消費者金融などでカードローンを申し込むと融資限度額が決まります。
この限度額は永遠に固定されるものではなく、一定時期ごとに見直しがされます。
収入の上下で融資限度額が決まります。

また、利用を続け、返済期日をきちんと守っていると信用がついて融資限度額が上がります。
最初は消費者金融も警戒して、本来貸していいと判断して金額以下の融資限度額しか設定してくれないことが多いのです。

カードローンの利用限度額を上げることは、ただ単に便利に使えるだけではなく、利率が下がりお得に利用することができます。
融資限度額が高いということは、信用があることを意味しており、保証料を下げることで金利も下がるのです。

限度額を上げることは可能?

このようにカードローンの融資限度額を上げることは可能ですが、当然審査がありますから、希望通りに限度額を上げてくれる保証はありません。
日頃の心掛けが大切だという話になるわけです。
審査で重視されるのは、収入は当然のこととして、クレジットカードなどの支払状況も確認されます。
つまり、信用情報が問われることになりますから、クレジットカードの支払が遅れがちになっている人は審査では不利になりがちです。

また、消費者金融の場合は総量規制にも注意する必要があります。
年収の3分の1を融資限度額の上限とする規定であり、他の金融機関の無担保融資も含めて判定されますから要注意です。
特にクレジットカードのキャッシング枠は実際に利用していないとしても借りていると判断されてしまいます。

年収が300万程度の人は、総量規制により融資限度額が100万まで設定可能でしょう。
融資限度額が100万になると金利が18%から15%に下がるため、このメリットを狙って増枠申請する人も少なくないはずです。

しかし、10万のキャッシング枠があるだけで、総量規制により90万が上限となってしまい、融資限度枠を上げることができても金利は下がらないという残念な結果になってしまいます。
融資限度額を上げることを消費者金融では「増枠」といいます。増枠を勝ち取ることは日頃の心掛けで可能ですが、総量規制の壁だけはどうしても崩せません。

ちなみに銀行系カードローンであればどうかと言われますが、銀行系カードローンも総量規制がないだけでクレジットカードのキャッシング枠があれば、融資限度額はその金額だけ差し引かれます。
返済能力が少ないと判断されるのです。
カードローンやクレジットカードのキャッシング枠は、利用するかしないかは契約者の任意であり、今は借りていなくても必要となればその全額を借りることができるローンです。
そのため、審査では融資限度額の全額を借りているものとして判断されます。
とはいえ、このような注意点を念頭に置いて増枠申請をすれば、審査結果にもよりますが融資限度額を上げることは可能です。

いくらまで上げられる?

ではいくらまで融資限度額を上げてくれるのでしょうか。
先ほど述べたとおり、最初の申込の際には消費者金融も警戒して融資限度額を絞っています。
つまり、消費者金融の審査基準による限度額以下の金額しか貸してくれないのです。
しかし、大丈夫だと判断すると制限を解除しますから限度額は上がります。

消費者金融によっては、一定期間経過すると特に申込をしなくても融資限度額を上げてくれることがあります。
これは単に先ほど述べた制限解除をしてくれただけのことです。

ただ、解除された金額は消費者金融の審査基準による限度額なので、ここから更に増枠してもらうにはプラスアルファーの要素が必要です。
制限解除による増枠は、通知の前に信用情報を照会しているはずですから、今までのクレジットカード利用状況などを確認しているでしょう。
滞りなく毎月支払っている人であっても、すでにその要素は判定されていますから、さらなる増枠の要素にはなりません。
もし、自分の給与が上がっていれば、収入の増加ということなので審査では有利になります。
消費者金融によっては源泉徴収票を毎年提示するように要求することも多いのですが、増枠申請では必ず要求されますから、提示することが大きなポイントになるでしょう。

新規申込の際も増枠申請の際も審査基準には大きな差はありません。
あえて言うのであれば、増枠申請までの信用が加味される程度でしょう。
消費者金融に限らず、融資審査では毎月の返済能力が重視されます。
貸したお金は返してもらうことが前提なので収入がなければお金を貸すことはできません。

ちょっと荒っぽい言い方になりますが、収入から生活費を引いた金額が返済能力だと判断されます。
収入がいくら多くても、家族が多かったり、家族の中に教育費がかかる年代の子供がいたりすれば生活費が多くなります。
逆に収入が少なめでも、独身で親と同居していると生活費は少ないと判断できますから、返済能力は大きいと判断されます。
もっとも、収入が少ないと総量規制の壁があるので、思ったような融資限度額をゲットすることは難しいかもしれません。

話は少しそれますが、クレジットカードのリボ払いの枠は割賦販売法という法律によって制限されています。
この制限額の計算も収入を基礎にしている点は総量規制と同じですが、生活費などを控除して判定するという点で総量規制と相違点があります。
収入が多ければ融資限度額は高くなるだろうと思っても、それだけで増枠申請が思い通りに通るわけではありません。
その点は知っておく必要があります。

限度額を上げるには

では現実にどのようなことを心がければ融資限度額を上げることができるのでしょうか。
収入が上がったりすれば当然有利になりますが、自分だけの判断で昇給するものではありませんし、家族の人数は勝手に変えることはできません。
しかし、審査で重視する信用情報は自分の心掛けで良好なものにすることが可能です。
融資限度額を上げたければ、信用情報を良好にすることが一番効果的だといわれています。

信用情報を知ろう

戦うときには敵を知ることが大切です。信用情報は敵ではありませんが、どのようなものを審査の判断基準にしているかを知っているか否かで結果に違いが出ます。

日本には信用情報を提供する情報機関が3つあります。
信販系・消費者金融系・銀行系の3つがありますが、消費者金融も審査では信販系の情報を多用していますし、開示請求も簡単なので信販系の信用情報を一度開示してもらうことをお勧めします。

信販系の信用情報機関はCICと呼ばれる情報機関で、加盟している金融機関は一番多いです。
消費者金融だけではなく、クレジットカードを発行していれば銀行も加盟しています。
CICの信用情報の開示は簡単です。
CICのWEBからクレジットカード決済でPDFの形式で取り寄せることができます。
所要時間はWEBを開いてから大体30分ほどです。
手数料は千円で支払はクレジットカードのみです。
決済に利用するクレジットカードも本人確認に利用されるため、自分名義のカードを利用してください。
ちなみにPDFは暗証番号でロックされているため、CICからの暗号キーを紛失しないように気を付ける必要があります。

では、実際に開示情報を見てみましょう。
1ペーシに1枚のカード情報が出ています。
消費者金融で借りている場合は、1社1ベーシです。
請求される単位で情報が整理されているという感じでしょうか。
いろいろな項目が表示されていますが、特に問題がない人は記載事項も少ないはずです。
中央付近に事故情報が記載される部分がありますが、ブラックリストといわれる事態になるとここにその内容が記載されます。

最初にCICの信用情報を見た人が驚かれるのが、各ベーシの下部に表示されている毎月の支払状況です。
金額が記載されているわけではないのですが、期日通りに支払ったか否かが24回分表示されています。

一般的に信用情報が大切だといわれる理由はここです。
クレジットカードなどの請求があった際に期日通り支払っていることを示す「$」の表示が並んでいれば、支払が滞りなくされているとわかり信用されますし、そうでなければ信用されないのです。
特に支払が遅れている「A」が多い人は審査では非常に不利になります。
信用は日頃の行いが大切だと言われてもピンとこない人が多いのですか、CICの信用情報を見れば一発で理解していただけるのではないでしょうか。

取るべき手段は?

消費者金融の増枠をゲットしようとする場合、CICの信用情報をきれいにすることが一番効果的です。
2年間の支払いの中には遅れた月もあるかもしれません。
しかし、ここであきらめるのは早すぎます。
直近月の「A」と2年前の「A」のどちらが信用されないかといえば、直近月に「A」がある人です。
2年前や1年前に「A」が表示されていても、最近は「$」ばかりだというのであればさほど悲観することはありません。

もちろん「$」が並んでいる人よりは信用力は落ちますが、信用を積み重ねつつあることがわかるのです。
直近に「A」が並んでいると審査で不利なので増枠申請をしても許可されない可能性が高いです。
つまり、ここであきらめるのでなく、今後は支払期日に遅れないように毎月支払う習慣をつければいいのです。
1年程度経過した後に自分の信用情報を再度開示請求すると、直近月に「$」が並ぶ見栄えのいい信用情報になっているでしょう。

使わないカードは解約するのが原則

消費者金融の審査の基本は返済能力の有無を判断することです。
収入や信用情報はその判断に必要な大きな要素です。

しかし、信用情報の結果がいくら良くても、収入に比べてあまりに多いクレジットカードの枚数があると、融資限度額の算定という面で不利になりかねません。
総量規制とキャッシングの話と同じで、いくら利用していないとはいえ、その気になれば利用できるのがクレジットカードです。
そのため、クレジットカードの枚数が多いと支払能力が低いと判断されかねません。
もっとも、総量規制のようにはっきり限度額が決まっているわけではないし、信用情報に「$」が並んでいる人であれば、クレジットカードの利用は確実だろうと判断される部分もあります。
このあたりの判断は「日頃の行い」によって変わるのです。
とはいえ、むやみに解約するのも問題にすることがあります。
CICの信用情報を開示するとわかるのですが、ずいぶん昔に解約したはずのカードが情報として残っていることがあります。各ページの右上を見ていただくとわかるのですが、最終報告日から5年間はデータを保管しています。
つまり、「A」が並んでいるクレジットカードを解約しても、5年間はデータが残ります。それならば、少額でも利用を続けて最後の「A」が消える2年後に解約したほうが見栄えのいい信用情報になるでしょう。
このような例外はありますが、基本的に使っていないクレジットカードは解約したほうが賢明です。クレジットカードの枚数を少なくすることは、ただ単に信用情報をよくするだけではなく、支払遅延を防止したりポイントを効率的に貯めたりする効果もあります。

利用実績を作ろう

とはいえ、増枠申請を成功させるためには、契約した消費者金融で利用をすることが大前提です。
いくら信用を積み重ねたとしても利用実績がなければ増枠申請をしても審査は通りません。
利用しない人に増枠をさせても意味がないという話だけではなく、実際に利用と返済を積み重ねることで、消費者金融自体に対する信用を作ることができるのです。
増枠申請をすることを予定するのであれば、少額でもいいので毎月利用と返済の実績を作ることが大切です。

もちろん支払期日に遅れたという事態になっては逆効果なので、出来れば銀行引落とで返済するようにしたほうが賢明ですし、信用されます。

まとめ

カードローンの審査は主に収入と信用情報を基準に行われます。
収入は自分で決められるものではありませんが、信用情報は自分で変えることができます。
もちろん良好なものに変えるためには長い期間がかかりますし、完璧にしようとすれば2年間かかります。
ちょっと気の長い話ですが、そのような努力は必ず報われます。
2年間かけて作り上げた自分の信用は、消費者金融に限らずどこの金融機関でも評価されます。

一般的に消費者金融の審査では不利だと言われている派遣の仕事をしている人であっても、信用情報がきれいだと審査はスンナリ通ります。
最近は消費者金融の中に「VIP」コースを設けるケースがあります。
収入が高い人が対象ですが、金利が引く融資限度額も高いです。
このようなコースに変更してもらうことも夢ではありません。