外貨MMFの利回りやリスクについてまとめました!

証券会社で運用を行う方が増えている中、外国建資産を安定かつ低コストで運用できる方法「外貨MMF」への注目が集まっています。

外貨MMFとは

為替ボード

「外貨MMF」は、「外貨・マネー・マーケット・ファンド」の略称であり、外国通貨建の「投資信託」を指し、「証券会社」を通して購入することができます。

対象となる通貨を円で購入し、「その通貨の中でも最も安全な有価証券で運用しているもの」で、例えばMMFの場合だと、「円から米ドルに変えた上で米国国債を購入して運用する」と言った形になります。

世界において安全資産と呼ばれるものは「国債」であり、これらをMMF運用会社が代わりとなって運用する仕組みです。
従って対象通貨の国債の金利から運用上のコストを取り除いた分を投資家は受け取ることができます。

外貨MMFは1,000円から購入することができ、購入時の手数料は「対象通貨の為替手数料」のみで購入することができますので、気軽に投資を始めることができますよ。
また解約に当たっても翌日に解約ができますので、換金性にも優れています。

投資信託とは言っても、基本的に運用上の「信用リスク」は高格付けの国債等で運用しているため、ほとんどないと言えますし、外貨MMFで買い付けできる通貨は信用度と流通量のある通貨に限られていますので、非常にローリスクな運用方法の一つなのです。

メリット・デメリット

「外貨MMF」のメリットとデメリットです。

メリット

  • 証券会社における最も「ローリスク」な外国建運用である
  • 為替手数料が銀行などに比べて安い
  • 運用における「信用リスク」が非常に低い
  • 1,000円くらいから気軽に始められる
  • 外貨MMFの運用をしている証券会社が潰れても資産に影響はない
  • 対象通貨の金利を受け取ることができる
  • 換金性に優れている

メリットについては、為替手数料が比較的安く、ローリスク運用が可能である点が挙げられます。

少額から運用を行うことができますので、若い世代から気軽に運用できますね。

また外貨運用のメリットとして「金利の高さ」が挙げられますが、日本の円預金の金利が「0.001%」である今、「1%」近くの金利を獲得できるだけでもメリットが高く、その意味でも信用度の高い外貨MMFで外貨運用を行うのは安心して運用が行える方法の一つだと思います。

デメリット

  • 対象通貨の為替変動リスクを負う
  • 運用における信託報酬等の間接コストがかかる
  • 対象通貨の金利変化に敏感に反応する
  • 金利が変動金利である

一方のデメリットについてですが、当然のことながら、「為替の変動」が付きものです。
また「外貨MMF」は変動金利で運用しているため、対象通貨の金利や国債利回りが低下してしまうと、受け取る金利が減ってしまうことになります。

外貨MMFの運用においては、保有通貨の国の政策や金利状況、そして為替を日々チェックして置かなければ、いざ預かりをチェックした際に下落していても誰も教えてくれません。

その他通常の外貨預金に比べて、投資信託という運用上の性質から、信託報酬等の間接費用が掛かってきます。
直接預かりから引かれることはありませんが、予め決められた費用を日歩で徴収されて行きますので、運用の対象である国債などから受け取る金利よりも少なく受け取ることになることは理解しておいたほうがいいでしょう。

外貨預金と外貨MMFの違い

外貨MMFと比較されるものとして「外貨預金」が挙げられます。
同じ外貨運用ですが、違いはあるのでしょうか?

為替手数料

まず円から対象通貨に変える為替手数料ですが、外貨預金の場合は大手銀行での手数料は「米ドルの場合片道1円」掛かってしまいます。
仮に今ドル円為替が110円の場合、111円で交換することになりますね。

一方外貨MMFの場合は大手証券会社であっても「米ドルの場合0.5円」となっていて、為替手数料が半分以下で収まりますので、外貨MMFの方が外貨預金に比べてメリットがあります。

近年はネット証券やネット銀行も増えているため、外貨預金についても手数料の金額も変わらなくなってきましたが、総じて外貨MMFの方が低コストで外貨運用ができそうですね。

利回り

外貨預金と外貨MMFでは金利の支払い方が根本的に違います。

外貨預金については「金利」であり、外貨MMFについては「分配金」です。
双方とも同じではと思われますが、概念・税制上は全く違うものとなっています。

利回りについても「外貨 MMF」に軍配が上がります。
2017年6月時点で、外貨普通預金の場合「米ドルですと年0.2%程度」となっていますが、外貨MMFの場合は「米ドルで年0.5%〜0.6%」です。

外貨預金の場合、定期預金もありますので、金利面では外貨MMFを上回るものもありますが、途中解約をしてしまうとペナルティとして金利分が幾分引かれてしまうことが想定されますので、いつでも・どのタイミング解約しても大丈夫な外貨MMFの方が魅力的です。

ただしネット銀行を中心に最近では「金利キャンペーン」を行っているところもあり、3ヶ月限定で数%の優遇金利を設けているところもあります。
最終的には個人の判断になりますが、キャンペーンは有効的に活用しながらも、安定した外貨運用として外貨MMFがオススメです。

金利の支払い方

外貨預金の場合、金利は四半期ごとにまとめて支払われ、保有の通貨にそのまま利息が足されていきます。
一方外貨MMFは毎月毎の分配金の支払いとなっていて、再投資として分配金を複利運用してくれるのです。

外貨MMFについては保有期限に制限がありません。
また、近年外国株式投資が盛んになってきたため、証券会社で外貨を保有する方が増えてきています。

実は証券会社でも「外貨預かり」ができるのですが、その場合「金利が出ない」ため、通常は外貨MMFで一時的にプールして、必要があれば解約して外貨充当する方が多くいらっしゃいます。

保有外貨をしばらく使わない可能性がある場合に、外貨MMFを購入し短期間でも金利を受け取れることを考えれば、使い勝手がいいですよね。
同様の運用方法に「FX取引」という為替証拠金取引があり、こちらの方が手数料や金利を考えると最も運用効率の高い投資方法であるのですが、その分リスクが急激に高くなります。

その意味で安全運用かつ外貨運用できる方法の中では「外貨MMF」が一番良いでしょう。

外貨MMFの利回りと手数料

それでは、外貨MMFを扱う証券会社から手数料や利回りを比較してみましょう。

為替手数料

米ドルユーロ豪ドルNZドルカナダドル英ポンドトルコリラ南アフリカランド
野村證券0.5円・0.25円なし0.8円・0.4円1円・0.5円1円・0.5円1円・0.5円なしなし
マネックス証券0.25円なし0.7円0.7円0.8円なしなしなし
SBI証券0.25円なし1円1円0.8円なし2.5円0.5円
カブドットコム証券0.2円なし0.6円0.6円0.6円なし2円0.25円
楽天証券0.25円なし0.7円0.7円0.8円なし2円0.3円

利回り(2017/10/11現在)

米ドルユーロ豪ドルNZドルカナダドル英ポンドトルコリラ南アフリカランド
野村證券0.719%なし1.140%1.288%0.381%0.160%なしなし
マネックス証券0.949%なし1.053%1.225%0.557%なし10.972%6.256%
SBI証券0.949%なし1.053%1.225%0.552%なし10.1971%6.194%
カブドットコム証券0.950%なし1.050%1.230%0.560%なし10.970%6.260%
楽天証券0.949%なし1.053%1.225%0.552%なし10.971%6.194%

 

為替手数料については、大手証券会社である「野村證券」の場合は米ドルの為替手数料は0.5円となっていますが、ネット証券各社で見てみると半値以下となっていて、純粋にネット証券の方が魅力的なコスト設定をしています。
その中でも「カブドットコム証券」は業界最安を目指し、為替手数料の設定を一番低くしているようです。

また利回りについては、ばらつきがあるように感じられますが基本は同じもので設定されています。

例えば、野村證券の場合は自社系列運用会社の「ノムラ・アセット」による外貨MMF運用となりますが、マネックス証券・SBI証券・カブドットコム証券・楽天証券はSMBC日興証券系列が運用する「日興アセット」による運用です。
従って、これらのネット証券会社における運用パフォーマンスには差がありませんので、あとは「コスト」をチェックすることになります。

ただし米ドルMMFについては、楽天証券では「ゴールドマン・サックス・アセット」、SBI証券では「日興外貨MMF」に加え、「ゴールドマン・サックス・アセット」と「ノムラ・アセット」による外貨MMFを選択できるようになっていますので、パフォーマンスの良い商品を選ぶことができます。

その他、野村證券では「英ポンド」、SBI証券・カブドットコム証券・楽天証券では「トルコリラ」と「南アフリカランド」の外貨MMFが設定されているなど、希望の利回りを求めることができます。

税金について

外貨預金の場合、利息等は源泉徴収で約20%の税金がかかりますが、売却時の為替損益については総合課税として計算されるので、確定申告が必要となります。

一方の外貨MMFの場合、あくまでも商品自体が「投資信託」であるため、分配金についての税金や、売却における為替については「有価証券取引における申告分離課税」となっています。
簡単に言えば、株式等の売買における損益と通算することになり、証券会社で「特定口座開設」かつ「源泉徴収あり」にしておけば、確定申告を行う必要はありません。

外貨MMFは直接外貨への変更を行うことができますので、海外旅行で為替を交換する際にも証券会社経由で行う方が得になります。

まとめ

外貨MMFは運用において最も安全性の高い外貨運用方法です。
興味がある方はこの機会にぜひ利用してみてはいかがでしょうか。



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