最初は注意深く消費者金融を利用していた人でも、いつの間にか何軒もの業者から借りてしまったような話も少なくありません。
場合によってはクレジットカードのキャッシング枠なども含めて、5軒から10軒という場合もあるようです。

しかし、そんなに多くの業者に返済していると管理も大変です。
自分の支払額も多くなるため、気が滅入ってきます。

そんな状態を継続させてはいけません。
早めに対策を打つ必要がありますが、そのために一番効果があると言われるのがおまとめローンです。

おまとめローンとは?

おまとめローンとは、複数の借金残高を一つの借金にまとめる借換形式のローンです。
昔は銀行だけが取り扱っていましたが、現在では貸金業法の特例規定ができたため消費者金融もおまとめローンの提供をしています。

おまとめローンは借金の一本化ですが、借金と一言で言っても消費者金融だけではありません。
クレジットカードのキャッシング枠もリボ払いの残高もそうですし、美容サロンや英会話教室などのショッピングクレジットも含まれます。

これらの支払がいくつも重なると、どうしても毎月の支払が気にかかります。
支払自体はできたとしても、借入先が多くなると「いつまでこんな生活が続くんだろう」と気が滅入ってくるものです。
場合によっては精神科での治療が必要な人もいるようです。

しかし、おまとめローンを始めるだけで、そのような悩みがなくなる可能性は十分にあります。
なぜなら、借金を一本化することで支払日が1日だけになることと、完済までのロードマップができるからです。

おまとめローンを始めた人の多くは、それまでいつ終わるかわからないようなローンを返済し続けていた人でしょう。
そのような人が、おまとめローンを始めるだけで一気に「完済時期」が明確になるのです。

長いトンネルの先に明かりが見えたというような人もいらっしゃいます。
おまとめローンは、単なる借り換えローンではなく、気分を楽にするという効果があるのです。

おまとめローンのサービス、借金一本化のメリット

おまとめローンのサービスは借金の一本化です。
今までの借金をすべて銀行や消費者金融に提示して、それを一時的に立て替えてもらい返済がスタートします。
借入金の利率は、融資額が大きいほど低くなりますから、毎月の返済額も減るはずです。

先ほど述べたとおり、現在は銀行でも消費者金融でも、おまとめローンを提供しています。
競争も激しくなり、消費者金融の中には、アイフルのように既存の顧客がアイフルのおまとめローンを利用する場合には、優遇金利を適用していることともあります。

しかし、おまとめローンは、カードローンと違って追加の借入ができません。
資金的に余裕がある際に追加返済は可能ですが、返済途中でお金が足りなくなっても返済だけ続きますから、おまとめローンを始める際には、自分の収支を冷静に判断する必要があります。

最初におまとめローンを始めたのは銀行です。
おまとめローンを必要としているのは消費者金融の顧客であることが多いのですが、消費者金融は年収の3分の1までしか貸すことができない総量規制があるため、おまとめローンを取り扱えなかったのです。

しかし、現在では目的を既存のローンの借り換えと限定することで、消費者金融でもおまとめローンを取り扱うことができるようになりました。

おまとめローンでは、一般的な大手消費者金融のように即日融資はできません。
審査が結構面倒ですし、いくつもある債権者に対して銀行や消費者金融から直接返済資金を振り込むと同時に、解約もさせる必要があるためです。

審査自体も担当者がじっくりと判断することが多いようです。
銀行のおまとめローンの中には、返済期間中に利用者が再度多重債務者にならないように監視役を付けることを要求している場合があります。

これは、今までお金が足りなくなったらカードローンで借りて補充するという生活を続けていた人が、そのようなことができなくなるためです。
カードローンを始める際には自分の生活環境を変える必要がある場合も少なくありません。

とはいえ、実際におまとめローンを始めてしまえば自分の借金が減っていく様子がよくわかります。
追加の借入ができませんし、借入先が一つになったのですから、おまとめローンの借入残高が自分の借金のすべてなのです。

おまとめローンの相談に銀行や消費者金融に行くと、今までの返済額の合計とこれからの返済額の比較表を提示してくれます。
それを見ると毎月の返済額が結構減少している人が多いはずです。

さすがに借金が半分になることはありませんが、1割から2割程度返済額が圧縮される人が少なくありません。
これは先ほど述べたとおり、借入額が多くなるため利率が低くなり、結果として毎月の返済額が少額になるためです。

おまとめローンの審査

おまとめローンの審査は結構時間がかかります。
通常のカードローンのようにコンピューターにすべて任せることができないからです。

おまとめローンの申込をすると、まず最初に借金の総額を提示することになりますが、意識的かどうかは別としてすべて提示されないこともあります。
そのため、他に隠れた借金はないかを信用情報機関のデータを使って把握する必要があるのです。

おまとめローンを申し込む人は複数の借金で悩んでいる人なので、いわば多重債務者です。
銀行も消費者金融も、多重債務者を貸倒予備軍として警戒しているのですが、その人に対する融資なので、審査が慎重になるのはある意味当然のことでしょう。

銀行も消費者金融もおまとめローンを積極的に宣伝しているのは、融資額がある程度まとまるためです。
ある意味危険な相手に融資するので、審査が慎重になるのは当然としても、融資をしないと利息収入が得られないため、おまとめローンは大切な商品のです。

しかも、おまとめローンは同程度の融資規模に対する利率より高めに設定されています。
もちろん、高めとはいえ今までの借入額に対する金利より引くなることはほぼ間違いありませんから、利用者にとっては「安めの金利」なので需要はあるのです。

おまとめローンの返済期間は往々にして長期化します。
返済方法は口座引落になりますから、銀行であれば住宅ローンのように給与振込を含めた取引を囲い込むことも可能になります。
銀行がおまとめローンに熱心な理由は、この辺りにあるかもしれません。

自分でもできるおまとめローン

銀行や消費者金融が「おまとめローン」として提供しているおまとめローンの話をしました。

しかし、借入規模が少なければ自分でおまとめローンを作ることができます。
消費者金融などのカードローンを増枠すればいいのです。

ただし、事前に消費者金融に対して相談することが必要です。
おまとめローンを考えている人は多重債務者になっているはずですが、消費者金融は増枠申請にあたって審査をしますから、そのままでは審査に通らない可能性があります。
そのため、これ以上借金を増やす目的はなく、現在の借金を一つの消費者金融にまとめたいという説明をするのです。
そして、増枠申請をすることで返済先を一本化したいとお願いをします。
この説明をするかしないかで大違いでしょう。

人によって信用情報機関の登録データには差がありますから一概には言えません。
しかし、消費者金融にとっては悪い話ではないはずです。
他の消費者金融や信販会社の取引を一気に自社に取り込むチャンスだからです。

ただし、消費者金融によっては説明を聞いたうえで、自社のおまとめローンの方が低金利になると逆提案をされる可能性もあります。
そちらの方が有利であれば、その方がいいことは当然です。

とはいえ、消費者金融の増枠申請をするためには、信用情報機関のデータに問題点がないことが必要です。
長期の支払遅延などのブラックリストに該当する履歴があったら問題外ですが、1回クレジットカードの支払日忘れがあっても2年間は登録されるのです。
日頃から自分の信用をきれいにしておく努力は大切ですが、このような際に差が出てくるものです。

また、消費者金融の増枠申請は、利用と返済をしている人が対象であることも忘れてはいけません。
この方法でDIYのおまとめローンを作ろうとしたら、自分が一番利用している消費者金融に相談することが大切です。
こうすることで、自分の都合のいい消費者金融で借金の一本化が可能です。

まとめ

一時期は取り扱っている金融機関が少なかったおまとめローンですが、最近は中小規模の消費者金融も取り扱うようになってきました。

多重債務は、ただ単に返済が厳しいというだけではなく、精神的にも大きなダメージを引き起こします。
毎月の返済額もいくつもの相手に返済するよりは、一本化したほうが返済金額も少なくなりますし、自分の手間も減ります。

精神科の医師の中には、多重債務によるうつ病は、原因が明らかであるがゆえに治しようがないと言われることがあります。
多重債務者に対するケアができるのは、精神科医ではなく、おまとめローンを提供している銀行や消費者金融なのです。