、単純承認をしたものとみなされて相続放棄が認められなくなってしまいます。

ただし、「相続放棄をしたい」といったケースでも葬儀費用だけ相続財産(預金など)から差し引きすることは可能です。

「身分相応の、当然営まれるべき程度の葬式費用」に充てられた場合には、単純承認には当てはまらないと定められています。
その内容は上記でご紹介した範囲と同じです。

ただ、誤って相応以上の費用を充ててしまうと、相続を受け入れたと判断される可能性もあります。
相続手続きを得意とする弁護士に相談した上で、葬儀費用にどこまで充ててもよいものなのかを確認すると安心です。

葬儀費用の節約2:国の援助制度を活用

国の援助制度を活用すれば数万円の援助金を受け取ることができます。
申請期間は死亡日から2年間で、申請しない限り援助金は下りません。
できるだけ早めに対処すると良いでしょう。

故人が国民健康保険、または後期高齢者医療制度に加盟していた場合

「葬祭費」として3~7万円(自治体によって異なる)

申請場所

市区町村役場の市民課や保険課などの健康保健を扱う窓口へ申請しましょう。

故人が社会保険に加入していた場合

一律5万円

申請場所

個人の勤務先を管轄する社会保険事務所へ申請します。
ほとんどは故人の勤めていた会社で手続きを進めるため、まずは故人の勤務先に連絡をしましょう。

故人が生活保護受給者の場合

175,000円の範囲内でかかった費用(自治体によって異なる)

※ただし、「残された家族(喪主)自身が生活保護受給者で葬儀費用を捻出できない場合」もしくは、「生活保護を受けている方が亡くなり、遺族以外の方が葬儀を行うことになった場合」に限る

申請場所

生活保護担当者へ連絡を行い、詳細について聞きましょう。

葬儀費用の節約3:終身保険・葬儀保険の活用

終身保険とは

その名の通り、一生涯保障が続く生命保険です。
支払った金額よりも死亡保険金受取額が大きいことから葬儀関連費用を準備するためによく活用されます。

例)30歳男性 保険金:300万 保険料払込:60歳まで
保険料:月々5,907円×30年×12カ月=2,126,520円

この例では87万円多く受け取れることになります。
お金に余裕があるのであれば、早めに準備を進めるほど有利ということですね。

葬儀保険とは

「葬儀費用のための保険金」です。
通常の生命保険で必要な健康告知がなく、告知があったとしても簡単なので持病のある方や70、80歳の方でも入りやすい特徴を持ちます。

気を付けたいのは、掛け捨ての保険なので、長期間加入していると元本割れのリスクがあるということ。
加入前に十分なシミュレーションを行いましょう。
若い方よりも高齢の方で通常の保険に入るのが難しい場合におすすめです。

葬儀費用の節約4:飲食接待費用と宗教者への支払いを見直す

たとえば、参列者の少ない家族葬であれば、会食や返礼品などの飲食接待費用を抑えられます。
宗教者への支払についても見直してみましょう。

「第11回『葬儀についてのアンケート調査』報告書|日本消費者協会(2017年)」によれば寺院費用(お布施代)の平均費用は47.3万円ですが、お坊さん便などの僧侶手配サービスを利用すれば火葬式5.5万円、1日葬8.5万円、家族葬16万円という格安価格でお布施をしてもらうことができます。

【参考】http://www.jili.or.jp/lifeplan/houseeconomy/succession/2.html

ただ、すでに菩提寺(お付き合いのあるお寺)がある場合は、後にトラブルになる可能性が高いため、あくまでお寺とのお付き合いがない方向けです。

葬儀費用の節約5:市民葬や区民葬を利用する

自治体の制度に「市民葬」や「区民葬」という制度があります。
自治体が認めている葬儀会社を使用するため、法外な追加費用がかかる心配はなく、一部の物品・サービスを定額で利用できます。
ただし、祭壇や棺や霊柩車などは仕様が決められていてかなり質素なものです。

各自治体によってプランの内容や金額が違うため、一般の葬儀会社も含めて慎重に検討していきましょう。
「市民葬」や「区民葬」を活用しても追加オプションを加えることで割高になることもあります。

葬儀費用の節約6:業者選びが大切

葬儀会社によって、値段や基本プランはまったく違います。
何となく・誰かの紹介だからと言った理由で葬儀会社を決めてしまうと後で「これはぼったくりじゃないの?」「イメージしていた葬儀じゃない」なんてことになりかねません。
残念なことに「飲食接待費用」についてあえて触れずに、安く見せかける葬儀会社もあるくらいなんです。

ここでは信頼できる葬儀会社の選び方をご紹介します。

費用や希望を叶えてくれる

予算やこうしたお葬式にしたいと言ったイメージに応じてくれ、費用について丁寧に教えてくれる、質問に対して真摯に答えてくれる会社だと安心です。

打ち合わせは親族や第3者を含めて行う

大切な人を無くした悲しみに暮れる間もなく、葬儀準備を進めていく必要があります。
冷静な判断が難しかったり、話を上手く呑み込めなかったりといったこともあるので、第3者や親族を含めて業者と打ち合わせをし、複数業者を比較検討していきましょう。

参列者の人数によって増減する項目

参列者の人数が予想を超えてしまうと、食事などの追加オーダーが必要です。
見積もりと請求金額に大きな差を出さないためにも、故人の友好関係を把握し上手に案内を行う必要があります。

最近では参列者の少ない家族葬が人気ですが、案内不足で多くの方が来てしまい対応に追われたり食事の追加料金が発生したりといった例もあります。
家族葬よりも一般葬の方が向くケースもあるので、葬儀会社と打ち合わせを重ねましょう。

こういった変動要素は予算を上回る大きな原因になるので、丁寧に説明してくれる業者だと良いですね。

まとめ

お葬式の平均・相場金額と、人気の家族葬とその費用、実際に葬儀費用を抑えるための6つのポイントをご紹介しました。

葬儀会社によって基本プランに含まれる内容と価格設定が違うため、

  • どんなお葬式をしたいのか
  • プランの値段が安い場合はどんな内容が含まれていて、何が含まれていないのか
  • 理想とするお葬式に対する予算と品質(含まれている内容)、担当者の対応などの折り合いはよいのか

などを確認することが大切です。

今回ご紹介した節約術の中でも、国の制度や相続財産を一部使用するといった方法はあまり知られていないので賢く活用したいですね。
費用を抑えつつ、故人も家族も喜ぶ素敵なお葬式を叶えられますように。

 



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