食品偽装の次は「有機肥料偽装」

食品偽装が相次いで発覚される中、とうとう肥料偽装まで出てきてしまいました。

10年以上前から偽装

JAが東日本の11県で販売していた有機肥料の成分が偽装されていたんです。

しかも10年以上も前から！

秋田市の肥料メーカー「太平物産」は、ＪＡ全農＝全国農業協同組合連合会を通じて東日本の１１の県で肥料を販売していましたが、大半の製品で表示よりも有機質の原料の割合を減らしたり表示していない原料を加えたりして成分を偽装していたことが分かり、製造が中止されました。

2015.11.9　NHKニュースより

この偽装が明るみになってから、JA側がすべて回収にまわっているそうなのですが、問題は10年以上前から偽装していた。というところですよね。

有機肥料とは？

そもそも有機肥料って何？

有機物（有機資材）を原料とした肥料。有機質肥料ともいう。有機肥料を施用する事と、有機物を施用することも混同されがちであるので、注意が必要である。有機物により土壌内の微生物に栄養分が与えられるため、無機肥料よりも土壌に良いと考える人もいる。
有機物は時間をかけて分解され、その後植物に吸収されるため即効性は低いが、そのかわり土壌に長期間蓄積される。従来、植物は基本的に無機物を吸収し栄養としていると考えられてきた。ほとんどの栄養分は無機物として吸収されるが、一部の有機物はエンドサイトーシスにより、養分として取り込まれることもある。

なんだかよけいわかりにくくなりましたが、簡潔にまとめると、

材料が違う！

有機肥料とは、動物・植物性の有機物のうち肥料成分（窒素・リン・カリウム）を含むものを原料とした肥料のこと。

化学肥料とは、化学的工程を使って無機質原料から作られた肥料のこと。

効き目が違う！

土壌で微生物等に分解してもらわないといけないから効き目がゆっくり。

副成分の分量が少ないので、農作物の品質がよくなり、土壌が育つといわれているそう。

価格が違う！

自然のものを作って作られるので、数がかぎられおり、値段も高く、すべての肥料を有機肥料に変更するのはかなりのコストになるそう。

今回の偽有機肥料を使っていた農家さんの土壌はどうなっているんでしょう・・・

報道では、

• 「表示していない原料を加えた」
• 「成分の分量が記載と違った」

ということなので、化学肥料がたくさん含まれていた場合、ずっと有機農作物として販売していたことも偽装になるのでしょうか？

・・・農家さんは悪くないのに本当に気の毒です。

もちろん騙された消費者も！

有機栽培とは？

有機肥料を使えば即『有機栽培です』と販売できるわけではなく、

一定の農場で３年間以上、農薬や化学肥料を全く使わずに栽培したもの、さらに、その生産から最終包装に至るまで、有機性が侵されることのないよう厳しく第三者認定機関（国内６７機関）の検査されたものに限る。

という既定があります。

ただ、実は有機栽培にはあいまいな点も多く、

• 有機肥料なら量はどれだけ使ってもいいのか？
• 動物性肥料でも植物性肥料でも有機肥料ならなんでもいいのか？

ということを指摘する声もあります。

有機肥料偽装

今回の偽装事件。

考えさせられることが多かったです。

私たち消費者は

• 『国産』・『有機』・『オーガニック』は身体にいいもの。
• それらはちょっと（かなり）お値段が高いけど身体にいいもの。

と思いがちではないでしょうか？

私は、「子どものためなら。」ってあまり良く知らないで、

いいもの = 高い　

と思い込んで国産や有機食品を選んでいたな。と。

もちろん良いものなんでしょうけど、言葉のマジックに惑わされているところも多いのではないでしょうか？

そして今回の農業の根底を覆すような偽装事件。

未だに中国産を「国産」として販売したりする詐欺事件が多く報道されています。

子どもにはいいものを。と思う親心を利用した卑劣な犯罪だと思いませんか？

国ももっと罰則を強化するなり、表記を明確にするなりしてほしいものです。

食の安全には、子どもの未来。国の未来がかかっているのですから・・・。