この記事に書いてあること
カードローン審査の流れ
カードローンを利用する場合、ローン申込後に必ず申込者の審査が行われます。
これは、住所や勤務先といった基本的な個人情報、契約内容、他での返済状況などといった申込者の信用情報を調査し、いくらまで融資できるか、融資後に無理なく返済できるかを判断するためです。
具体的には、
- 申込内容の住所や勤務先に相違がないか
- 他社での借入残高はどれくらいあるか
- これまでの返済は滞りなく行われているか
- 事故情報はないか
といった点になります。
これらの審査の結果によっては、カードローンを利用することができない場合もあります。
新規でカードローンに申し込む際に個人情報や勤務先情報、年収、希望限度額、他での借入金額等を記入することが求められますが、これらの内容に基づいてカードローン会社にて審査が行われるため、審査のためにこちらが何かしら特別対応することはありません。
一般的に、午前中の申し込みであればその日のうちに完了することが多いです。
特に即日融資を希望する場合は、1時間程度で完了することもあります。
一方で銀行系カードローンでは、第三者の信用会社によって審査が行われることもありますので、カードローンよりもさらに時間がかかるとみておきましょう。
また、すでに持っているカードローンの借入金額の限度額を上げたい場合は、カードローン会社に申し出ることで、また同様の審査を受けることになります。
なお、カードローン会社によっては審査の段階で会社への在籍確認連絡が行われる場合もありますので、急に連絡がかかってきて慌てないようにするためにも、事前に確認しておきましょう。
審査に通らない人の特徴
それでは、実際にどのような人が審査に通らないのか、例を挙げてみましょう。
申請内容に虚偽の情報がある
申請内容に虚偽の情報が発覚した場合、大きく信用問題に関わります。
カードローンとはいえ借金ですので、信用に足りないと判断された場合は審査に通りません。
カードローン会社には独自のノウハウがあるため、虚偽の情報を記載しても審査によって発覚してしまいます。
給与明細などの収入証明書を偽装すると有印私文書偽造罪、アリバイ会社などを利用すると詐欺罪などで訴えられる可能性もゼロではありません。
うっかりミスがないかも含めて、正直に答えるようにしましょう。
年収が少ないor他社からの借入が多い
年収が少なかったり、他社からの借入金額が多い場合、審査に通りにくくなることがあります。
その理由として、貸金業法によって個人が借入できる金額の総額は年収の3分の1までと定められているためです。
これを総量規制といいます。
年収が少ない、または他社からの借入額が多いことによってこの総量規制に抵触する場合は、審査に通らないことが多いので、新規でカードローンを申し込む際には、年収に対して現在の借入金額が3分の1を超えていないか確認しましょう。
なお、事業目的での借入の場合や、銀行系などの一部のカードローンでは総量規制の対象外となることもありますので、必ずしも年収の3分の1以内とは限りません。
クレジットカードを利用したことがない
クレジットカードの利用状況も信用情報のいち要素となります。
ある程度の年齢でクレジットカードを持ったことがない場合、クレジットヒストリーがないために審査に通らない可能性が高くなります。
クレジットカードによっては年会費無料のものや即日発行のものもあるため、比較的取得しやすいクレジットカードを1枚つくって、クレジットヒストリーをつくることで審査に通りやすくなりますよ。
クレジットヒストリーについて詳しく知りたい方は、マネーの経験値のこの記事をご覧ください。
参考記事:修行不足で審査に落ちる!クレジットヒストリーとは?
勤続年数が短い
新入社員や転職直後の場合、勤続年数が短いために収入が不安定とみなされ、審査に通らない可能性が高くなってしまいます。
目安として、勤続年数が1年に満たない場合は難しいと思ってください。
カードローンを申し込む際には、最低でも勤続年数が1年を経ってからにしましょう。
複数の業者へ一度に申込している
急いで融資をしてほしい、他社で審査が通らなかったためにダメ元で審査を通したいなどの理由で、のカードローン業者へ申し込む場合がありますが、これはかえって審査が通りにくくなってしまいます。
申込状況も信用情報のひとつであるため、審査によってわかってしまいます。
複数社申し込むことによって前述した年収の3分の1を超え総量規制に抵触してしまうことが考えられるほか、借り逃げの恐れがあるとみなされ、審査が通らず融資が見送られてしまいます。
複数社に申し込むことによって審査が通りづらくなるだけでなく、万が一審査が通ったとしてもその後の返済がきつくなってしまうため、申し込みは1社ずつすることをおすすめします。
ブラックリストに載っている
いわゆるブラックリストに載ってしまうと、信用問題に関わり審査に通らなくなってしまいます。
実際はブラックリストというものは存在しないのですが、俗に言う「ブラックリストに載る」というのは、金融事故を起こしてしまい、クレジットヒストリーの支払い状況にある「返済状況」に「異動」と記載されることを言います。
この状態になってしまうと、5年間は消えることなくクレジットヒストリー(クレヒス)に記載されたままになります。
「異動」の状態だと、ほぼ間違いなく審査に通りません。
そして、この状態が最長10年保存されたのち、履歴がすべてが消えて真っ白になります。
真っ白(スーパーホワイト・ホワイト)な状態は、今まで一度もローンやクレジットカードを利用したことがない人、もしくは金融事故(ブラック)だった人のどちらかの状態なので、やはり審査に通りにくいのです。
クレジットヒストリーは、CICや全国銀行個人信用情報センター(KCS)、日本信用情報機構(JICC)などに問い合わせることで開示することができるので、不安な人は問い合わせてみましょう。
審査に通るポイント
次に審査に通るポイントとしてどのようなものがあるかみてみましょう。
限度額
カードローンによっては限度額が高額であることを売りにしているものもありますが、最大限度額まで借り入れられるとは限りません。
前述の通り、総量規制によって原則として借入金額の総額は年収の3分の1までと定められているため、それ以上の限度額で申込んだ場合でも希望通りの金額をゲットするのは難しいでしょう。
また、新規の申し込みの場合、総量規制の範囲内でも高額の融資を初回からしてもらえる可能性は低いです。
よほど安定して高額の年収を得ている場合でない限り、初回融資額は高くても50万円程度といえるでしょう。
基本的に経済能力を超えた限度額にて申し込んだ場合でも限度額が下げられるだけで、審査におけるマイナス要素にはなりにくいです。
しかし一方で、限度額を低く設定して申し込むことで、返済計画を立てているとカードローン会社側へアピールすることができます。
実際、限度額が低いことでカードローン会社側からすると万が一債務回収不可能になっても被害が少ないとみなされるため、審査が通りやすくなります。
収入証明書
収入証明書とは、最新の源泉徴収票、給与明細書(直近1ヶ月分)、住民税決定通知書、課税証明書、所得証明書などを指します。
2010年6月に貸金業法が改正され、借入金額が50万円、または借入総額が100万円を超える場合の申込には、収入証明書の提出が義務化されましたが、それまでは証明書は不要とされていました。
これは、カードローン会社が独自のノウハウで申込者の審査を行ってきたためです。
現在でも、カードローンによっては前述の金額を超えない範囲の申込であれば収入証明書が不要となっています。
しかし、収入証明書がある場合のほうが、申込者の収入を正確に伝えることができるため、あるに越したことはありません。
特に所得が低く見られがちな職業や属性の場合、収入証明書があったほうが審査が通りやすい、希望の限度額が借り入れやすいといえます。
その他
原則として、カードローン審査の基準は「融資したお金が滞りなく返済されるかどうか」という観点で行われます。
したがって、過去に融資した金額が滞りなく返済されている実績が大切です。
なお、大手を中心に多くのカードローンでは、一度審査に通ってしまえば増額審査を何度でも受ることができるという特徴があります。
カードローンによっては100万円以上の限度額を受ける場合は過去の返済実績が必要である場合もあります。
つまり、初めは10〜20万円程度の低い限度額で申し込み、ある程度返済実績をつくったうえで本来希望する金額にて増額審査を申し込んだ方が、より希望額を借り入れできる可能性が高まるといえるのです。
2017年以降の銀行カードローン審査はどうなる?
結論からいうと、2017年以降の銀行カードローンの審査は厳しくなる傾向にあるといわれています。
最近では銀行によるカードローン残高が、消費者金融業者、すなわち一般のカードローンの2倍強にも達しているとの報道がされました。
一般のカードローンでは総量規制のため年収の3分の1までしか借り入れられないのに対して、銀行カードローンは総量規制の対象外なので、各銀行がカードローンの利用を推し進めているためです。
2017年3月末時点では、カードローンの利用残高が1999年以来の高水準となったという調査結果もあります。
口座を持っている銀行の場合はカードローン口座が作りやすく、担当者から「使わなくてもいいので作るだけでも」として口座開設を勧めるケースがよくあります。
当初は使うつもりがなくても、経済的に厳しい状況になったときにすでに開設してあるカードローンに手を出し、少額のつもりがいつの間にか金額が大きくなっているというケースが起こっているのです。
一方で2016年では個人の自己破産申請件数が13年ぶりに増加しており、銀行がカードローンを推し進めたことにより「貸し過ぎ」が起こり自己破産を誘発しているとの指摘もあります。
これを受け、日本弁護士連合会などは銀行に対してカードローンによる融資を貸金業法の基準内におさめるように求めていることもあり、銀行側でも融資に対して見直す動きがおこっています。
具体的には、総量規制と同様に限度額を申込者の年収の3分の1以下にする、年収の50%以内とする、収入に対する返済額の割合を年40%以内にするなどといった動きが挙げられます。
銀行によっては見直す考えはない。とするところも一部ありますが、貸し過ぎが問題化しつつある中、銀行カードローンの見直しを進める動きが主流になりつつあります。
以上の観点から、今後銀行カードローンの審査は消費者金融カードローン並に厳しくなる可能性が高いといえるでしょう。
まとめ
カードローンの審査では、申込者が無理なく返済できるための経済能力を見極めることを目的としています。
審査を通しやすくするコツはありますが、一番は誠実に答えること、借りたお金はきちんと返すことです。
カードローンも借金の一種ですので、審査で最も重視されるのは申込者の信用です。
支払いの滞りがなく、コツコツ誠実に返済していればおのずと信用もあがっていくでしょう。
一方で、何度も支払い遅延を繰り返していたり、踏み倒してしまうことなどがあると、すぐに信用を失ってしまいます。
多少遅れたとしてもきちんと支払っていればすぐに信用に影響がでることはありませんが、一度信用を失ってしまうと取り戻すことは容易ではありません。
特にブラックリストに載ってしまうと、その内容によっては5~10年はカードローンやクレジットカードの新規申込ができなくなってしまいます。
また多重債務を繰り返していると、それだけで信用問題に関わるだけでなく、つい返済を忘れてしまうといったリスクもあり、悪循環を引き起こしてしまいます。
信用は、つくりだすには時間がかかりますが失うのは一瞬の出来事です。
正しく使えばカードローンはいざという時の心強い味方となりますので、無理のない範囲で計画的に利用しましょう。