JCBがお得?プロパーカードのメリットまとめ

プロパーカードとは

クレジットカード好きな方やマニアな方には当然のような言葉ですが、一般の方は「プロパーカード」を聞いたことがない方のほうが多いと思います。

そもそもクレジットカードは発行会社によって発行されていますが、日本国内において一部の国際ブランドが自ら発行しているクレジットカードのことをプロパーカードと呼びます。

具体的には、

  • JCBが発行しているカード
  • アメリカン・エキスプレスが発行しているカード
  • ダイナースクラブが発行しているカード

の3種類です。

提携カードとは

一方、提携カードとは、クレジットカードの発行会社と提携先の企業(店舗など)が提携して発行しているクレジットカードのことです。

具体的には、楽天カード(楽天がVISA・JCB・MASTERと提携して発行している)、イオンカード(イオングループがVISA・JCB・MASTERと提携して発行している)、リクルートカード(リクルートがVISA・JCB・MASTERと提携して発行している)などですね。

当然ですが、クレジットカードの種類としては、提携カードのほうが圧倒的に多いです。

プロパーカードのメリット

日本国内における本当のプロパーカードは、アメリカン・エキスプレス・カード、ダイナースクラブカード、JCBの3つしかありませんが、どれも「お高い」クレジットカードという印象が強いかもしれません。
これがプロパーカードの一番のメリットで、まさに「ステータス性」が一番の強みです。

アメリカン・エキスプレスやダイナースはともかく、JCBは微妙に思う方が多いと思いますが、JCBの最高峰のブラックカード・JCB THE CLASSは、年会費こそ税別50,000円とブラックカードにしては格安ですが、要インビテーション(招待制)で自分からいきなり申込むことすらできないカードで、取得するまで最低2~3年かかると言われています。

JCB THE CLASSの取得難易度は、ダイナースクラブカードのブラックカードであるダイナースプレミアムカードやアメリカン・エキスプレス・カードのプラチナカードよりも実は上なのです。
(アメリカン・エキスプレス・カードのブラックカードであるセンチュリオンカードは、あまりにもハードルが高いので比較になりませんが)
参考記事:最強はどれ?JCBカード全まとめ

また、プロパーカードのアメリカン・エキスプレス・ゴールドカード(年会費税別29,000円)と、セゾンカードがアメリカン・エキスプレスと提携して発行しているセゾンゴールド・アメリカン・エキスプレス・カード(年会費税別10,000円)といった、同じアメックスブランドのゴールドカードで比較してみても、年会費・入会審査の難易度は、プロパーカードのアメリカン・エキスプレス・ゴールドカードのほうがはるかに上です。

関連記事:アメリカン・エキスプレス・ゴールドカードのまとめ

プロパーカードは、ゴールドカード・プラチナカード・ブラックカードと上位カードのラインナップが充実しており、より上位のカードのインビテーション獲得を目指すという楽しみもあります。

現実的にも年齢とともにライフスタイルの変化や、ライフステージが上がっていくタイミングで、より充実した特典サービスと付帯補償が付いている上級カードに切り替えるということも可能です。

提携カードのメリット

ステータス性の高さがメリットである反面、特典サービスなどのお得さで見劣りするのがプロパーカードのデメリットですが、提携カードは、ステータス性で劣る一方、クレジットカード会社がショッピングセンター、専門店、ホテル、旅行会社、交通機関、石油元売、通信会社、メーカーなどの団体と提携して発行するカードであるため、各提携先のお得な特典サービスを受けることができるという大きなメリットがあります。

具体的な例として、イオンカードをイオングループの店舗で利用すると常にポイント2倍、毎月20・30日は5%オフといった特典サービスやシェルPontaクレジットカードのシェルのガソリンスタンドとPonta提携店舗で常にポイント2倍とガソリン・経由が常に2円/L引きなどですね。

年会費無料のクレジットカードが多いのも提携カードの特徴であり大きなメリットです。
関連記事:これはおすすめ!年会費無料のお得なクレジットカードをまとめました!

三井住友VISAはプロパーか?

よくVISAのプロパーカードは三井住友VISAカードだと思われていますが、実は、VISA・MASTERはプロパーカードを日本国内では一切発行していないのです。
つまり、厳密に言うと三井住友VISAカードはプロパーカードではありません。

ただし、1967年に日本国内で最初に(アジアでも初)VISAブランドのクレジットカードを発行したのが三井住友カードだったので、VISAのプロパーカードといえば三井住友VISAカードといった認識の方が多いのが現状です。(2017年で創立50周年だそうです)

実際に三井住友VISAカードの公式ホームページを見てみると、「三井住友カードが発行するプロパーカードのおすすめ比較」というなんとも紛らわしいページが存在しています。
三井住友カード自らが発行しているクレジットカードという意味合いにおいては、たしかにプロパーカードと言えるのかもしれませんが。

ちなみに、日本国内で初めてクレジットカードというものを発行したのはダイナースクラブカードで、1960年のことでした。

MASTERブランドも同様で、いわゆる「マスターカード」というクレジットカードは日本国内には一枚もないのです。

これも少し前に話題となった「プライスレス」のキャチコピーのCMで誤解が広まったのですが、あれは国際ブランドであるMASTERが他の国際ブランドと比べ今一つイメージや知名度で劣るため、イメージや知名度の向上を狙って流したCMであって、「各種」マスターカードをぜひ作って利用してくださいねという趣旨だったのです。

それでは、プロパーカードであるJCB・アメリカン・エキスプレス・カード、ダイナースクラブカードの3つについて具体的にみていきましょう。

JCB

jcb一般カード

年会費1,250円(税別)還元率0.5%
電子
マネー
QUICPayポイントOki Dokiポイント

即日
発行(翌日受け取り)
年会費
無料
マイルが
貯まる
ラウンジ
利用可
Apple Pay旅行
保険
  • オンラインだけで手続き完了
  • 条件次第では翌年の年会費が無料になる
  • 最短翌日に届く!(平日11時までに申込・オンライン口座設定」が条件)

JCBのプロパーカードは、JCBオリジナルシリーズという名称で、

  • 一般カード
  • ゴールドカード
  • 29歳以下の方限定のJCB CARD EXTAGE
  • 29歳以下の方限定のJCB GOLD EXTAGE

の4つのラインナップで、ゴールドカードはどちらもインビテーション不要でいきなり入会申込可能なカードです。

一般カードは、

  • 年会費:税別1,250円(オンライン入会の場合のみ初年度無料、2年目以降はWEB明細のMY Jチェックの登録と前年50万円以上カード利用で年会費無料)
  • 家族カード年会費:税別400円(本カード会員が条件達成で年会費無料の場合は家族カードも年会費無料)
  • 海外・国内旅行傷害保険:最高3,000万円(いずれも利用付帯、事前のMY Jチェック登録が条件)
  • ショッピングガード保険:最高100万円/年(利用付帯・海外のみ・90日以内で1事故自己負担金10,000円、ただしリボ払いの支払い名人定額コース登録により自動付帯となり自己負担額も3,000円へ減額)
  • ETCカード年会費:無料
  • 貯まるポイント:OkiDokiポイント(カード利用1,000円につき1ポイント、ポイントの有効期間2年間、ポイント還元率は0.5%)
  • 電子マネー:QUICPay・ApplePay

JCBオリジナルシリーズ(若年層向けのEXTAGE2つを除く)にはJCB STAR MEMBERSという前年カード利用金額の実績に応じたポイントアップのシステムがあり、前年30万円以上でスターe PLUSとなりポイント還元率10%アップの0.55%、50万円以上・スターβ PLUSで20%アップのポイント還元率0.6%、100万円以上でスターα PLUSで50%アップのポイント還元率0.75%となります。

ポイント還元率の低さは欠点ですが、年間100万円以上のカード利用で0.75%まで上げることが可能です。
しかし、同じJCBの国際ブランドが選択可能な楽天カードの1.0%やリクルートカードの1.2%と比べると見劣りしますね。

また、JCBはディズニー関連に強く、貯めたポイントでディズニーリゾートのパークチケットや年間パスポートやホテルペア食事券に貯めたポイントで交換できますし、優待店でポイントが3~180倍となるJCB ORIGINAL SERIESパートナーという制度があり、特に利用する方が多い、セブンイレブン・イトーヨーカドー・Amazonがポイント常に3倍のポイント還元率1.5%、スタバではポイント常に5倍のポイント還元率2.5%と狙い目です。

ちなみに、スタバに関しては、プリペイドカードのスターバックスカードへのチャージでもポイント5倍が適用されます。

手持ちのnanacoカード(プラスチックカード版)にJCBオリジナルシリーズと紐づけることでお得にQUICPayが利用できるようになり、セブンイレブンでQUICPayにて買い物をすると200円につき1nanacoポイント貯まり、別途、OkiDokiポイントも0.5%×3倍の1.5%貯まるので(前述したようにセブンイレブンはJCB ORIGINAL SERIESパートナーであるためポイント3倍)、計2.0%ポイントのポイント2重取りが可能となります。

また、ネットショッピング利用時にJCB独自のポイントアップモールOki Doki ランドを経由することでポイントがアップします。

付帯保険の旅行傷害保険のほかにも、別途、月額150円~のJCBトッピング保険にも加入ができます。
自転車保険やゴルフ保険、日常生活保険など7種類用意されていていずれも月額数百円と気軽に追加で保険に加入できます。

一般カードとしては、豊富な付帯保険が付いておりコールセンターや各種サポートも年会費無料のクレジットカードよりもしっかりしていて信頼できます。

ポイント還元率が基本0.5%と低いのがデメリットですが、将来、ゴールドカード・JCBゴールドザ・プレミア・JCB THE CLASSといった上級カードを目指す方には必須となる入門カードとなります。

また、ゴールドカードは申込可なので、入会審査に自信がある方や少しでも早くJCBゴールドザ・プレミアやJCB THE CLASSを入手したい方は、いきなりJCBゴールドカードに入会されることをおすすめします。

アメックス(アメックス提携カードとの違い)

アメリカン・エキスプレスカードイメージ
年会費12,000円(税抜)還元率0.5%
電子 マネー-ポイントポイント
即日 発行年会費 無料マイルが 貯まる
ラウンジ 利用可Apple Pay旅行 保険
  • 券面の兵士がクールな魅力!
  • マイルを貯めるカードとしても定評あり!
  •   
  • 最高5,000万円の旅行傷害保険が付帯なので出張ビジネスマンには必携

アメリカン・エキスプレス・カードことアメックスは、

  • 一般カード(通称グリーンカード)
  • ゴールドカード
  • プラチナカード
  • センチュリオンカード(ブラックカード)

の4つのラインナップとなっています。

こちらも一般カードのグリーンカードは、

  • 年会費:12,000円(税別)
  • 家族カード年会費:6,000円(税別)
  • ETCカード年会費:無料(ただし新規発行手数料として税別850円が必要)
  • 貯まるポイント:メンバーシップ・リワードのポイント

ポイントについては、カード利用100円につき1ポイント貯まり、還元率としては0.5%です。
ただし別途税別3,000円/年支払いメンバーシップリワードプラスに加入することで1.0%となります。
また、ANAマイルへのポイント移行には、メンバーシップ・リワードANAコースへの参加費税別5,000円/年の費用が別途必要です。

電子マネーの対応は、QUICPay・Apple Payで、Suica・SMARTICOCA・Edyにチャージできるもののポイント付与対象外です。

付帯保険は、

  • 海外・国内旅行傷害保険:最高5,000万円(いずれも利用付帯)
  • ショッピングプロテクション:最高500万円(90日以内・自己負担額1事故1万円)
  • オンライン・プロテクション(ネットショッピングの不正利用被害全額補償)
  • リターンプロテクション(購入店での返品不可となった場合90日以内であれば全額払い戻し)

です。

一般カードといえど他社のゴールドカードレベルとなっており、特典サービスも豊富で、東京・丸の内のコットンクラブ、新国立劇場での優待サービス、同伴者1名も無料で利用できる空港ラウンジ(国内28空港・海外2空港)、海外旅行時スーツケース1個無料の手荷物無料宅配サービス(往復、国際線羽田空港・成田国際空港・中部国際空港・関西国際空港のみ)、エアポートミール(国内線利用時のみ食事クーポン券)などです。

年会費も高額ですが、一般カードでありながら特典サービス、特に空港ラウンジが本人含めて2名まで無料利用できるのはすごいところです。

クレディセゾンがアメックスブランドで発行している提携カード、セゾン・アメリカン・エキスプレス・カードの一般カードである「セゾンパール・アメリカン・エキスプレス・カード(以下セゾンパールアメックス)」と比較してみます。

まず、セゾンパールアメックスは、年会費が永年無料で、家族カードの年会費も永年無料、ETCカードの発行手数料・年会費も無料で、クレジットカードの維持費は総額でも0円です。

貯まるポイントはセゾンカードでお馴染みの永久不滅ポイントでカード利用1,000円ごとに1ポイント貯まりポイント交換時の価値から換算するとポイント還元率は0.5%とプロパー・アメックス・グリーンと比べると同じですが、別途メンバーシップリワードプラスに加入した場合だと1/2となります。

特典サービスも空港ラウンジなどのサービスは一切ありませんが、セゾンカードの一種ということで毎月5・20日に全国の西友・リヴィンで5%オフ、事前にnanacoカードの番号を登録することでセブンイレブン・イトーヨーカドーにてnanacoポイント(1.0%)と永久不滅ポイント(0.5%)が2重取りできる特典サービスがあります。

また、アメリカン・エキスプレス・コネクトとアメリカン・エキスプレス・セレクトといったアメックス独自のホテル・レストラン・ショッピングなどの優待サービスはプロパーアメックス、セゾンパールアメックス両方利用できます。

比較するとやはり、年会費も入会審査の難易度も桁違いなので、特典サービスも同様に大きな違いがありますね。

ただし、仕事が忙しくて海外旅行どころか国内旅行もほとんど行かないといった方には、年会費完全無料でアメックスブランドのカードが持てることから、セゾンパールアメックスの方が、メリットがあると感じる方がいらっしゃると思われますので、一概にプロパーアメックスのほうが良いというわけではありませんので、自分自身のライフスタイルに合わせて選んでいただければいいのかなと思います。

●セゾンパールアメックスカードについてはコチラ

ダイナースクラブ

ダイナースクラブカードイメージ

年会費22,000円
(税抜)
還元率0.3%
電子
マネー
ポイントダイナースクラブ リワードポイント

即日
発行
年会費
無料
マイルが
貯まる
ラウンジ
利用可
Apple Pay旅行
保険
  • 利用金額に制限なし。
  • グルメ、旅行、エンターテイメント、ゴルフなどの優待サービスが多数。
  • 海外旅行保険、国内旅行傷害保険、ショッピングリカバリーなど付帯保険が充実。
公式サイトへ

日本で最初にクレジットカードを発行したのがダイナースクラブカードで、以前は米国・シティバンクグループが運営をしていましたが、現在は、三井住友信託銀行グループが買収して運営をしています。

アメリカン・エキスプレス・カードと双璧をなすステータスカードの代表ですが、ダイナースクラブカードのプロパーカードのラインナップはかなりシンプルで、

  • 一般カードのダイナースクラブカード
  • ダイナースプレミアムカード

の2つしかありません。

一般カードのダイナースクラブカードは、

  • 年会費:22,000円(税別)
  • 家族カード:年会費5,000円(税別)
  • ETCカード年会費:無料
  • 海外旅行傷害保険:最高1億円(自動付帯5,000万円・利用付帯5,000万円)
  • 国内旅行傷害保険:最高1億円(利用付帯)
  • ショッピングリカバリー:最高500万円/年(利用付帯・90日以内・自己負担額1品10,000円)
  • 貯まるポイント:ダイナースリワードプログラム(カード利用100円につき1ポイント。有効期限なし)

電子マネーの対応は、モバイルSuicaと楽天Edyへチャージが可能ですがポイント付与対象外です。
また、2017年6月現在、ApplePayにも対応していません。(ただし、VISAブランドのカードと同様にWalletアプリには登録不可ですが、Suicaアプリ内でのチャージには利用できます)

こちらもステータスカードだけに、一般カードといえど特典サービスは豊富で、対象レストラン予約2名利用時1名分無料となるエグゼクティブダイニング、会員限定のおもてなしプラン、予約が難しい料亭の予約を取ってくれる料亭プラン、専用デスク事前予約にて食事当日カード提示・サインなしで帰れるサイレンス・スタイル、銀座のバーやクラブでの優待サービスのナイトイン銀座、海外ラグジュアリーホテルの客室グレードアップサービスの海外クラブホテルズ、割引などの優待サービスの国内クラブホテルズ・旅の宿、海外・国内600ヶ所以上の空港ラウンジが無料で利用できる空港ラウンジサービス、各種ショッピング優待、名門ゴルフ場優待予約やプライベートレッスン優待などのゴルフ優待など、とても使い切れないほど多くあります。

特に海外空港ラウンジは、プライオリティパスが不要でダイナースクラブカードだけの提示で利用できるのは、ダイナースの特権ですね。

また、ネットショッピング利用時にポイント倍増となる独自のポイントアップモール・ダイナースクラブポイントモールも用意されていて、これはアメリカン・エキスプレス・カードにはありません。

ダイナースクラブカードは、あくまで一般カードの位置づけですが、一般のゴールドカード以上、ライバルのアメリカン・エキスプレス・カードでさえ、一般カードのグリーンカードでは全く比較にならず、アメリカン・エキスプレス・ゴールドカードと同等かそれ以上というポジショニングといえます。

ダイナースクラブカードの一番のデメリットですが、入会審査がかなり厳しいことです。
基本的に27歳以上年収400万円以上というのが入会審査突破のボーダーラインと言われています。(公表されているのは年齢制限のみ)

最近は多少ハードルが下がったようですが、それでも入会審査の厳しさはトップクラスです。
しかし、それでも一度は手にしてみたいステータスカードですね。
参考記事:ダイナースクラブカードの審査はやはり厳しいのか?

まとめ

お得さでいえば、提携カードを選択してメインカードとして利用したほうが、何倍もの勢いでポイントやマイルが貯まります。
しかし、プロパーカードならではの安心感とステータス、豊富な付帯保険などの特典サービス、頼りになるコールセンターなど、お得さで劣る分を補うほどの魅力を十分に持っています。

特に、アメリカン・エキスプレス・カードとダイナースクラブカードはステータスカードとして有名で、所有するだけで歓びを感じることができる数少ないクレジットカードです。
高還元率カードもいいのですが、このようなプロパーカードも1枚持っておくといいですよ。

 



ApplePayバナー

サブコンテンツ

このページの先頭へ