軽自動車の維持費の安さを完全解説

財団法人自動車検査登録情報協会の2016年3月末の情報によると、全国の家庭や企業が保有する自動車(二輪車やトラック、バスを含む)の台数はで約8,100万台です。
うち軽自動車は全体の約4割弱、3,000万台と大きなウェイトを占めています。

軽自動車には多くの魅力がありますが、特に維持費の安さに焦点をあて、

  • 軽自動車の平均的な維持費
  • 普通乗用車のコンパクトカーとの維持費比較

について解説します。

また安い維持費をさらに徹底的に安くするノウハウについても紹介しますね。

軽自動車が購入される理由と魅力

軽自動車の世帯普及率は2015年12月末現在で全国平均で54%です。
しかし、主に東京、大阪、愛知などの大都市圏ではない地方では世帯普及率が100%をこえ、各家庭に1台ある県が6県、70%をこえる県が20県もあります。

それ程利用されている軽自動車の魅力は、日本自動車工業会のデータによると軽自動車を選ぶ理由の約6割が経済性、残りの約4割が運転のしやすいという使用面です。
経済性の理由としては「税金が安い」が79%と最も多く、「燃費が良い(59%)」「車検費用が安い(36%)」「車両価格が安い(34%)」「保険が安い(19%)」と続きます(複数回答)

軽自動車の年間の維持費

軽自動車の維持費は年間でいくらくらいかかるのでしょうか?

軽自動車の種類には大きく分けて乗用と貨物用、および特殊用途用があり、さらに、人や荷物を有償に運ぶために軽自動車を利用する事業用に区分されます。

一般的な買い物や通勤に使う利用方法は自家用、特殊用途に使われる軽自動車には冷蔵車両、冷凍車両、福祉車両などがあり、区分の違いで税金が変わるので、ここでは、最も多く一般的な使われ方の乗用車タイプ(乗用・自家用)で計算しました。

さらに維持費を、

  1. 税金
  2. 保険料
  3. 車検費用
  4. その他の費用

に分けてみていきます。

維持費の金額は、軽自動車の乗り方(走行距離)や任意保険への加入条件(運転者の年齢や家族限定など)、および駐車場の有無などによって大きく増減します。
ここでは軽自動車の平均的な使われ方を維持費計算の条件として明確にしますので、これにより利用条件が異ななる場合は、その条件を自分の利用条件に変更することで維持費がいくらになるか計算しやすいと思いますよ。

1.税金

自動車税:10,800円

乗用・自家用タイプの場合の自動車税です。
貨物用や乗用の事業用では税額が変わります。

自動車重量税:3,300円

  • エコカーでない車種は6,600円/2年
  • エコカー対象車は5,000円/2年

です。
車種によってはさらにエコカー減額の対象になって税金が安くなります。

2.保険料

自賠責保険料:12,535円

2年ごとの車検時に25,070円を納付します。
ただし沖縄県、離島を除く金額です。
沖縄県は約半額、離島は約3分の1の金額です。

任意保険料:25,000円

加入条件や保険会社によっても保険料が変わります。
特に年齢条件や等級によって大きく保険料が大きく変化するため、以下の条件と異なるときは見積もりサイトなどを利用して条件に合った保険料の確認が必要です。

任意保険料の見積もり条件
  • 対人・対物補償無制限
  • 搭乗者補償1,000万円
  • 人身傷害補償3,000万円
  • 車両保険なし
  • 等級10等級
  • 契約者年齢35歳
  • 運転者限定家族のみ(35歳以上)
  • ゴールド免許
  • 年間走行距離6,000キロから7,000キロ

3.車検費用

車検費用は、法定費用と車検を行う業者の点検・整備・交換部品費、および車検代行手数料の2つに分かれます。

法定費用:550円

車検費用としての法定費用は自賠責保険料、重量税、および手続きに必要な印紙代です。
すでに税金、保険料で計上していますので、ここでは印紙代のみを計上しました。
持ち込み検査でない場合は2年に1回の車検ごとに1,100円の印紙代が必要です。

点検、整備、交換部品費用:30,000円

新車時からの車検回数、車検業者、走行距離、普段のメンテナンス状況などによって費用は大きく変動します。
約15,000円から年数が経過して交換部品が多くなると交換部品費を含めて100,000円以上になる場合もありますので、ここでは中間程度の費用として約60,000円を計上しました。

4.その他の費用

ガソリン代:50,800円

社団法人日本自動車工業会が公表する資料によると軽自動車の年間平均走行距離は約6,000キロ弱です。
また平均燃費は買い物中心の街中での短い距離中心の乗り方を想定して低めの15キロとして計算しましたが、乗り方によって20キロ以上にもなります。
ガソリン代は2017年9月現在の全国平均単価127円/リッターを使いました。

駐車場代:99,600円

全国の月ぎめ駐車場の価格情報を掲載している「駐マップ」サイトによると都道府県別では最も高額な東京都は月額で約31,000円、最も定額な長野県は約4,200円です。
駐車場を借りる場合は駐車場代として都道府県別の平均単価をさらに単純平均した月額単価8,300円を使用しました。
自宅に駐車スペースがある場合は費用はゼロ円です。

メンテナンス費用

タイヤ交換費用:5,000円

タイヤ代と交換工賃などを含めて25,000円として計算し、5年で交換するとしました。

バッテリー交換費用:2,000円

3年で交換、バッテリー代と交換工賃で6,000円で計算しました。
(最近のアイドリングストップ車のバッテリーは10,000以上します)

エンジンオイル交換費用:2,500円

12,000キロ走行ごとに交換、オイル代や交換部品と工賃で5,000円で計算しました。

その他:1,000円

冷却水、ウインドウオッシャー液、オートマオイル、ヘッドライトランプなどの交換費用を年間1,000円として見込みます。
車検費用を少し多くみればこの費用は計上しなくてもよいでしょう。

以上の金額を合計すると軽自動車の年間維持費は243,085円です。

軽自動車と普通自動車(コンパクトカー)と維持費比較

軽自動車を購入する人のなかには普通自動車の排気量の小さなコンパクトカーと維持費を比較する人が多くいます。

そこで、コンパクトカーと維持費を比較してみました。

1.税金

維持費軽自動車コンパクトカー
自動車税10,800円34,500円
自動車重量税3,300円12,300円

2.保険料

維持費軽自動車コンパクトカー
自賠責保険料12,535円12,915円
任意保険料25,000円43,000円

3.車検費用

維持費軽自動車コンパクトカー
法定費用550円550円
点検、整備、交換部品費用30,000円35,000円

4.その他の費用

維持費軽自動車コンパクトカー
ガソリン代50,800円55,000円
駐車場代99,600円99,600円
タイヤ交換費用5,000円10,000円
バッテリー交換費用2,000円2,000円
エンジンオイル交換費用2,500円2,500円
その他1,000円1,000円

 

  • 軽自動車の維持費:248,085円
  • 普通自動車(コンパクトカー)の維持費:308,365円

計算上では、軽自動車の維持費は普通自動車(コンパクトカー)のよりも年間で65,280円安くなります。

維持費をさらに安くするノウハウ

年間に維持費の約25万円をさらに下げるノウハウを紹介します。

1.一括見積もりサイトの利用

一括見積もりサイトを利用することで自動車の任意保険料、車検費用を安くできます。

特に任意保険料は、同じ条件でも保険会社によって年齢や走行距離などで安くなる区分が異なっているため、一括見積もりサイトなら自分の年齢や走行距離で安くなる区分を設けている会社を簡単に見つけることができますよ。

2.新車購入のとき装備品を後から装着

車の購入費用も維持費と考えられるので新車の購入価格をできる値引きすることでトータルの維持費を安くできます。
値引きとは違いますが購入時に課税される自動車取得税は装備品の価格にも課税されてしまいますが、購入後に取り付けると自動車取得税が課税されません。

自動車取得税は価格の2%です。
装備品の価格×2%を節約できます。

3.中古車を購入するときは50万円以下

中古車を購入するとき50万円以下の価格だと自動車取得税が課税されません。
ただし、安い新車登録から13年を経過した車は、自動車税が10,800円から12,900円に増税されます。
車検時に課税される重量税も6,600円が8,200円に増税になるので注意が必要です。

4.売却や廃車にするときは4月1日に注意

自動車税は4月1日の所有者に課税されます。
普通自動車は年間に自動車税が年度の途中で売却または廃車にしたら月割りで還付されますが、軽自動車の自動車税は月割りの還付がありません。

そのため4月2日に売却または廃車にすると1年間の自動車税は利用しないのに課税されてしまいます。

5.ガソリン代を節約

ガソリン会社発行のクレジットカードを作成するとガソリン代の割引され、さらにポイントがたまるのでその分が維持費を軽減できます。

6.車検を自分で実施

少し、難易度が高いですが新車購入で部品の交換の不要なら自分で車検を通すことも可能です。
その場合は法定費用のみで約3万円の費用を節約できます。
部品交換が必要になってもその部品だけを車検とは別に修理業者に行ってもらえば車検費用を安く抑えられますよ。

7.廃車手続きを自分で実施

廃車手続きは誰でも簡単に行えます。
通常自動車販売会社や修理業者に依頼すると代行手数料を徴収されますが、この手数料を数千円節約できます。

8.タイヤ交換はネットで購入して指定業者で交換

ネットで何でも購入できる時代ですが、ホイールなしのタイヤはネットで購入しても自分で交換はできませんよね。

しかし、タイヤのみネット通販を行っている専門会社から購入するとガソリンスタンドやその他タイヤ交換をしてくれる業者と提携している業者もあります。
行っているのは「オートウェイ」「タイヤフッド」などです。

まとめ

維持費が安いことで人気の軽自動車。

ここでは、基本的な維持費とコンパクトカーとの比較、さらに維持費を安くする方法についてまとめました。
維持費を軽減し、あなたのカーライフを楽しめる参考となれば幸いです。
 



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