知らないだけで損する!マイナポイントのメリットデメリット
今回のコロナショックで、国民一人あたり現金10万円の一律給付の特別定額給付金の政策がありますが、この給付金をもらうための申請方法として、Web方式と郵送方式の2通りがあります。
Web方式の申請には、ICチップが埋め込まれた顔写真つきプラスチックカードのマイナンバーカードが必須ということで、マイナンバーカードが改めて注目されましたね。
ところが、このマイナンバーカードの普及率は、2020年4月1日時点でさえ、たったの16.0%とかなり低迷しています。
マイナンバーカードをもっと普及させたいという政府の思惑と景気刺激策の一環として、2020年9月より「マイナポイント事業」が始まります(終了予定は2021年3月末)。
今回は、このマイナポイントについて詳しくご紹介し、メリットとデメリットも分析していきますよ。
マイナポイントとは
まず、このマイナポイントからご紹介していきますね。
このマイナポイントは、後述する事前手続きを完了させることで、今年の9月から、マイナポイント事業参加事業者のキャッシュレス決済の事前チャージもしくは物品の購入でのキャッシュレス決済利用により、ポイントが貯まっていくようになります。
ただし、この時に、マイナポイントという特殊なポイントが直接貯まるわけではなく、このマイナポイント事業に参加するクレジットカード会社、QRコード運営会社、銀行などといったキャッシュレス決済事業者を通じて、nanacoポイントやTポイントなどといったおなじみのポイントが付与されるという仕組みです(詳細は後述します)。
次に、気になるポイントの還元率ですが、なんと25%です。
これは20,000円のQRコード決済や電子マネーの事前チャージ・物品の購入をした際に、マイナポイント事業によるポイントが、5,000円分還元されるということです。
申請から利用まで
次に、マイナポイントの申請から利用までの具体的な流れについて説明しますね。
画像出典:マイナポイント事業|総務省
申請から利用までの流れは、上図のとおりですが、まず大前提として、マイナンバーカードの取得が絶対条件です(マイナンバーカードとマイナンバー通知カードは別物です)。
ちなみに、マイナンバー通知カードは、2020年5月25日で廃止となっています。
今後生まれてくる赤ちゃんに対しては、個人番号通知書が発行されることで、マイナンバーの番号を確認することができますが、これまでのマイナンバー通知カードのように、マイナンバーを証明するために利用できなくなりますので、注意が必要です。
今後は、マイナンバーカードの申請が必須となってきそうですね。
2番目の事前準備として、マイナポイントの予約が必要となります。
この予約という言葉が今一つわかりにくいのですが、上図を見ていただくと、マイナポイント事業でポイントを付与するために、国がキャッシュレス事業者とマイナポイントの利用者(個人)情報を個人情報の漏洩なく共有する目的で、マイキーIDという個別に割り当てられるIDが必要となります。
このマイキーIDの発行・取得がマイナポイントの予約となります。
注意点としては、一つの決済サービスで紐付けられるマイキーIDは一つのみ、という点です。
たとえば、「マイナポイント事業」の参加決済サービスであるSuicaには、1枚ごとに17桁のID番号がわり振られています。
具体的には、JE305 0000 0000 0000という番号のSuicaに対して紐付けられるマイキーIDは一つのみということですから、複数のSuicaカードを紐づけるというようなことは不可となっています。
マイナポイントの事前準備の最後は、マイナポイントの申込です。
これは、自分が利用したいキャッシュレス決済(自分が貯めたいポイント)を選び申込むということで、2020年7月から申込が可能となります。
この3つの事前準備を完了させておけば、2020年9月から自分で決めたキャッシュレス決済を利用することで、プレミアム分25%のポイントが最大5,000ポイントまでもらえますよ。
マイナポイント全体の注意点ですが、今回、このマイナポイント事業のポイント還元の原資として、国は2000億円の予算を計上しており、これを1人あたりの還元の上限である5000ポイント(5,000円相当)で単純に割ると4000万となりますね。
つまり、国は最大で4000万人の利用を想定していることとなり、マイキーIDの発行数が4000万に達した(予算の上限に達した)時点で締め切る可能性があると言及しており、公式ホームページにも明記されているため、早めのマイナポイントの予約(マイキーIDの取得)をおすすめします。
ただし、2019年10月から2020年6月末まで行われている、キャッシュレス・ポイント還元事業(キャッシュレス・消費者還元事業)に関しては、早々に予算が尽きてしまい、政府が年度をまたいで補正予算として2回も予算を追加計上したという前例もありますから、マイナポイント事業に関しても、追加予算が計上される可能性は十分にあるともいえますね。
対象サービス
少し前述しましたが、マイナポイント事業において、具体的な対象サービスと貯まるポイントは、FamiPayのTポイントやnanacoのnanacoポイント、三井住友カードのワールドプレゼントのポイント、エポスカードのエポスポイント、楽天カード・楽天Edy・楽天Payの楽天ポイントなど様々なポイント(2020年5月22日時点てマイナポイント事業参加事業者は81社)を貯めることができます(参加事業者の詳細は下図参照)。
それでは、どれを選択するかという話になりますが、キャッシュレス決済で総額2万円使うとなると、思ったより難易度が高く、無理やりマイナポイントのためにお金を無駄使いするということになりかねません。
例えば、日々の生活で必要なものをキャッシュレス決済やクレジットカード決済で購入することで、マイナポイントのための無駄使いや無理な出費をすることなく、単純にプレミアムポイントの25%分を上乗せでもらえるという考えでの選択をしてみてはいかがでしょうか。
そういう観点でいえば、いつもイオングループのスーパーで買い物をしている人であれば、イオングループのWAON、イトーヨーカドーであればnanacoですね。
メリットデメリット
ここで、今回ご紹介したマイナポイントのメリットとデメリットをまとめてみましょう。
メリット
- QRコード決済のキャンペーンが、しょぼくなった今、25%還元は激アツ
- 今回のマイナポイント事業では、貯めたい自分の好きなポイントを事前に選べる
- マイナンバーカードの取得など事前準備にかかる費用が0円
- QRコード決済のみならず、クレジットカード決済でもOK
- 政府が予算を計上して行う国家事業なので、急に中止とかの心配がない
- マイナポイント参加事業者の中で、ポイント2重取りが可能なキャッシュレス決済が多い
デメリット
- マイナンバーカードが必須で、マイナンバーカードの取得が面倒くさい(時間も手元に来るまで1~2ヶ月かかる)
- マイナポイントの予約(マイキーIDの取得)など、意味がわかりにくいものが多い
- とにかく各手続きに時間と手間がかかる
- 上限が2万円までの利用(最大5,000円分のポイント還元)という点が微妙
- 会社員の人などは、マイナポイント事業終了後のマイナンバーカードの使い道が、今のところ、かなり限られている(コンビニでの住民票の取得くらいしかない)
- そもそも個人情報の固まりである、プラスチックカードのマイナンバーカードを取得したくないし持ちたくない
まとめ
今回は、2020年9月から始まるマイナポイントについて詳しくご紹介しました。
まだ、マイナポイント事業の事細かい詳細まですべてが固まったわけではなく、流動的な部分もありますが(例えば、毎月の水道光熱費やスマホ代、保険代の支払いでのクレジットカード決済も算定されるのか?など)、身近な買い物で簡単にプレミアム分25%還元、最大5,000円分のポイントがもらえるということで、これは参加して5,000ポイントもらった方が、お得であることはまちがいないです。
ただし、マイナンバーカードの取得が絶対条件となっていますので、プラスチック製のマイナンバーカードを持つことはリスクがあるとか、怖いという方もそれなりにいらっしゃるでしょう。
そういったメリットとデメリットを検討した上で、マイナポイントへの参加を決めても良いかと思いますが、さすがに、来年以降、マイナンバーカードの使い勝手や使い道が大幅に改善されてくると思いますので、マイナポイントをきっかけにマイナンバーカードを取得しておいても良いのではないでしょうか。