転職は消費者金融などの審査において、多かれ少なかれマイナスの影響を及ぼします。
無担保融資である消費者金融なので、返済資金の原資である給与収入が不安定になるというのがその理由です。
とはいえ、転職後もその会社で勤め続けるとわかれば問題はほとんどなく、在籍確認の電話などで働いていることがわかれは審査もスムーズに通ります。
契約成立後に利用実績を積み上げれば増枠申請も可能でしょう。

消費者金融などの審査は、最終的にその人が貸したお金を返してくれるかどうかを主眼にして審査をしています。
お金を返すためには、収入がなければいけませんが、その収入が安定的に流入してくることを何らかの形で実証すればいいだけのことです。

転職直後は審査では不利であることは間違いないのですが、それだけの理由で審査に落とされることはありません。
消費者金融などの審査は一つの審査項目だけですべてを決めるのではなく、総合的判断で結論を導いています。
あまり審査を怖がることなく、必要であれば消費者金融の申込をして審査を受けてみればいいのではないでしょうか。

転職直後でも借りられる?

消費者金融の審査は、究極的に言えば「お金を返してくれる人かどうか」を判定する手段だと言えるのではないでしょうか。
つまり、お金を返すためには収入の有無だけではなく、返済しようとする意志や期日通り返済できているかどうかがチェック対象になります。
この観点からすると、転職直後は「収入の有無」という点で不安定さがあると考えられますが、決定的な問題点とは考えられません。
転職する人もいろいろで何年かに一度程度に転職している人もいれば、人生最初の転職だという人もいます。

そのため、一概に転職直後だから消費者金融の審査で不利だという事はありません。
むしろ他の要因の方が審査ではウェイトが高いのではないかと考えられます。
とはいえ、同じ会社で働いている人に比べれば、転職することによるハンディがゼロだという事はありません。
何が不利であり、そのためにはどうすればいいのか考えてみましょう。

転職直後は信用されない

このように消費者金融の審査では、転職だけで審査は不利になりませんが、さすがに転職直後は不利になります。
事実上新入社員と同様に扱われるため、お金を貸す側としては慎重になるのです。

転職直後は何かと不安定になります。
ヘッドハンティングにより、年収を上げた「華やかな転職」を果たした人であっても、転職先で結果を出せなければクビになったり減給になったりすることは珍しくありません。

また、転職直後の給与は、新入社員同様に「試用期間」があり、絶対的な支給額が少ないこともあります。
中途入社として募集はするものの、最初から全額の給料を支給することは会社側も不安があるのです。

このように、転職直後は収入面で不安があります。
場合によっては転職先の会社での地位も不安定だというケースもあるでしょう。
審査ではこれらの不安定要素がマイナス面として響いてしまい、転職直後はどうしても審査面では不利になりがちです。
消費者金融の審査がどのようなものかわからないという人も多いようですが、一度自分自身がお金を貸す側になったと仮定してみると分かりやすいかもしれません。
そうすると、転職直後や新入社員の人にお金を貸すことが不安だと分かりやすいのではないでしょうか。

参考記事:審査に通らない理由が判明!カードローン審査まとめ

前職の勤続年数も左右する

転職する人の中には、勤めていた会社の上司や社長などとケンカ別れをして退職したような人も少なくないかもしれません。
別にそれが悪い事ではありませんし、消費者金融の審査とはいえ、退職の理由まで把握することはできません。
ただし、信用情報には消費者金融やクレジットカードの申込をした際に記入した勤務先が登録されています。
いつの時点でどこの会社に勤めていたかはわかります。
違う勤務先が記載されていると、その間隔がどの程度かは結構重要です。

転職を頻繁にしているようだと、残念ながら信用はかなり落ちます。
これは、転職を頻繁にしている人は失業者になる可能性が高いからです。
なぜなら、転職しようとして退職すると、一時的であっても収入が途絶えて無収入になります。
すると、借りていたお金を返済することができなくなるのです。

さきほど申し上げたとおり、消費者金融の審査では収入の有無が非常に大きなウェイトを占めます。
収入が途絶える可能性が高い人に消費者金融は警戒してお金を貸そうとしません。
これに対し、今までずっと同じ会社で働いていたものの、信用情報上の勤務先が初めて変わったという場合は、あまり審査上で不利に働くことはありません。
転職により、収入は一時的に途絶えていたかもしれませんが、再度働き始めたことは間違いないし、何度も転職しているわけではありませんから、再度転職することはないだろうと判断されるのです。

前職の勤続年数が長ければ長いほど、このような「信用度」は上がります。
前職の勤続年数が長ければ、審査に与える影響はあまりないと考えていいでしょう。

不安ならば自動契約機を使おう

とはいえ、転職直後の審査は、通常の審査に比べてチェック項目が多くなります。
少なくとも、コンピューター審査だけで通るようなことはないと考えていいでしょう。
つまり、審査時間が長引いてしまうのです。
消費者金融の「目玉商品」でもある即日融資は不可能ではないものの、難しくなるでしょう。

もし、不安であればネットによる申込ではなく、自動契約機を利用して申込をすることをお勧めします。
自動契約機であれば、消費者金融の担当者と必要に応じて話をすることが可能です。
このように前職の話などを聞かれることもありますから、退職した事情と現在の会社と前職の待遇の差を説明できるようにすると、消費者金融の担当者もスムーズに審査を進めることができます。
自動契約機とはいえ、実際には消費者金融の店舗で担当者と話をしながら申込をするのと同じことです。
特に問題なく審査を受けることができればネットで申込をしてもいいのですが、不安な要素がある際には、対面による審査を受けたほうが賢明です。

転職後にお金を借りるときに気をつけたいこと

では、実際に転職後にお金を借りる際にキーポイントになることは何でしょうか。
また、通常の審査と何が違うのでしょうか。

まず、審査をする側をしては、転職の有無だけで信用を判断するのではなく、その頻度を重視します。
頻繁に転職している人は、またすぐに転職をして収入が不安定になるのではないかと警戒されるわけです。

また、転職直後は本当に働いているだろうかという疑念が生じます。
極論ですが、信用情報でずっと同じ勤務先ばかり登録され、かつ源泉徴収票などにその勤務先の名称が出ていれば、在籍確認をする必要はないだろうと判断される場合もあり得るのです。
転職の頻度が高い人は、収入が不安定になりがちだと判断されてしまいます。
収入の確実性が審査で大切なことは間違いありません。
審査上不利になってしまうことは当然でしょう。

さらに、消費者金融などの審査で一番重視されるのは、信用です。
今まで、クレジットカードなどの決済を滞りなく続けている人は信用力が高いです。
転職を一度したくらいで、その信用が揺らぐことはありません。
CICの信用情報でクレジットカードなどの支払が2年間期日通りの支払を続けている人は、信用力が抜群です。

ただ、転職の際に1つだけ気を付けることがあります。
保険や源泉徴収は退職とともに終わるのではなく、次の職場に引き継がれるものです。
そのため、離職票や源泉徴収票は退職の際に確実にもらうことが必要です。
これを忘れると次の職場でちょっと面倒なことになります。

在籍確認はきっちりされる

最近は消費者金融でも在籍確認の電話を省略するケースが増えてきました。
健康保険証や直近月の給与明細を提示することで、職場にいることを証明できるし、消費者金融側もそれで確認ができるのです。

ただし、退職直後に健康保険証のカラーコピーを取り、消費者金融に駆け込むようにして申込をするケースもあります。
直近月の給与明細を提示する必要がある消費者金融ばかりではないため、このようなことも可能です。
在籍確認の電話を省略することはこのようにリスクはありますが、新規顧客獲得のためには有力な「サービス」となっています。
銀行系カードローンではこのようなケースは皆無ですが、消費者金融は金利が高いため、ある程度のリスクを取ることができます。

しかし、このような「サービス」も転職直後に申し込んだ場合にはあまり期待できません。
公式に在籍確認の電話確認を省略すると明示している場合でも、小さい字で「場合によっては確認することがあります」と表示されているのです。
さすがに転職直後に健康保険証だけで在籍確認を終わらせることは、消費者金融であってもリスクが高すぎるのでしょう。

日ごろの行いが成否を分ける

転職直後に消費者金融の審査が厳しくなるか、そうでないかは日ごろの行いにも左右されます。
やはり、いつも支払うべきものは期日通り支払う人は信用されるのです。

消費者金融に限りませんが、不特定多数の顧客を相手にしてお金を立て替える商売をしていると、貸倒が一番怖いものです。
これを防ぐ方法ははっきり言ってありませんが、「そうなりそうな人」を排除することで貸倒の可能性を最低限に留めることは可能です。
その排除の手段として審査がありますが、その観点から審査をする場合、支払が遅れそうな人は貸倒の可能性も高いと判断されます。
このことはちょっと考えていただければわかるのではないでしょうか。

任意整理などの債務整理などをしている人だけではなく、半年程度の支払遅延があった人も含めて、俗に「ブラックリスト」と呼ばれています。
具体的には信用情報にその事実が登録されるだけですが、貸倒の可能性が非常に高いと言えるでしょう。
だからこそ、このような人に対しては消費者金融に限らず、信販会社も相手にしないのです。
言い方を変えれば、先ほど述べた通り「日ごろの行いがいい人」は信用されますから、転職直後であっても、特に審査で不利になることはありません。
不利になる理由がないと言ったほうがいいかもしれません。

前職の源泉徴収票はしっかりもらおう

転職をする以上、前の職場を退職することになります。
必ずしも円満退職というハッピーな結末になるとは限らず、けんか別れに近い退職のパターンもあるでしょう。

しかし、そのような際にも源泉徴収票をもらうことは絶対に忘れてはいけません。
次の職場で要求されるという事もありますが、今までの収入の実績として消費者金融に提示することができるのです。
転職先の新しい職場で源泉徴収票を提出して欲しいと言われ、原本は取り上げられてしまいますから、コピーを取っておくことをお勧めします。
前職の収入がこれだけあったという事を消費者金融にアピールすることも審査を有利にするポイントです。

まとめ

転職直後に消費者金融でお金を借りる申込をすることは無謀だと言われることがあります。
大手消費者金融の審査通過率が5割を切っているという事実もこのような不安を膨らませています。

しかし、実際には転職したことだけで審査が不利になることはないわけです。
むしろ、日頃の行いが重視されていることがわかるのではないでしょうか。

転職を頻繁にしている人は、消費者金融だけではなく、求職の際にも不利だと言われています。
実際に企業の採用担当者も転職が多い人は定着しないから敬遠したいと考えています。
日本の風土に転職が合わないというわけではありません。
キャリアを重ねて出世魚のように、転職の都度ハイレベルの地位に付いていく人もいます。
頑張ってMBAなどを取り、自己研鑽に励む人にこのような人が多いです。

消費者金融も転職をした人のパターンは承知しています。
出世魚のような転職か、ただ単に職場に合わないから転職を繰り返しているのかはすぐに判別されます。
確かに勤続年数が長い人よりは信用力は落ちるでしょうが、「いい転職」をした人で日ごろの行いがいい人であれば、審査にさほど悪い影響が及ぶことはないのです。