ビジネスローンの審査は甘くありません。
将来の事業見通しを担保にしてお金を借りるわけなので、それを相手にいかにして説明するかが勝負だと言えるでしょう。

銀行借入でも同じですが、事業計画をまとめ上げてプレゼンすることは、実際に事業に携わっている人でも難しいようです。
会社の場合は、税理士などにこの事業計画作成を依頼することが多いのですが、個人事業主の方の場合は税理士などに依頼していないことも多いため、自分で考える必要があります。

ビジネスローンの審査は厳しいのか?

ビジネスローンに限らずローンの審査は厳しいものです。
金融機関の審査は突き詰めて言えば「相手はお金を返してくれるか?」という判断をしています。
金利の多寡は次の話なのです。

新聞などの記事で「収益率の高いカードローン貸出が増えると銀行収益が上がる」と出ていることがありますが、カードローンのように貸倒の可能性が高い商品を銀行は本音では敬遠しているのです。
消費者金融は、「サラ金」と呼ばれていた時代からこの手の貸付について経験があるのでいいのですが、それでも審査は厳しく大手消費者金融の審査通過率は5割程度と厳しいのが現実です。
ビジネスローンでも当然話は同じであり、貸した事業主はお金を返済してくれるだろうかと心配しています。
審査が厳しいのは当然だと思ったほうがいいでしょう。

ビジネスローン審査に通るコツ

ビジネスローンは事業を担保にしてお金を貸すものです。
とはいえ、事業という掴みどころのないものを判定対象とするのですから、簡単に審査ができるわけではありません。
そのため、審査は事業主からのプレゼンがキーポイントになります。

ビジネスローンを提供している商工ローンなどは、本音ではお金を貸したいのです。
審査が厳しいのは仕方ないとしても、貸す相手がいなければ商売になりません。
そのため、魅力的なプレゼンをしてくれた事業主にはお金を貸すのです。

プレゼンのコツを知っている事業主は多くないでしょう。
しかし、あまり心配の必要はありません。
審査で知りたい項目は、先ほど説明した「相手はお金を返してくれるか?」という話に尽きるのです。

もう少し掘り込んで説明すると、融資希望額の返済計画を提示するとともに、返済計画が実行できるだけの利益を確保できるという見通しを説明するのです。
もちろん、融資希望額の融資があればビジネスを拡大できるという説明も必要です。

また、融資を希望する事業主の方には、このような事業拡大ではなく、単に資金不足で資金を借りたいという場合もあるでしょう。
この場合は、不足資金がどの程度であり、不足部分を埋めるだけの代金回収などがどのタイミングで得られるかという説明が必要になります。
俗にキャッシュフローと言われる資金繰り計算書が必要になるのです。

この資金繰り計算書の作成は、必要に応じて作成できるものではありません。通常から現金の動きを把握し、現金出納帳を作成することが必要です。
こうすることでいつ現金が流入して、借りたお金を返済できるかを説明することができます。

個人営業形態の事業主の方の場合、経理処理はかなりルーズになっていることが多いようです。
難しい経理ソフトはいりませんが、所得税の青色申告書を作成できる程度の経理ソフトを導入して、経理をしっかりとまとめる必要があります。
こうすることで、商工ローンなどに提出するプレゼン書類の基礎を作ることができます。
次に、必要なことは事業計画を立てることです。

事業拡大のために融資を受けるのであれば、将来の売上予測だけではなく、市場の予測も提示する必要があります。
事業拡大をしようと決めたということは、何らかの根拠があるからしたはずです。
もし資金不足で融資を望むのであれば、現在の売上代金が回収できない理由と、今後の理由を説明する必要があります。

この場合、金融機関は回収可能性について気にするでしょうから、相手の会社が現在活動している何らかの資料を提示する必要があるでしょう。
相手から毎月届いている請求書でもいいですし、新聞などにチラシを出しているならば、それでもいいはずです。

このような資料を提示することで、お金を借りることで事業が円滑に運営できるとともに、借りたお金も返済できることを相手に納得してもらうことができます。

まとめ

ビジネスローンの審査は、個人の生活費を借りる消費者金融より厳しいと言われることが多いです。
とはいえ自分の事業を相手にしっかり説明しないと、審査に通らないでしょう。
確かに自分の事業は自分が一番知っているはずですが、それを第三者に説明することは難しいものです。
しかし、先ほど述べた通りしっかりとした融資案件であれば、審査に通したいと金融機関は考えています。

ちょっと面倒ではありますが、自分の事業を相手にアピールする資料を作るつもりで審査に臨むといい結果が出るでしょう。