軽自動車に料率クラスが導入されるって本当?保険は高くなる?
普通自動車に比べて、維持費が安い軽自動車のニーズは年々増加傾向にありますね。
そんな老若男女を問わず人気の軽自動車ですが、自動車を購入した後もかなりの維持費がかかるのが特徴です。
中でも、頭を悩ませるのが自動車保険ではないでしょうか?
保険は内容が難しいこともあり、「必要な補償はそのままでなんとか安くなる方法はないか?」、「そもそも必要な補償は何?」などの様々な疑問が出ることでしょう。
そこで今回の記事では、軽自動車の保険について基礎的な知識から選び方まで説明していきます。
この記事に書いてあること
保険料はどうやって決まるの?
軽自動車で自動車保険に入った場合、保険料はいくら位になるのでしょうか。
自動車保険の保険料を決める項目は、以下のようなものがあります。
- 保険会社
- 自動車の種類
- 運転者の年齢
- 補償内容
- 等級
このように様々な条件が重なって保険料が決まる仕組みとなっているため、「軽自動車の保険料の相場はこのくらいです」といったことは言えないようになっています。
同じ自動車でも状況次第で数千円から数万円も保険料は変わるため、他人の保険料を聞いたところで参考にはならないのです。
ほとんどの場合は約15,000円から250,000円の間になりますが、数字に差が開きすぎていますよね。
自分が自動車保険に入った場合の保険料を知りたい場合は、保険会社に見積もりを依頼する方法と、一括見積もりサービスを利用するなどの手段があります。
軽自動車の自動車保険の特徴
軽自動車の車両保険は、普通自動車と大きな違いがあります。
普通自動車や小型乗用車には「型式別料率クラス」という仕組みがあるのに対し、軽自動車はその仕組みがありません。
「どの車両でも保険料は同じ」ということが、軽自動車の自動車保険一番の特徴になります。
軽自動車にはない「型式別料率クラス」
型式別料率クラスとは、保険料をできるだけ公平に近くするために設けられた制度のことです。
車両毎に事故の頻度や被害の大きさなどのリスクを評価し、
- 対人賠償保険
- 対物賠償保険
- 傷害保険(搭乗者傷害保険と人身傷害保険)
- 車両保険
の4項目を1から9まであるクラスに当てはめていきます。(数字が大きい方がリスクが高いという評価です)
その車両を運転する人が起こした事故の実績をはじめ、各種リスクにより毎年1月に料率クラスが決定されます。
例として、2017年のアクアとシエンタの型式別料率クラスを見比べてみましょう。
アクアの型式別料率クラスは「対人5・対物5・傷害4・車両4」となっています。
それに対し、シエンタは「対人4・対物3(4)・傷害4・車両4・」です。
シエンタに比べてアクアは「対人・対物のリスクが高い」と評価されていることになります。
このように、車両によって細かな保険料が違ってくるのが普通自動車や小型乗用車の自動車保険の特徴です。
軽自動車はこの型式別料率クラスが無いため、車両毎に保険料が変わってくるということがありません。
軽自動車の方が自動車保険の保険料は安くすむという話は、ここからきているのです。
軽自動車にも型式別料率クラスが適用される!
この型式別料率クラスですが、将来的に軽自動車にも導入されることが決定されています。
つまり、軽自動車も車両毎に細かく保険料が違ってくるようになるのです。
2016年に損害保険料率算出機構が発表した内容では、軽自動車へは2020年1月1日までに制度が導入されることになっています。
損害保険料率算出機構
車両の型式別料率クラスを決めているのが損害保険料率算出機構です。
どの保険会社でもこの料率クラスが使われています。
※損害保険料率算出機構公式ページはコチラ
軽自動車にも型式別料率クラスが適用されるようになる背景には、以下のような原因があります。
- 台数構成比が普通自動車や小型乗用車と同程度まで拡大してきた
- 軽自動車も形状・構造・装備・性能が違う様々な種類の車種が登場している
軽自動車は普通自動車に比べて維持費が安くすむのが特徴です。
車検や税金、保険料など、様々な面で普通自動車より安くすませることができます。
そのため年々軽自動車の需要は高まり、メーカーも軽自動車の開発に力を入れてきました。
その結果、各車種毎に個性が出てくることとなり、自動車保険を画一的に考えることに無理が出てきてしまった形になります。
軽自動車の保険料はどうなるの?
実際に型式別料率クラスが導入されたとして、重要なのは保険料の部分です。
今までより安くなるのか、それとも高くなってしまうのかが一番気になるところでしょう。
実際に導入されないと詳細な金額は分かりませんが、保険料は高くなる人と安くなる人の両方が出てきます。
型式別料率クラスが適用されることによって、適切な保険料に近づくからです。
特に事故率が高い車種や車両価格が高い車種などは、保険料が今までより高くなってしまう確率が高いでしょう。
人気の車種は事故率が高い傾向にあるため、保険料が高くなる人の割合は多くなることが予想されます。
車両価格が高い車種の保険料があがる理由は、保険金額が高くなるためです。
保険が支払われる際の金額が大きい傾向にあるほど、支払う保険料も高くなります。
とはいえ、型式別料率クラスが適用されるからといって、軽自動車の保険料が普通自動車より高くなる可能性は低いでしょう。
車両価格も普通自動車より軽自動車の方が安いことがほとんどであり、車両保険の金額も普通自動車に比べると低いです。
安さを重視する場合、軽自動車は今後も優秀な存在であり続けるでしょう。
参考記事:若者が乗らないのは必然!クルマの維持費が高すぎるのでまとめてみた
保険料を安くするポイント7
自動車保険は掛け捨てであるため、保険料が安いにこしたことはありません。
保険料を安くするためには、多くのポイントがあります。
自分の保険料を安くできないか、一つずつ見ていきましょう。
1.通販型の自動車保険
自動車保険は「通販型自動車保険」と「代理店型自動車保険」の2つに分かれています。
それぞれのメリット、デメリットは以下の通りです。
通販型自動車保険
メリット
- 自分に合った補償内容を決めることができる
- 保険料が安い
デメリット
- 自分で補償内容を決めたり各種手続きを行うため、自動車保険の知識が必要になる
- 各種告知を間違いなく行う必要がある
代理店型自動車保険
メリット
- 担当者に質問しながら補償を決めることができる
- 担当者がアフターサービスまでしてくれることが多い
デメリット
- 保険料が高め
通販型自動車保険は代理店型自動車保険と比べ、保険料が大幅に安いのが特徴です。
約2割から3割ほどの差がでることもあり、保険料には大きく開きが出ています。
代理店型のように多くの人員を必要としないので、人件費があまりかからないことが安い理由の一つです。
その代わり、通販型は補償内容を自分で入力しなければならないため、ある程度自動車保険の知識が必要になってきます。
補償内容を適当に決めたせいで、いざという時に補償が受けられなくなっては本末転倒になるからです。
保険会社によってはそうした相談にのってくれるサービスを展開しているところもあるため、不安のある人はそのようなサービスがある保険会社を選ぶと良いでしょう。
2.運転者を限定
自動車保険は運転する人の範囲を狭めることで、大きく保険料を下げることができます。
保険会社によって範囲は違いますが、主に以下のように区分されています。
- 限定無し
- 家族限定
- 本人、配偶者限定
- 本人限定
限定なしが最も高く、本人限定が最も安い保険料になります。
運転する人が決まっている場合は、その範囲に合わせて範囲を狭めるのが良いでしょう。
頻繁に運転しない人まで補償範囲に入っている場合は、その人を運転させないようにすれば保険料を下げることができます。
その場合は、万が一事故にあった際は補償が受けられないことを念頭に置き、絶対に運転させないように注意しなければなりません。
3.セカンドカー割引
本人または同居の親族の場合、1台目の自動車保険等級が11等級以上あれば、2台目以降に新規で自動車保険に入る際は等級の優遇措置を受けることができます。
通常新規で自動車保険に入った場合は6等級から始まりますが、この制度を使うと7等級から始めることが可能です。
等級が低い間は1等級の差が大きく保険料に影響するため、これだけで数千円から数万円の保険料を節約することができます。
4.等級引継ぎ
主に子供が新しく自動車保険に入る際に使われる方法です。
同居の親族が契約している自動車保険は、別の家族に引き継ぐことができます。
若い人が新規で自動車保険に加入する場合は、年齢条件と等級の関係で保険料はかなり高くなるのが一般的です。
そうした場合に親が契約している等級の高い自動車保険を引き継げば、その分保険料を安くすることができます。
親は新しく保険に加入し直すことになりますが、年齢条件を高く設定できるため若い人が新規で入る場合と比べて格段に安くすませることが可能です。
条件は限られていますが、大きく保険料を安くすませることができるため、利用できるのであれば積極的に利用しましょう。
5.ゴールド免許割引
ゴールド免許の場合、その他の免許を比べて大きく保険料が安くなる割引制度があります。
注意点として、免許の色が関わるのは自動車保険に加入する時です。
例えば事故を起こしたり違反をするなどして次回更新時にブルー免許になる場合でも、自動車保険加入時にゴールド免許であれば割合は適用されます。
逆に次回更新時にゴールド免許になるとしても、加入時にブルー免許であれば割合は適用されません。
もしこのようなケースで加入時期を選べるのであれば、より有利な方で加入するようにしましょう。
6.保険料を一括払いにする・長期契約にする
保険料の支払い形式は「毎月払い」「一括払い」など複数の種類があります。
一般的に、まとめて保険料を支払った方が割引がきくために保険料は安いです。
まとまったお金を準備できるのであれば、なるべくまとめて支払った方が大きく節約することができます。
7.補償内容を変更
自動車保険に限らず、保険は補償範囲を狭めると保険料は安くなります。
そのため補償内容を削ったり無くすことで、保険料を安くすることが可能です。
補償内容によっては数千円から数万円の差が出てくることもあるため、保険料を安くするためには重要な部分でしょう。
しかし、必要な補償まで削ったのでは、保険に入った意味がなくなってしまいます。
特に絶対必要な補償について、次の項目で説明していきます。
絶対に入っておくべき補償はこの3つ
どれだけ保険料を安くするためでも、
- 対人賠償保険 無制限
- 対物賠償保険 無制限
- 対物超過修理費用補償特約
これだけは絶対におさえておきましょう。
対人賠償保険は、他人に損害を与えた際の補償です。
基本的に無制限しか設定できない保険会社がほとんどですが、仮に設定できたとしても無制限以外にしてはなりません。
実際の判例でも数億円の賠償責任を負うことになったケースもあり、そうした場合に無制限以外では十分な補償が受けられないからです。
対物賠償保険は最低1000万から設定できる保険会社がありますが、対人賠償保険と同様に無制限に設定しておきましょう。
物損事故でも数億円の賠償責任を負うことになった判例が存在しています。
対物超過修理費用補償特約も同様に、十分な補償を受けるため絶対に外してはならない特約です。
車両保険は必要なの?
自動車保険において、車両保険を付けるかどうかは保険料に大きく影響してきます。
保険料を考えれば付けない方が良いですが、もしもの時を考えると不安になる人も多いはずです。
車両保険を付けるかどうか判断基準としては、以下のようなものがあります。
- マイカーローンを組んでいる人
- 修理費を出せるだけの貯金が無い人
- 地方在住で車が通勤に必須など、常に車を必要とする人
これらに当てはまるような場合は、車両保険を付けていた方が無難になります。
逆に車が無くてもあまり問題が無い人や、もし何かあったとしても貯金から捻出できる人などは車両保険を付けないことを検討しても良いでしょう。
支払う保険料と何かあった際の負担を考え、自分が納得できる方を選ぶのが大事なポイントです。
まとめ
維持費が安く済む軽自動車は、自動車保険料も普通自動車より安いことが多いです。
将来的には「型式別料率クラス」が普通自動車と同じように適用されますが、それでも普通自動車よりは安い場合がほとんどでしょう。
自動車保険は掛け捨てのため、保険料はできるだけ安いことにこしたことはありません。
保険料を安くするポイントはたくさんありますが、だからといって必要な補償をはずしてしまっては元も子もないですから、万が一の事を考え、対人補償(無制限)・対物補償(無制限)・対物超過修理費用補償特約は、絶対に付けておきましょう。