インデックス投資のデメリットやタイミングについて

全世界で最も使われている投資方法とも言われている「インデックス投資」についてまとめました。

インデックス投資とは?

インデックス投資とは「ある指数と連動した値動きをする運用を行う投資」を指し、パッシブ運用ともいわれています。

例えば、「日経平均株価やNYダウ指数に連動するように運用を行うこと」などがそれにあたります。
一方で、これらの「指数を上回るように運用する方法」をアクティブ投資といいます。

日本ではアクティブ投資が比較的多いですが、アメリカやヨーロッパでは圧倒的にインデックス投資が主流になっています。

インデックス投資は「指数連動」を目指して運用を行いますので、相場の波に対して純粋についていく傾向があり、相場の下落場面では下げて、上昇場面では上げるといういたってシンプルな運用です。

運用資産についての構成比率は、「対象となる指数を構成する資産比率」をまねている点が特徴です。

インデックス投資のコストは?

指数連動を目指すインデックス投資は、運用のコストが安いのが特徴です。

通常株式等の投資を行う際には、「どの銘柄が上がるのか?」を考えて投資をすると思いますが、インデックス投資の場合は「指数の比率がどうなのか?」が重要となり、運用者の主観が入らない客観的な資産配分を行うことができます。
従って銘柄選別に伴う人件費や調査料などがさほど掛からなくなりますので、必然的に運用コストが安くなります。

例えばアクティブファンドの場合、運用において掛かるコストの「信託報酬」は、日本株ファンドですと年平均1.5%ほどですが、インデックスファンドであれば年平均0.6%ほどに抑えられます。
併せて買付時に掛かる購入手数料ですが、アクティブファンドであればおおよそ3%掛かりますが、インデックスファンドでは1%ないし手数料無料の場合が多いため、圧倒的なコストの安さを感じることができるでしょう。

アクティブ投資との比較

シンプルさとコストの安さがインデックス投資のメリットですが、改めてアクティブ投資とインデックス投資との比較をしてみましょう。

コスト

コスト面だけで考えれば圧倒的にインデックス投資の方がコストを安くできます。
アクティブ投資の場合、運用を指図するファンドマネージャーが運用資産に応じて報酬を取り、市場のインデックス以上の運用成績を目指して運用を行うために調査や売買を行うので、その分のコスト増が避けられません。

もちろんコスト以上のパフォーマンスを出しているのであれば問題ありませんが、全てのアクティブファンドが素晴らしい成績であるとは一概に言えません。
その意味ではインデックス投資の方がファンドマネージャーの運用成績の善し悪しに左右されることは少ないと言えますので、コスト面での優位性を保てるでしょう。

投資目標

インデックス投資とアクティブ投資では投資目標が根本的に違います。
インデックス投資はあくまでも「市場指数に連動するパフォーマンスを目指す投資」であり、アクティブ投資は「市場指数を上回るパフォーマンスを目指す投資」です。

従って、同様の投資対象の場合、パフォーマンスのばらつきが出るのがアクティブ投資であり、ばらつきが少ないのがインデックス投資です。
運用のリターンを求めたい方にはアクティブ投資がオススメですが、相場の平均を取りに行きたい方にはインデックス投資が向いていると言えます。

相場の変動時

運用において排除しきれない部分が「下落リスク」です。

いくら順調に運用できていたとしても、リーマンショックなどの危機的なショックが起きた場合には、インデックス投資は大きく影響を受けてしまう可能性があります。
ショック時には指数が大きく動いてしまう恐れがあるため、指数連動を元に運用しているインデックス投資はその下落分を直に受けることになります。

一方でアクティブ投資の場合、運用成績が思ったほど下がらない可能性があります。
これは優秀なファンドマネージャーである場合、下落を予知して運用資産を利益出した上で現金ポジションを作っていたり、下落に強い資産を組み入れたりといった対策を講じている可能性があるからです。

一概に強いとは言えませんが、アクティブファンドの過去の運用成績を見比べることで、相場下落の際に強いファンドを見つけることができるでしょう。
この点はインデックス投資ではできないリスクヘッジの方法であると言えます。

インデックス投資のデメリットは?

インデックス投資のデメリットについて確認しましょう。

リターンはそこそこ止まり

コストが安いインデックス投資ですが、市場の動きについていく運用のため、パフォーマンスは「市場指数同等」に収まることが一般的です。
予め決めた運用対象が大きく上がれば同様に値上がりしますし、下落すれば同等に下落することが想定されるため、期待以上のパフォーマンスを期待する方には向かない投資方法でしょう。

機関投資家の餌食になりうる

インデックス投資は予め「運用方法」を公表した上で投資をしているようなものなので、「運用手口」が丸わかりになります。
すると機関投資家を中心に、逆の取引を行うことでパフォーマンスの悪化を企ててきます。
あくまでもインデックス投資は「何をどれくらい買う」ということがわかっているため、ヘッジファンドからしたら格好の餌食となってしまう可能性があります。

但しヘッジファンドの運用資産に比べれば、インデックスファンドの純資産は多大な大きさであるため、大きく影響をおよぼすことは考えにくいのが現実です。

投資をしたくないものにも投資することになる可能性

インデックス投資は指数を参考に商品に投資しますので、時には「投資をしたくない投資対象」までも不可抗力的に投資せざるを得ない場合があります。

例えば、「〇〇の会社が嫌い」であったり、「為替の影響を受けたくない」と思っていたとしても、購入するインデックスファンドがこれらの要因を受ける投資対象を含んでいた場合には、思いとは裏腹な投資効果を感じることになるでしょう。
そういった意味でインデックス投資は「融通が利かない投資方法」と言っても過言ではありません。

インデックス投資のタイミングは意識すべきか?

インデックス投資のメリット・デメリットについて解説してきましたが、インデックス投資を行う際のタイミングはあるのでしょうか。

実際インデックス投資を行っている方の大半は、一括で投資をするのではなく、毎月積み立てて買い付けしている方が多いのが特徴です。
相場状況に応じてインデックス参照の指数は変動するため、価格の変動は結構起きてしまいます。
そうなると、安い時を見つけて投資し、高い時に売却することができれば一番良いのですが、ベストタイミングで売り買いをすることはプロでも難しいのが現実です。

一方毎月積み立てる方法を取れば安い時に多く買い、高い時に少なく買うという投資をずっと続けてくれますので、トータルの買付コストを値動きの平均に収めることが可能となります。
従って、比較的若い方などには毎月の給料から一定金額をインデックスファンドで運用していく方法を取った方がいいでしょう。

インデックス投資の資産配分はどうすべき?

インデックス投資を行う際に、どのように資産配分をしたらよいのでしょうか。

それは「皆さんの運用方針」によります。
例えば投資にとても積極的であれば、高いリターンが取れる国内株式や外国株式への比率を高めることで期待リターンへ近付けることができますし、一方で低リスクに収めたい方は、国債などを運用している国内債券や外国債券への比率を高めていくことで見合ったリターンを目指すことができます。

実際1990年ごろから約20年運用した場合、国内株式だけの投資は元本を割れてしまう運用成績になってしまいますが、バランスを取って国内株式・国内債券・外国株式・外国債券をそれぞれ25%ずつ投資をしていた場合、資産が4倍以上に膨らむという成績を残しています。
最終的には自身のスタイル次第となりますが、リスクに応じた運用比率を行い、「同じカゴに卵を盛り過ぎない」ようにした方が良いでしょう。

インデックス投資の利回りと商品の選び方

いざインデックス投資を行う際に参考となるのが「利回り」です。

利回りは、対象の投資対象によって異なります。
国内株式の場合、年平均で2~4%ほどのリターンが想定されます。
株式が大きく値上がりをした場合には相応のリターンが見込めますが、下落した場合はそれ相応となってしまいます。
そのリスクを理解した上で商品を選んでいきましょう。
また投資する商品の選び方ですが、基本は「純資産の多く、資金流入している」対象を選びましょう。

インデックスファンドの場合、参照の指数が同じであれば基本的に運用リターンは変わりません。
その際に運用資産が少なかったりするとファンドが運用維持できなくなる可能性もありますので、出来る限り純資産の多いファンドを選びましょう。

また、参考にする指数によっては同じ投資対象であってもパフォーマンスが異なる場合があります。
投資をしたい対象の指数を比べた上で投資をしていきましょう。

まとめ

インデックス投資はシンプルに運用を行うことが出来る低コスト投資です。
これから運用を考えている若い方や、コストに厳しい方は是非ともインデックス投資をおすすめします。

 



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