キャッシングとカードローンという言葉は何が違うのかがはっきりしません。
一般的にキャッシングというと一括返済を求められるクレジットカードのキャッシングサービスのことを指し、カードローンというと銀行や消費者金融の「カードローン」のことを言うことが多いです。

では、実際に利用すると何か違いがあるのでしょうか。

キャッシングとカードローンの違い

このようにキャッシングとカードローンの違いは、返済方法の違いと考えると分かりやすいでしょう。
しかし、この違いによって両者の性格は大きく違ってきます。
キャッシングはクレジットカードの「おまけ」だと考えている人も多いようですが、実際には金融業を営む信販会社のローン商品です。
ローンカードをクレジットカードと一体化させていると考えればわかりやすいのではないでしょうか。

キャッシングは利用限度額が多くても50万円ほどで、大口の借入には向きません。
一括払いによる返済を前提としているためある意味当然のことでしょう。
また、限度額が少ないため審査は緩めだと言われています。

何かと嫌われることが多い職場への在籍確認も行わないことが多いようです。
クレジットカードのキャッシングサービスはたいていの場合、クレジットカード自体の申込の際に同時に申し込みをします。
申込書によってはチェックマークだけという場合も少なくないので、知らないうちにチェックをして申し込んでいる場合も少なくありません。

これに対して、カードローンは返済方法が分割払いになります。
クレジットカードのリボ払いのような感じだと考えればわかりやすいのではないでしょうか。
10万円程度の利用であれば毎月3千円から5千円程度の支払でいいので返済が厳しくないと評判が高いです。

もっとも、10万円を3千円ずつ返済していると、利率が年利20%近くと高いため返済期間が4年近くかかり、利息の支払額も結構多くなるので注意が必要です。
カードローンは返済期間が長くなるだけではなく、限度額までなら借入は自由なので、資金繰りに困ってくると、毎月の約定返済後にすぐに限度額まで再度借りるケースが多くなります。
結局返済しきれなくなってしまうこともあり、リスクが高いローンだと言われます。

また、カードローンは利用限度額が大きくなるため審査も同時に厳しくなります。
大手消費者金融で審査に通らないからと中小の消費者金融で申込んでも審査に通らないのは同じです。
当然、キャッシングの申込のようにクレジットカードの申込と同時にできるわけではないので、申込の際にも手続は面倒になりがちです。
また、審査では職場への在籍確認が必要になります。

このようにキャッシングとカードローンは単に返済方法が違うだけなのですが、その違いにより審査の程度が違い、申込方法にも差が生じます。

キャッシングのメリット・デメリット

キャッシングは結構気軽にできるメリットがあります。
給料前にちょっとお金が足りないからと借りる場合にはキャッシングはちょうどいい方法です。
返済は次回のクレジットカードの請求と同時にされますから、返済が長期化することもありません。
利率は高いものの、借りる期間が短いので利息の絶対額は少額です。
面倒な手続はないし、大きな限度額を持っていると使いすぎて怖いという人にはピッタリのローンだと言えるのではないでしょうか。手
軽な申込方法も魅力的です。

しかし、キャッシングは限度額が少額なので、多額の借入には向きません。
そもそも次回の請求日に一括返済することになるため、多額の利用をしても返済が厳しくなるだけで意味がありません。
結局、多額の借入をするのであれば別のローンを申し込む必要がありますが、その場合に一つ落とし穴があります。
ローンの申込は銀行も消費者金融も無担保融資が原則です。
つまり、返済原資は給与収入などに限定されます。

消費者金融の場合、貸金業法で総量規制という融資制限がありますが、キャッシングの限度枠はここに影響するため、キャッシングを申し込んでいると融資限度額がその分少なくなってしまいます。
また、銀行ローンは総量規制の影響を受けませんが、当然他のローンがあれば審査上不利になるでしょう。

つまり、別のローンを申し込むのであれば、いったん信販会社に連絡をしてキャッシング枠を解約する必要があるのです。

しかし、信販会社もキャッシングの申込は自動電話でできるようになっていても、解約はコールセンターのオペレーター経由でないとできないようにしていることが多いです。
また、コールセンターは受付時間が限定されているため、手続も面倒になりがちでしょう。

クレジットカードなどのキャッシングサービスは使い勝手がいいと考えていらっしゃる方も多いのですが、小口の借入に限定されているという点と、他のローンを申し込む際には審査の障害になりうるという2つのデメリットは知っておいたほうがいいでしょう。

カードローンのメリット・デメリット

カードローンのメリットやデメリットはキャッシングのそれと正反対と言っていいのではないでしょうか。
利用限度額を大きくできますから、まとまった金額を借りたいという場合には非常に心強いです。
また、返済方法もクレジットカードで言うリボ払いと同様なので毎月の返済額を低く抑えることができます。
もちろん少額の返済を続けていると利息が膨らむ傾向にありますが、資金的な余裕がある際に繰上返済をすればこの問題をクリアすることができます。
しかも、クレジットカードのリボ払いに比べると、カードローンの繰上返済は非常に容易です。

最初の申込の際に限度いっぱいまで利用限度額を設定してもらえば、他のローンを申し込む必要はなくなります。
消費者金融も銀行もカードローンの金利は利用限度額が高いほど低くなりますから、有利になるのです。

これに対し、デメリットとしては金利が高くなりがちな点が挙げられます。
リスクが高いローン商品なのでこれはやむを得ないと言っていいでしょう。

ただし、金融機関によっては信用力が高い人を対象にした低利率のカードローンを提供していることもあります。
また、毎月の約定返済額が低めに設定されているため、意識して繰上返済をしないと返済期間が延びる傾向にあることもデメリットとして挙げられます。
このことは同時に利息支払額を増加させますから、無視できない点と言っていいのではないでしょうか。

これらのメリットとデメリットをどう考えるかは利用者によってマチマチです。
カードローンのデメリットとして高めの利率と低めの約定返済額により、返済期間と利息支払額が多くなるという点を挙げる人が多いようです。
しかし、繰上返済を多用することと、信用を付けて増枠申請をしたり、低金利のローンにトライしたりすることで解決可能です。

消費者金融に比べると銀行のカードローンは金利が低めに設定されています。
その反面審査が厳しくなるというデメリットはありますが、自分の信用力に自信があれば審査に通ることは難しくないでしょう。

銀行系カードローンは大企業の正社員や公務員の方でないと審査に通らないと思い込んでいる人も多いようです。
しかし、申し込もうとする銀行で給与振込をしていたり、取引履歴が長かったりすると審査に通る可能性は高いです。
トライする価値は十分あると思われます。

お勧めはカードローン

このようにキャッシングもカードローンもメリットもあればデメリットもあります。
しかし、どちらがいいかと聞かれれば迷わずカードローンと答えます。

確かにカードローンは支払が長期化しがちだというデメリットがあることは承知しています。
しかし、それは自分の資金管理でクリアできる問題です。

給料日前にお金を借りるだけだからキャッシングでいいじゃないのかと思う人もいるかもしれません。
しかし、カードローンは給料日に手軽に繰上返済ができるため、利息計算期間も少なくなります。

これに対し、クレジットカードのキャッシングサービスはこのような融通が効かないことが多いです。
つまり、1週間後の給料日を待てない人がお金を借りても、次回決済日まで最大2か月程度の金利を支払わなければいけないこともあり得ます。

利用限度額が多いカードローンはおまとめローンとして利用する事も可能です。
リボ払いの残高が多くなり、危機感を覚えた人の中には消費者金融の窓口に直接行き、カードローンの申込をした人もいます。
最初は利用額が多くなり毎月の利息も多くなりますが、できるだけ繰上返済をすることで残高を圧縮すれば負担額は軽減できます。
極端な例ですが、給料日にその全額をカードローン返済に充てて、必要な都度、再度借入をしている人もいます。

このようなことをすることで一時的であれ残高が減るので利息支払額が減ります。
毎月の定額返済から元本返済に充てられる部分が増えるので、加速的に残高を減らすことができます。
キャッシングではこのような芸当はできないでしょう。
そのためカードローンの方がお勧めなのです。

カードローンは自分で計画的に利用できる点が最大のメリットです。
しかし、このメリットを生かすことができるか否かは利用者にかかっています。
毒にも薬にもなると言えばわかりやすいかもしれません。

しかし、ちょっと考えてみてください。
カードローンに限らず借金をしている以上は、少しでも早く完済させる必要があることは言うまでないでしょう。

毎月もらっている給料が永遠に続くと考えられる職場は、今のご時世どこにもありません。
いつ自分の会社が業績悪化により減給になったり、倒産による給与支払停止になったりするかはわからないのです。
もし、そのような事態になっても借金返済は待ったなしです。

計画的な利用と返済は借金をする以上必要不可欠です。
そして、それを実行しているという前提であればキャッシングよりカードローンの方が有利なことは言うまでないのです。