なぜ日本人は保険料を払い続けるのか?医療保険の必要性について考えました
ねえ!?
大金が必要ですよ!
このように病気になったときは、大金が必要だからという漠然とした不安から医療保険に加入する人が多いのです。
この記事に書いてあること
日本国民の7割以上が加入してる医療保険とは
医療保険とは、病気や怪我などににより発生した医療費の一部または全額を、保険会社から給付できる保険のことです。
病気や怪我でいざ入院するとなると、医療費、食事代、さらには働けない期間の生活費も必要となりますからね。
参考:生命保険文化センター(平成25年)「生活保障に関する調査」
日本は世界有数の保険大国といわれており、(公財)生命保険文化センター「平成25年度 生活保障に関する調査」の「疾病入院給付金の支払われる生命保険加入率」によると、日本国民の74%の人が医療保険に加入してる結果になっています。
日本人は医療保険料を、毎月いくらくらい払ってるのでしょうか?
参考:生命保険文化センター(平成28年)「生活保障に関する調査」
年収や年齢によって変化しますが、男性は月に1万円から2万円未満が最も多く女性は1万円未満が多いようです。
そして入院給付金は、1日あたり5千円~1万円が最も多いようですね。
10年間で100日入院しないと元がとれない
ここで考えてみましょう。
例えば、医療保険に加入して毎月1万円払うと年間で12万円ですね。
同じ金額で払い続けるとすると、10年で120万円です。
もし入院給付金が「日額1万円」、手術給付金が20万円だとしたらどうなるでしょう?
『1万×100日+20万=120万円』
これは100日入院しないと元がとれないということになります。
これなら貯金を切り崩すほうが、経済的な損失が少ないというわけなのです!
そもそも、100日入院することなんてありえるのでしょうか?
平成26年9月1日~30日に退院した人を対象としたデータでは、病気や事故での入院は平均で31.9日。
下記は、具体的な病名別の平均入院日数を抜粋したものです。
- 糖尿病:35.5日
- 高血圧性疾患:60.5日
- 肺炎:29.7日
- 糖尿病:35.5日
- 高脂血症:29.4日
また近年、入院日数は短縮化されてる傾向です。
1,医療技術や薬が進化
2,長期の入院は診療報酬が下げられる仕組み
3,医師や看護師が足りない
このようなことから、100日以上入院することはまれであり、医療保険不要論者が増えてきているのです。
高額医療費制度があるので、医療費が高くなりすぎることはない
健康保険証を窓口で出すことで、私達は病院にかかっても医療費の3割しか負担する必要はありません。
これが健康保険制度です。
これだけでも医療費はかなり抑えることができるのですが、さらに我々にとって心強い高額医療費制度というものがあるのをご存知でしょうか?
この制度は、病気や事故で1ヶ月の医療費が高額になった場合、一定額を超えた部分が戻ってくる制度なのです。
健康保険に入ってれば誰でも利用できる制度ですが、保険外の負担分は対象となりません。
また、差額ベッド代、食事代も含まれないので注意しましょう。
「差額ベッド代」とは、希望して個室等に入院された場合、基本的に1~4人部屋に入室されたときにかかる費用で、正式には「特別療養環境室料」といいます。
引用:入院にかかる費用「差額ベッド代」って何ですか?|住友生命
こちらは、70歳未満の高額療養費制度の区分です。
収入ごとに、計算式が異なり5つの区分で分けられてます。
では、例えば区分ウの場合だとどうなるのでしょうか?
『80,100円+(100万円-267,000円)×1%=87,430円』
つまり、1ヶ月の入院で100万円の医療費が発生しても、実際の負担額は9万円ほどで済むという話です!
もし働けなくなっても給与保障してくれるのが傷病手当金
傷病手当金とは仕事をできなくなったときに、健康保険から受けられる保障のことです。
傷病手当金の支給は、会社を休んだ日が連続して3日間あると認められ、4日目以降から給料の3分の2に相当する金額が最長1年6ヵ月支給される制度です。
入院だけでなく「自宅療養」の場合も、給付の対象です。
但し、自営業の方が加入する国民健康保険には、傷病手当金制度がありません。
医療費に回せるお金が100万あるなら保険は必要ない
入院給付金が日額1万円で、1回の入院で支払限度日数が60日型の医療保険の場合、もらえる給付金は最大でも60万円です。
これに、手術給付金のMAX40万円をプラスしても100万円。
医療費に回せる貯蓄が100万円あるのであれば、医療保険に入る必要はないと言ってもいいでしょう。
しかし一方で、貯金を崩したくないという人間心理があります。
行動経済学では、10万円を得られた時の喜ぶ感情と、反対に10万円を失う悲しい感情では後者のほうが2倍以上大きいとされてるのです。
貯蓄が300万円と3,000万円の人では、さらに差が大きくなります。
実は医療保険が適用される条件が狭い!?
「医療保険に入ってるから安心!」
こんな風に考えてないでしょうか?
しかし加入したことで安心してしまい、どんな状態であれば給付金が受け取れるのか確認してない人が多いのです。
例えば、下記のようなケースでは給付金が受け取れない保険が多いのをご存知でしょうか?
- 契約前から患っていた病で入院
- 入院日数が連続して2日を満たしていない
- 通院治療が可能なのに入院した
- 支払い限度日数を超えている
またプランによっては、腕や足の切断術は対象だが、手足の指は対象外などという細かい決まりがあったりします。
それでも医療保険が必要ないとは言えない
保険は年齢を重ねると加入できなくなる可能性があるので、現状の収入や状況だけで判断することもできません。
医療保険は加入に際して診査があります。
この際、高齢者、健康状態の悪い人、危険性が高い職業に就いてる人など、保険会社が保険金を支払う可能性が高くなるような人は、加入することが難しくなるのです。
また、今のままの社会保障が続くとは限りません。
前述したような従来の健康保険制度や高額療養制度がいつまで続くかはわからないのです。
もし破綻したり、医療費の引き上げがあると自己負担が大きくなります。
少なくとも現在、貯蓄があまりできてないような人は保険に加入しておいたほうがいいかもしれませんね。
以上です。
保険は大敗を防ぐものだから。